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■体を動かす習慣を持つ [やる気を出す]

■やる気を持続させるエネルギーを持つためには、ふだんからスポーツなどで体を動かす習慣を持つことも、ぜひ勧めたい。■
 すぐ行動する習慣を自分のものとし、ここ一番という時にやる気を出し、そのやる気を持続させるエネルギーを持つためには、ふだんからスポーツなどで体を動かす習慣を持つことも、ぜひ勧めたい。
 ビジネス雑誌を開けば、日本の優秀なビジネスマンも、体を動かすことでやる気を喚起していることが、よくわかる。経営のトップにある社長たちや、第一線に立つビジネスマンたちが、「毎朝のジョギングの後に、朝風呂に入って心身をリフレッシュさせてから、出社する」、「毎朝五時に起床して、近くの公園を散歩し、ラジオ体操もやる」などと、独自の体を動かす健康法を語っているのである。
 彼らの運動は、健康管理の一つの方法であるとともに、自分のやる気を喚起するためのものでもあるはずだ。体を動かすことで、精神も興奮する。「仕事をしなければならない」という積極的な気持ちが刺激され、「怠けたい。仕事をしたくない」というマイナスの気持ちを上回る。そこで、今日一日の仕事へのやる気が生まれてくるというわけだ。
 体を動かすのに、時間や場所の制約を設ける必要は、全くない。仕事や勉強をしている最中、「能率が落ちてきたな」、「ちょっとダレてきたな」と自覚したら、椅子(いす)から立ち上がって、背伸びや屈伸運動をしてもいい。床に手をついて、腕立て伏せをしてもいい。
 運動の種類は、何でもいい。要は、体を少し動かすことで、気分を爽快(そうかい)にし、心に活を入れればいいのだ。
 仕事が順調にいかない時や、いらいらして手につかない時には、会社の屋上へ出てみたり、トイレに入って、ゴルフのスイングや野球の素振りのまねをしてみるのもよい。会社の階段を使って、駆け足で上り下りしてみるのもいいだろう。
 長々と体を動かす必要は、毛頭ない。あまりに激しい運動を長く続けると、体のほうが疲れてしまい、やる気を出そうにも体がついてこないという結果になりかねない。やる気が出たと感じたら、すぐに仕事や勉強に戻ることである。
■キビキビと素早い動作をするように心掛ければ、連動して心のエンジンも始動する。■
 自分のやる気を喚起するには、ただ体を動かすだけでも効果があるが、仕事中にキビキビと素早い動作をするように心掛ければ、連動して心のエンジンも始動する。
 春と夏の全国高校野球大会は今や季節の風物詩の感があるが、攻守交代のたびに選手たちが全力疾走している姿は、見ていて気持ちのいいものである。彼ら人生の春を謳歌(おうか)している高校球児は、全力で走って守備に就いたり、ベンチに帰ったりすることで、自分たちのやる気を喚起しているのである。
 高校野球に限らず、ダラダラと緩慢な動作で仕事をしていたなら、やる気も起きないはずである。一方、キビキビと素早い動作で仕事をしてみると、不思議にやる気が出てきたという体験は、誰にもあることだろう。
 緩慢で鈍い動作では、体に興奮が起きてこないから、精神も興奮しない。動作を素早くすると、自分の体にすぐに興奮が起こり、精神にも興奮が伝わる。体のエネルギーが心のエネルギーに変わり、やる気が出てくるというわけだ。
 そこで、仕事や勉強に気乗りがしない場合には、書類や参考書をめくるスピードや、文字を書くスピードなど、自分の動作を意識的に早くしてみることを勧めたい。
 怖い上司に飲まれたくなかったら、呼ばれた際には「ハイ」と返事して、素早く立つ。それだけのことでも、仕事や上司に対して積極的に立ち向かっていけるものである。
■腹に力をこめることで、元気が出てきて、大胆で、何事にも動じない男になれるものだ。■
 自分の肉体の一部に強い力を入れてみるのも、やる気を引き出す有効な手段である。
 心の緊張や興奮が、体のどこか一部に力をこめる形となって現れるのと同様、体のどこか一部の緊張は、心の緊張や興奮となって現れるもの。それによって、心の中のやらなければならない気持ちが刺激され、高まってくるわけだ。
 応用するのは、仕事や勉強に飽きて、能率が悪くなった時などである。男性ならば、ベルトやネクタイを強く締め直してみるといいだろう。腹や首に力を入れるわけだが、真に簡単な方法でやる気も出て、能率が元に戻ってくるもの。
 何気ない体の緊張でも、心のエネルギーを一気に高め、やる気を呼び起こす。
 私が特に勧めたいのは、下腹に力をこめて、緊張させること。最近の男性が弱々しくなった理由の一つは、腹に力を入れる腹式呼吸ではなく、胸で息を吸う胸式呼吸をするようになったことにある。腹に力が入らないと、元気も出てこないし、いかにも弱そうに見えるものだ。逆に、腹に力をこめることで、元気が出てきて、大胆で、何事にも動じない男になれるものだ。
 昔から臍下丹田というが、丹田とはヘソの下三センチほどのところであり、さらにその下一・五センチが気海といって、宇宙天地大自然の「気」が集まるところである。
 丹田、気海のある腹は柔らかいもので、脳や心臓のように骨で保護されていないが、この腹を中心に存在する細胞の働きは、実に見事なものである。あらゆるものを感じ取り、想像、判断をするという力が、腹の細胞の一つひとつに見事に備わっている。
 この腹や腰の細胞というものが生命の基礎、根本となって、人の一生をコントロールする中心、基盤となるのである。例えば、人間の精神的、意識的調整というようなものは、腹がやり、腰が担う。
 人間の体の「気」の中心は、臍下丹田、下腹部にあるということを知るべきである。
 相撲取りのまわしも、「気」を集めるために締める。日本古来の和服でも、男は下腹に帯を締めて「気」を集めるようになっているし、女が筒のようにしてお太鼓を締めると、腰を真っすぐにして負担をかけず、腰痛にならないという効用が認められる。
 現代は誰も彼も、頭を使って生きること、ずる賢く生きることに懸命であるが、「気」の集まる腹で生きることだ。腹で生きる人は、老けないでいつまでも若く、健康、長寿が得られる。
■気分転換や心機一転の機会ごとに、あくびや伸びによってやる気を取り戻し、意識が前向きで、着想が新しく、新しくと進んでゆくのがよい。■
 やる気を取り戻したいと願う人には、あくびや伸びをすることもぜひ勧めたいことの一つである。あくびなどは体内の疲れを「気」に変えて、体外に放出する自然作用で、大いに奨励すべきもの。
 その原因が前夜の睡眠不足では怠け者の象徴となるが、気分転換や心機一転の機会ごとに、あくびや伸びによってやる気を取り戻し、意識が前向きで、着想が新しく、新しくと進んでゆくのがよい。
 事務仕事の多いビジネスマンやOLなら、人工的に時々、あくびや伸びをする癖をつけておくと、習慣的に、条件反射的に、疲れがたまると、すぐに出るようになる。努めて、このような自然機能が発動するような体勢、体調にしておくことだ。
 『ホトトギス』を主宰した俳人の高浜虚子は、「五十ばかりあくびをすると一句浮かぶ」という特技を持っていたそうである。
 頭の働きに活を入れようと思ったら、体の筋肉を引き伸ばすことが一番なのであり、人間が無意識に実行している典型的な例が、あくびや伸びなのである。
 筋肉が引き伸ばされた時、その中にある感覚器の筋紡錘からは、しきりに信号が出て大脳へ伝えられる。大脳は感覚器から網様体経由でくる信号が多いほどよく働き、意識は高まって、頭ははっきり、すっきりするようになる。
 あくびも、上あごと下あごの間に張っていて、物を噛(か)むのに必要な咬筋(こうきん)という筋肉を強く引き伸ばすものであることを勘案すれば、俳人の特技もよく納得できる。
 あくびは「血液の中の炭酸ガスを追い出すための深呼吸」だと説いている書物が圧倒的だが、あくびは「頭をはっきり、すっきりさせるための運動の一つ」でもあるわけだ。
 眠っていた猫が目を覚まして、行動を起こそうという間際には、決まってあくびをし、ついでに背伸びをしている。私たち人間も、今から起き出そうという際には、伸びをしたり、あくびをして筋肉を伸ばし、頭をはっきりさせる軽い運動をしている。
 長い会議に出席したり、退屈な講演や授業を聞かされると、あくびが出そうになるもの。このあくびが、頭をはっきりさせて、何とか目を覚ましていようという、無意識の努力の表れだとしたら、周囲も腹を立てたりはできなくなる。
 あくびは、自然の覚醒剤。いつでも堂々とやりたいものである。礼儀作法、エチケットに反することになるのは、いかにも残念。その点、咬筋の収縮を繰り返しても同じような効果があるので、ガムを噛むのもいいだろう。
■仕事に飽きた時に、やる気を取り戻すための簡単な運動で、最も手っ取り早いのは、自分の体をたたいて刺激することだ。■
 体の伸びを取り入れた簡単な運動の数々。これらも、座りっ放しで仕事を続けている人には、気分転換、やる気喚起として大いに役立つだろう。
 椅子に腰掛けるたびに、腕を精いっぱい伸ばし、深呼吸をする。十分か十五分おきに、きちんと椅子に座り直して、肩を回し、体をリラックスさせる。三十分おきに、椅子の背にもたれて、十分に体を反らせる。
 電話を手元に置かず、少し離して置く。当然ながら、電話のたびに手を思い切り伸ばさなければならなず、腕の運動になる。椅子から立ち上がった際には、前かがみになって、足先をつかむようにするなどだ。
 それぞれ本当に簡単な運動ながら、習慣的に実行を続ければ、緊張を解きほぐし、やる気を呼び起こす上で、極めて効果的である。
 とりわけ、仕事に飽きた時に、やる気を取り戻すための簡単な運動で、最も手っ取り早いのは、自分の体をたたいて刺激することだ。
 芸者がお座敷に出る時、しばしば帯を締め直してポンポンとたたくのは、自分の体を刺激して「気」を引き締めているのである。大相撲の力士が自分の出番がきて呼び出された時や、最後の仕切りの直前に、ほおや、太ももや、まわしをたたいている姿も、よく見掛けるところだろう。
 この体をたたいて自分のやる気を出したり、人から出してもらったりするのは、一般の人もよく経験していることである。失意のどん底にいるような人間には、先輩や友人などが背中や肩をたたいて「しっかりしろよ」と励まし、元気づけする光景は、よく目にするはずだ。
 背中や肩をドンとたたかれた場合、それだけで気合が入り、人間は意外に、やる気を起こすものである。
■会社で仕事に励むビジネスマンには、職場の洗面所にゆき、冷たい水で顔や手を洗って、自分を刺激することを勧めてみたい。■
 私たち人間は無意識のうちにも、体をたたいたり、たたかれたりしてやる気を奮い起こしているわけだが、ここ一番、さらなるやる気を奮い立たせたい時には、これを応用し、芸者や力士を見習って、意識的にたたいてみるといい。
 仕事や勉強の能率が落ちてきたら、肩や腕をたたくなどしてみることで、能率を持続できるはずである。
 冷たい水を浴びるという行為も、肉体に強い刺激を与えてやる気を喚起する方法の一つである。体をたたくのは肩などどこか一部に限定されるが、冷たい水ならば、体全身が刺激されることになる。特に冬などは、刺激がいっそう強烈なものになるから、体をたたくよりも効果は大きいだろう。
 しかし、当然のことながら、冷たい水をかぶったり、シャワーを浴びるというのは、浴室や井戸などのある場所に限られてくるから、会社で仕事に励むビジネスマンには、職場の洗面所にゆき、冷たい水で顔や手を洗って、自分を刺激することを勧めてみたい。
 仕事にダレてきた時などは、考え方が積極的なものとなったり、思考の行き詰まりを破ったり、なえかけた気分を発奮し直したりできるというもの。
 冷たい水とは反対に、熱いお湯で顔や手を洗ったり、熱い風呂につかって体を興奮させ、やる気を引き出す方法もある。
■昼休みには、できるだけ散歩するのがいいだろう。十五分ぐらい歩けば、脳に刺激を与え、気持ちをリフレッシュさせることになる。■
 まとまった時間が確保できる昼休みは、ビジネスマンやOLにとって、心機一転のやる気を起こす絶好の機会となる。
 昼休みには、できるだけ散歩するのがいいだろう。十五分ぐらい歩けば、脳に刺激を与え、気持ちをリフレッシュさせることになる。足を使うウォーキングがストレス解消など肉体的、心理的に効果があることは、各方面の研究で続々実証されている。
 天気がよければ、かなり遠方まで足を延ばそう。一人で出掛けるのもいいが、上司や同僚、部下たちと一緒に、伸び伸びと語り合う散歩なら、またとない気分転換にもなることだろう。
 家庭にいる主婦などは、昼休みに限定せず、いつでも簡単にできる運動、手軽なレジャーとして、街歩きを実行すればよい。買い物ついでに、バス停の四つ、五つは歩くことに決めてしまえば、車窓からは見えない風景が現れる。街を歩けば、季節の細かな移ろいにも敏感になるはずだ。
 街歩きなら時と場所を選ばず、準備運動がいらずに、誰でもできる。健康的で、まさに賢い余暇の横綱といえよう。準備に時間をかけないで、スッと出て、少し汗をかく程度に歩けばいい。
 歩く時には、姿勢を正しく、胸を張って、腹や腰に力を入れて歩くことが必要。背骨を無理のない姿に保てば、内臓の働きがよくなる。歩く時間が少ないと、足腰の筋肉が衰え、姿勢も前かがみになりがち。こういう不自然な姿勢でいると、神経が圧迫され、いろいろな病気を起こす原因になる。
 「老化は足腰から始まる」と一般的にいわれているが、人間の体というものは、使わなければそれだけ衰えていくものである。あまり大切にしすぎても、かえって体のためにならない。
■慢性的に運動不足の現代人は、歩くということさえ忘れかけている。人間の常として、足が弱ると行動力に欠けてくるため、やる気の原動力となる自信を失ってしまう。■
 現代に生きる日本人は、老若男女を問わず平均的に、運動不足だといわれて久しい。平常から体を動かしている人と、動かしていない人とでは、病気に対する抵抗力が大きく違ってくる。
 慢性的な運動不足は、筋肉を減少させ、内臓機能を低下させてしまう。少々疲れているからといって、電車や車にばかり頼っていたのでは、体が鈍ってしまう。
 老人は絶対に過激な運動を避けるなど、年齢や体力によって運動量は違ってくるが、ライフワークの一環として、日常生活で使わない足腰の筋肉を中心に、労をいとわず動かすよう心掛けるべきだ。
 足と腰を鍛え、肉体の下半身からエネルギーが、自然に湧き上がってくるような気合の人となれば、疲れるなどということはない。倦怠(けんたい)感を覚えるとか、飽きるということもない。
 こういう人間になれば、腸が活発に働くだけでなく、胃も丈夫だから、頭脳も明敏になる。体全体がバランスよく、すべてが当たり前に働くようになる。
 それなのに、慢性的に運動不足の現代人は、歩くということさえ忘れかけている。人間の常として、足が弱ると行動力に欠けてくるため、やる気の原動力となる自信を失ってしまう。
 私たち人間が歩くことは、決して高度な技術や装備が必要なわけではない。人間の先祖たちは、自らの二本の脚を頼りにして、全世界に進出していったのだから__。
 むずかしさがあるとすれば、実行するやる気一つ、持続する意志一つである。
 昼休みやふだんの暮らしの中で、「長い時間歩く機会を、どうしても見付けられない」という人は、通勤時間帯を利用する手がある。家から駅、駅から会社までを車やバスを使わず、とにかく歩いてみる。駅のそばに住んでいる人は、次の駅まで歩く気持ちがあってもいいだろう。




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