■病気 大動脈縮窄症 [病気(た行)]
大動脈の狭窄のために血液の流れが悪化
大動脈縮窄(しゅくさく)症とは、動脈管を中心にした大動脈に狭窄(きょうさく)があるために、血液の流れが悪くなる疾患。ほとんどが先天性のもので、女性よりも男性に多く発生しています。
心臓から全身に血液を送る大動脈は、左心室から頭の先や足側へ循環する時に、弓なりに曲がっています。この部分を大動脈弓と呼び、ここから下行大動脈に移る部分が先天的に、狭窄を起こしている場合があります。また、動脈管(ボタロー管)は胎児期には開いていますが、生後は閉鎖するのが一般的です。この閉鎖に伴って、動脈管の前後で大動脈狭窄が起こることがあります。
前者は乳児型、後者は成人型と呼ばれます。乳児型の場合は、心臓の奇形を合併していることが多く、そのために心不全や肺高血圧症を起こして、生後6カ月以内に死亡する率が高くなっています。成人型では、大動脈のバイパス(副血行路)が発達するので、発育上は支障がなく、予後も比較的良好です。
以上の2つは定型的な縮窄症ですが、異型大動脈縮窄症と呼ばれるものは、大動脈炎症候群と同類で、動脈壁に炎症が起こったためにできた狭窄です。この狭窄は大動脈の至る所にできますが、ほとんどは胸部から腹部にかけての大動脈に起こります。炎症がなぜ起こるかは、わかっていません。
大動脈縮窄症の症状としては、大動脈が狭くなったところで血流が抵抗を受けるために、狭窄部より上の、心臓に近いところでは高血圧になり、末端では低血圧になるという現象が起きます。すなわち、上半身は高血圧、下半身は低血圧になり、足の動脈では、股(また)の付け根の脈拍が触れないこともあります。また、高血圧のために左心室が肥大します。
自覚症状としては、運動をした時の激しい動悸(どうき)、顔面のほてり、頭痛、頭重という高血圧の症状がみられます。足では、血行が悪いために、長く歩くと足が痛い、疲れやすいなどの症状が現れます。乳幼児では、足の発育も悪くなります。
定型的な大動脈縮窄症の場合、ほうっておくと20歳までに75パーセントが死亡するとされています。死因としては、縮窄に合併した心破裂、大動脈瘤(りゅう)破裂、心内膜炎、心不全、脳出血など。
大動脈縮窄症の検査と診断と治療
X線検査、心臓超音波検査、心電図検査を行います。また、手にある橈骨(とうこつ)動脈から造影剤を注入し、大動脈をX線で撮影する逆行性橈骨動脈造影で診断を確定することもあります。
診断がつき、狭窄が強い場合には、血行再建のための手術を行います。定型的な大動脈縮窄症では、狭窄部を切除して上下の大動脈をつなぎます。狭窄の範囲が広ければ、人工血管でつなぎます。手術の時期は、8〜14歳ぐらいが好成績を得られると見なされています。
異型大動脈縮窄症に対しては、病変部の切除が困難なことも多く、この場合は、代用血管でバイパスを作る手術を行います。
手術後、再び狭窄が認められることがあります。近年では、再狭窄に対して、手術以外の方法としてカテーテル治療が行われることもあります。
詳しい病気の解説は四百四病の事典(http://ksjuku.com/jiten.html)へどうぞ
大動脈縮窄(しゅくさく)症とは、動脈管を中心にした大動脈に狭窄(きょうさく)があるために、血液の流れが悪くなる疾患。ほとんどが先天性のもので、女性よりも男性に多く発生しています。
心臓から全身に血液を送る大動脈は、左心室から頭の先や足側へ循環する時に、弓なりに曲がっています。この部分を大動脈弓と呼び、ここから下行大動脈に移る部分が先天的に、狭窄を起こしている場合があります。また、動脈管(ボタロー管)は胎児期には開いていますが、生後は閉鎖するのが一般的です。この閉鎖に伴って、動脈管の前後で大動脈狭窄が起こることがあります。
前者は乳児型、後者は成人型と呼ばれます。乳児型の場合は、心臓の奇形を合併していることが多く、そのために心不全や肺高血圧症を起こして、生後6カ月以内に死亡する率が高くなっています。成人型では、大動脈のバイパス(副血行路)が発達するので、発育上は支障がなく、予後も比較的良好です。
以上の2つは定型的な縮窄症ですが、異型大動脈縮窄症と呼ばれるものは、大動脈炎症候群と同類で、動脈壁に炎症が起こったためにできた狭窄です。この狭窄は大動脈の至る所にできますが、ほとんどは胸部から腹部にかけての大動脈に起こります。炎症がなぜ起こるかは、わかっていません。
大動脈縮窄症の症状としては、大動脈が狭くなったところで血流が抵抗を受けるために、狭窄部より上の、心臓に近いところでは高血圧になり、末端では低血圧になるという現象が起きます。すなわち、上半身は高血圧、下半身は低血圧になり、足の動脈では、股(また)の付け根の脈拍が触れないこともあります。また、高血圧のために左心室が肥大します。
自覚症状としては、運動をした時の激しい動悸(どうき)、顔面のほてり、頭痛、頭重という高血圧の症状がみられます。足では、血行が悪いために、長く歩くと足が痛い、疲れやすいなどの症状が現れます。乳幼児では、足の発育も悪くなります。
定型的な大動脈縮窄症の場合、ほうっておくと20歳までに75パーセントが死亡するとされています。死因としては、縮窄に合併した心破裂、大動脈瘤(りゅう)破裂、心内膜炎、心不全、脳出血など。
大動脈縮窄症の検査と診断と治療
X線検査、心臓超音波検査、心電図検査を行います。また、手にある橈骨(とうこつ)動脈から造影剤を注入し、大動脈をX線で撮影する逆行性橈骨動脈造影で診断を確定することもあります。
診断がつき、狭窄が強い場合には、血行再建のための手術を行います。定型的な大動脈縮窄症では、狭窄部を切除して上下の大動脈をつなぎます。狭窄の範囲が広ければ、人工血管でつなぎます。手術の時期は、8〜14歳ぐらいが好成績を得られると見なされています。
異型大動脈縮窄症に対しては、病変部の切除が困難なことも多く、この場合は、代用血管でバイパスを作る手術を行います。
手術後、再び狭窄が認められることがあります。近年では、再狭窄に対して、手術以外の方法としてカテーテル治療が行われることもあります。
詳しい病気の解説は四百四病の事典(http://ksjuku.com/jiten.html)へどうぞ
タグ:大動脈縮窄症 心臓、血管、血液の病気 病気 健康創造塾 病気(た行) 巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎) 肺塞栓、肺梗塞 食道静脈瘤 心臓弁膜症 悪性リンパ腫 脳貧血 うっ血 血栓症 顕微鏡的多発血管炎 結節性多発動脈炎 鉄欠乏性貧血 低血圧症 エコノミークラス症候群 静脈瘤 心筋炎 WPW症候群 閉塞性動脈硬化症 ブルガダ症候群 レイノー病 静脈血栓症 門脈血栓症 無症候性心筋虚血 白血球増加症 白衣高血圧 肺動脈狭窄症 肺性心 バージャー病 特発性脱疽(バージャー病) 特発性心筋症 動脈管開存症(ボタロー管開存症) 多血症(赤血球増加症) 大動脈瘤 大動脈炎症候群 大血管転位症 先天性心臓病 成人T細胞白血病(ATL) 精索静脈瘤 心膜炎 心臓ぜんそく 心臓神経症 血友病 キャッスルマン病 解離性大動脈瘤 仮面高血圧 顆粒球減少症 HTLV−1関連脊髄症(HAM) 側頭動脈炎(巨細胞性動脈炎) 過敏性血管炎 早朝高血圧 菌血症 末梢動脈疾患(PAD)
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