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■用語 アラキドン酸 [用語(あ行)]

[レストラン]アラキドン酸(Arachidonic acid:ARA)とは、不飽和脂肪酸の一つで、ほ乳類のほとんどにとっての必須脂肪酸であると見なされています。近年、人間の記憶など脳の働きに重要な役割を果たすことが確認され、高濃度のアラキドン酸を含む食用油脂も市販されています。
 人体においては、アラキドン酸は細胞膜中のリン脂質として存在し、とりわけ脳に多く含まれています。ホスホリパーゼA2によって、アラキドン酸はリン脂質から遊離し、ここから一連のエイコサノイドが作られ、また細胞間のシグナル伝達におけるセカンドメッセンジャーとして働きます。これらの生合成過程や体内での作用は、アラキドン酸カスケードと呼ばれます。
 母乳やレバー、卵黄にアラキドン酸はわずかに含まれていますが、それだけでは人体にとって不十分。このため、食品から摂取したリノール酸を原料として、体内でアルキドン酸を合成しています。ただ、高齢者や乳幼児では、合成する酵素の働きが弱いため合成量が少なくなります。
 海外の研究によると、アルツハイマー型痴ほう症では、記憶をつかさどる脳内の海馬に存在するアラキドン酸が減っていました。アトピー性の疾患では血中の、糖尿病では肝臓のアラキドン酸が減っていました。
 国内の研究によると、健康な高齢者にアラキドン酸含有の油脂を一カ月間、毎日摂取してもらった結果、有意に認知能力がアップ。同時に、認知能力がアップした高齢者ほど、血中のアラキドン酸の量が増えていました 。一部の高齢者で、うつ症状の改善効果もみられたのは、いろいろな病気の原因になる活性酸素で傷付けられた神経細胞膜を、アラキドン酸が修復したためと考えられています。
 ちなみに、ほ乳類のほとんどでは、リノール酸を原料として体内でアラキドン酸が合成されますが、種によっては合成機能が十分でないために、必要な量を生産することができないか、まったく生産する機能を持ちません。
 自ら十分な量を生産できないネコ科の動物などは、他の動物の捕食によって摂取する必要が生じます。植物には、アラキドン酸はほとんど含まれていません。




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