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■小宇宙である人間にとっての「気」1 [「気」学]

[牡羊座]●宇宙の「気」を受けて生命を養える
 ここまで、多岐にわたる「気」の思想や「気」の哲学の説明を尽くしてきたが、ストレスに満ちた現代社会に生きる人間にとっては、「気」を宇宙天地大自然の中に求め、自らの「気」を練り、自らの「気」を癒すことが肝要である。
 私たち人間は、宇宙によって創られ、生かされ、生きている存在にほかならない。その人間の命の本体は何かといえば、はるかな百五十億年前に逆上る宇宙創造の根源であり、今も宇宙天地大自然いっぱいに満ちみちている「気」そのものである。
 行き着くところ、その「気」を全身に充実するか、充実しないかで、人間の人生の成否が決まるといっても過言ではない。自らの生命を生かしている宇宙天地大自然の「気」ということに気付いて、「気」を土台として生きるということも、正しい人生のあり方の一つということになるだろう。
 人間の体には生命力というものがあるから、それを「気」に変え、「気」の働きで自己を見、他人を見ることである。「気」というものは、人間の内容を見通すことも、知ることもできるのである。
 多くの人は、この生命力を「気」に変え得ることを知らないし、十分にできないが、どうにか生きていけるので、人間の真の力を作ろうとも、発揮しようともしない。
 例えば、「気枯れする」という言葉がある。その意味するところは、元気もなく、勇気もなく、ただ生きているのか死んでいるのか、まるで判別できないような灰色人生、灰色人間のことを指しているように思われる。
 読者の方々の中にも、いつか知らない間に、生ぬるい無感激、無意欲、無気力な人間に、自然になってしまった方がいるのではなかろうか。
 宇宙生命の正気を十分に摂取して、毒気の「気」を吐き出し、生々した明るい自分を創造し、気枯れした自分をよみがえらせたいもの。
 そこで、人間誰もが物事を生かしていくための真の力を作るには、宇宙天地大自然の「気」を肉体に受けて力とし、その力をもう一度「気」に変えて働かなければならない。
 あたかも、石油がガソリンになり、ガソリンが力になって「気」に変わり、エンジンを動かすというように、力が爆発して「気」に変わる時に、その「気」が生きて働くのである。「気」と力の関係は、エネルギーの変化である。
 この点で、自らの体に「気」が充実している人、気が働く人、気がきく、気が付くというような人は、運命をよくする機会に恵まれている。
 頭がよいとか、利口だとかいうことも大切だが、そういう条件よりも、運命をよくする「気」が体にあるかないかということが、幸運の条件なのである。
 「気」は、宇宙いっぱいに満ちている。みなぎりわたっている。宇宙大自然は「気」の世界、人間の命というものも「気」であり、肉体は「気」の固まりである。
 この私たちの肉体は、絶えず宇宙の「気」を受けて、生命を養い、運命を作ってゆく。宇宙の他力の「気」を力にして発揮、発動する肉体の働きが、あらゆる幸運の転機を捕らえて、よき運命を刻々と作り出し、積み上げてゆくのである。
 幸運も、よき運命も、小宇宙にも小天地にも例えられる自分の肉体にある。この体が万事のもと、幸運のもと。幸福のすべてが、自分自身の体、自己という生命体の中にあるのだ。
 肉体の「気」を養って、油断なく肉体で働く。この体から「気」を発して、よき縁を選ぶのである。
[牡牛座]●宇宙の「気」と交流する機能は肉体が持つ
 人間の肉体能力は、すべからく、「気」という宇宙パワーを肉体が受けて、働きとなるものである。それは「気」を吸収して力とし、その力を「気」に変えて肉体能力としているのにほかならない。
 宇宙の「気」という人間が生きる根源の力、働くためのエネルギーを全身に吸い入れる力は、頭ではなくて肉体の力、細胞の力なのである。
 一般の人間は、肉体を頭脳に劣るものと考えて、どんなことでも頭の思考力、判断力で、どうにでもなると思い、肉体に圧力をかけて、その働きを無視し、弱めている。肉体の軽視、これが人間にとっては一切の災いのもとである。
 私たちは第一に、空気の呼吸で宇宙の「気」を受けている。天気、気候、気温、気圧からも「気」を受けている。植物や、食物からも生気を受けている。大地からも、海からも「気」を吸収している。太陽からも、天体の全体からも、生命に必要な力である「気」を体の全体、全身に、毛穴を通じても受けている。
 そうして人間の肉体は、「気」が充実した、気力が出た、あるいは元気になった、気分がよくなったということになるのである。
 宇宙の「気」が充実されて、日常の仕事の上にも、創作や発明、発見の面にも気力を注ぐことができて、はじめて立派なものが作られたり、生まれ出ることになる。同時に、自分の気力を、他の人々に対して言葉や表情、動作からも移し与えることもできる。
 宇宙の「気」を体に充実し、充実した気力を十分に活用できるようにすることが肝要。
 この点で、人間の全身に約六十兆個ある細胞の一つひとつが、十分に宇宙の「気」を受けて生き生きとしていないと、宇宙からの「気」を受けたり、必要に応じて出したりすることは、完全にはできない。
 細胞の健全な生命力が欠ければ、気力も欠けて、宇宙の「気」を受けることも、自分から「気」を出すことも、全く気抜けの状態で弱々しいものになる。
 一方、細胞の一つひとつにまで宇宙の「気」が正しく交流すると、肉体がただ健康になるというばかりではなく、思考力や判断力も、自然の力、「気」の力で機能的に開発される。反対に、宇宙の「気」の交流が足りないと、生命力が弱くて病気になり、断たれると気絶となるのである。
 宇宙天地大自然の「気」と交流し、「気」を完全、十分に吸収するか否かで、人生の成果は大きく左右される。
 人間の肉体生命と精神の真の神秘力を発揮するには、何はともあれ肉体を知り、肉体を信じ、肉体一色となることから始めなくてはならない。
 人間の肉体に天地大自然が潜み、宇宙全体が働き掛けていることは、現代科学でも立証している。私たちの肉体生命を生々躍動させているものは、「気」なのである。
[双子座]●遺伝的な生命エネルギーが先天の「気」
 人間の肉体を生々躍動させている「気」について、中国医学の理論にのっとり、先天の「気」と、後天の「気」の二つに分けて考察してみよう。
 先天の「気」のほうは、元気とも呼ばれる。日本人ならば、「お元気ですか」と挨拶(あいさつ)をし、手紙では「お元気のことと思います」と書き始めるだろう。この日本人にとって最も一般的な言葉である元気は、歴史をたどれば、中国の古代医学の術語であったのである。
 元気は原気とも呼ばれ、子供が父と母から受け継いだ原初の生命エネルギーを意味している。私たち人間の世代交代は男女両性の交わりによって繰り返されてきたわけだが、元気は肉体の誕生、成長、活動の源ともなるエネルギーと考えられている。
 新しい世代である子供の立場からすれば、原初の生命エネルギーは「天より受けた」と見なされ、先天的にすでに定められているという意味で、先天の「気」と呼ばれるのである。
 遺伝的な生命エネルギーである先天の「気」は、母胎の中で充実、発展して胎児の誕生となり、その後も、成長と発育の基礎となる。
 中国の古代医学では、先天の「気」が五臓の一つである腎(じん)に蓄えられることを、「腎は先天の本である」と表現する。
 腎臓については、西洋医学が血液中から尿をろ過し、膀胱(ぼうこう)に送り出す泌尿器官として考えているのに対して、中国では腎に非常に多くの働きを期待している。例えば、「気」を蓄えることから始まり、脳を満たしているとされる髄を生じること、各器官にエネルギーを提供することなどだ。
 それらを総合して「腎は先天を主(つかさ)どる」とも表現する。
 ただし、この腎に蓄えられた先天の「気」は、遺伝的であるがため、加齢とともに減少することはあっても、増加することはないと見なされている。
 だから、腎のエネルギーを大切に、節約して使うということが、人間個人の健康にとっても、子孫の繁栄のためにも、大きな意味を持つことになる。
 同時に、人間や動植物が加齢とともに次第に老化し、衰えていくのは、先天の「気」の衰えにほかならないと、中国古代医学では考えられている。




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