■病気 IgA腎症 [病気(A〜Z、数字)]
慢性糸球体腎炎の中で最も頻度の高い腎炎
IgA腎(じん)症とは、腎臓の糸球体に、血清蛋白(たんぱく)の一種であるIgA免疫グロブリンが沈着している慢性の腎炎。日本における慢性糸球体腎炎の中では、30〜40パーセントを占める一番頻度の高い腎炎です。
子供から大人まで広く発症者はいますが、10歳代と40歳代に多い傾向があります。原因は不明です。何らかの抗原がのどや腸から体に入り、これに対する抗体としてIgAが産生され、この免疫複合体が糸球体のメサンギウム細胞の領域に沈着すると考えられていますが、原因となる抗原は完全にはわかっていません。
多くは、初期の症状が全くありません。たまたま学校や会社の検尿で蛋白尿や血尿を発見されるか、あるいは、感染に伴って突然の肉眼的血尿が出現して発見されます。時には、ネフローゼ症候群や慢性腎不全に進行するものもあります。
一般に、このIgA腎症は血尿が特徴で、血尿が続いたり、風邪を引くたびに血尿を反復したりしますが、その反面、蛋白尿は比較的少なく、1日1グラム以下です。血液の免疫グロブリンであるIgAが高値を示すものが多いのですが、経過は緩慢で、慢性腎炎の潜在型と同じく予後は良好。
しかしながら、ネフローゼ症候群を示すものは悪化し、IgA腎症の10〜20パーセントは腎不全となります。腎不全の症状は、疲れやすい、食欲低下、息切れ、夜間に尿量が多い、などです。放置すると尿毒症へ進行し、透析療法が必要になります。
IgA腎症の検査と診断と治療
IgA腎症は、検尿や血液検査、腎臓の組織を顕微鏡で調べる腎生検で診断されます。
治療では、慢性腎炎に準じて減塩、蛋白制限からなる食事療法と運動制限を行います。薬物治療としては通常、抗血小板薬を使い、重症例では副腎皮質ステロイドを使います。 変換酵素阻害薬に、腎機能の保護作用が認められます。
なお、IgA腎症の症状が時期によって変化することに、注意が必要です。腎生検を行った時点では活動性は低いと考えられても、数年後には非常に活動性の強い病変に変わることもあり、油断はできません。定期的な検尿や血液検査はもちろん、腎生検を繰り返し行い、活動性を監視する必要があります。
詳しい病気の解説は四百四病の事典(http://ksjuku.com/jiten.html)へどうぞ
IgA腎(じん)症とは、腎臓の糸球体に、血清蛋白(たんぱく)の一種であるIgA免疫グロブリンが沈着している慢性の腎炎。日本における慢性糸球体腎炎の中では、30〜40パーセントを占める一番頻度の高い腎炎です。
子供から大人まで広く発症者はいますが、10歳代と40歳代に多い傾向があります。原因は不明です。何らかの抗原がのどや腸から体に入り、これに対する抗体としてIgAが産生され、この免疫複合体が糸球体のメサンギウム細胞の領域に沈着すると考えられていますが、原因となる抗原は完全にはわかっていません。
多くは、初期の症状が全くありません。たまたま学校や会社の検尿で蛋白尿や血尿を発見されるか、あるいは、感染に伴って突然の肉眼的血尿が出現して発見されます。時には、ネフローゼ症候群や慢性腎不全に進行するものもあります。
一般に、このIgA腎症は血尿が特徴で、血尿が続いたり、風邪を引くたびに血尿を反復したりしますが、その反面、蛋白尿は比較的少なく、1日1グラム以下です。血液の免疫グロブリンであるIgAが高値を示すものが多いのですが、経過は緩慢で、慢性腎炎の潜在型と同じく予後は良好。
しかしながら、ネフローゼ症候群を示すものは悪化し、IgA腎症の10〜20パーセントは腎不全となります。腎不全の症状は、疲れやすい、食欲低下、息切れ、夜間に尿量が多い、などです。放置すると尿毒症へ進行し、透析療法が必要になります。
IgA腎症の検査と診断と治療
IgA腎症は、検尿や血液検査、腎臓の組織を顕微鏡で調べる腎生検で診断されます。
治療では、慢性腎炎に準じて減塩、蛋白制限からなる食事療法と運動制限を行います。薬物治療としては通常、抗血小板薬を使い、重症例では副腎皮質ステロイドを使います。 変換酵素阻害薬に、腎機能の保護作用が認められます。
なお、IgA腎症の症状が時期によって変化することに、注意が必要です。腎生検を行った時点では活動性は低いと考えられても、数年後には非常に活動性の強い病変に変わることもあり、油断はできません。定期的な検尿や血液検査はもちろん、腎生検を繰り返し行い、活動性を監視する必要があります。
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