■病気 太田母班 [病気(お)]
![[蟹座]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/12.gif)
太田母斑(おおたぼはん)とは、片側のまぶたから額、頬(ほお)にかけてできる、境界の不明瞭な褐青色の色素斑。眼上顎部(がんじょうがくぶ)褐青色母斑とも呼ばれます。
母斑は、皮膚の一部分に色調や形状の異常が現れる状態で、あざとも呼ばれ、皮膚から盛り上がることはありません。
太田母斑は、詩人や作家としてのペンネーム木下杢太郎(もくたろう)でも知られる皮膚科の医学者・太田正雄東大教授が、1939年(昭和14年)に初めて報告した疾患で、日本人など東洋人に比較的多くみられます。
通常は顔の片側に色素斑ができますが、両側にできる場合もあります。また、生後間もなく色素斑ができる早発型と、小児期や思春期に色素斑ができて徐々に拡大する遅発型の2種類があります。
さらに、色素斑は顔面の皮膚だけでなく、眼球結膜や口の粘膜、鼓膜にできることがあります。
色素斑は、三叉(さんさ)神経の第1・第2枝の支配領域にみられ、青みを帯びた色素斑の中に褐色調の小さな斑点が散在した状態で現れます。皮膚の表面は滑らかで、盛り上がったりしません。
原因は、メラノサイト(メラニン細胞、メラニン形成細胞、色素細胞)にあります。通常は表皮にあって、メラニンという皮膚の色を濃くする色素を作り出すメラノサイトが、深い部分の真皮の上層に存在し増殖しているために、皮膚が褐青色に見えてしまいます。
色素斑が拡大したり、色調が濃くなったりすることもあり、自然に消えることはありませんが、悪性化を心配することもありません。
なお、同様の色素斑が肩から上腕に見られることがあり、これは伊藤母斑と呼ばれます。
本人が特に気にしなければ、太田母斑の治療の必要はありません。見た目が気になるなら、カバーマークによる化粧で色を隠すのも選択肢の一つですが、皮膚科、皮膚泌尿器科、ないし形成外科を受診し色素斑を除去することも勧められます。
![[蟹座]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/12.gif)
皮膚科、皮膚泌尿器科、ないし形成外科の医師による診断では、部位や色素斑の様子から視診で判断します。皮膚をほんの少し切り取って病理組織検査を行うと、真皮上層に色素含有メラノサイトが認められます。
また、異所性蒙古(もうこ)斑、青色母斑などの皮膚疾患と鑑別します。
皮膚科、皮膚泌尿器科、ないし形成外科の医師による治療では、悪性化の心配はないため、見た目の問題で気になるならQスイッチレーザー治療により、色素斑を除去します。
Qスイッチレーザーには、ルビーレーザー、アレキサンドライトレーザー、ヤグレーザーなどがあり、レーザーの種類により多少の効果や経過の違いがみられます。特定のレーザー光線を照射すると、皮膚の中にあるメラニン色素に対してのみ反応するため、周辺の正常な皮膚組織へのダメージを極力抑えながら、色素斑の元になっているメラニン色素だけを破壊することができます。
いずれのレーザー治療も痛みを伴うため、麻酔シール、注射などを使用して痛みの緩和を行います。治療対象となる太田母斑の色が濃く、範囲が広い場合は、1〜2回のレーザー照射だけは不十分で、およそ3カ月の間隔で、少なくとも5~6回の照射を行います。
治療時期は何歳からでも可能ですが、小児の場合は全身麻酔が必要なため3歳ごろから開始するのが普通で、早期から開始するほうが効果が高いといわれています。成人の場合でも、かなり色調が改善し、完全に色素斑を除去できることもあります。
眼球の色素斑はレーザー照射ができないので、現在は治療法がありません。
![[ハート]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/80.gif)
![[ハート]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/80.gif)
タグ:病気(お) 両側性遅発性太田母斑様色素斑 太田母斑 蒙古斑 ストロベリーマーク 異所性蒙古斑 血管腫 サーモンパッチ 色素性母斑 青あざ 手湿疹(主婦湿疹) 尋常性白斑 熱傷(やけど) 毛嚢炎 尋常性乾癬 ミルメシア マラセチア毛包炎 乳房パジェット病 乳房外パジェット病 母斑細胞性母斑 母斑 悪性黒色腫 口囲皮膚炎(酒さ様皮膚炎) 股部白癬 乾性脂漏 頭部粃糠疹 頑癬 急性偽膜性カンジダ症 進行性指掌角皮症 毛孔性紅色粃糠疹 尋常性魚鱗癬 アレルギー性紫斑病 単純性紫斑 特発性血小板減少性紫斑病 慢性色素性紫斑 シャンバーグ病 特発性色素性紫斑 べんち スピッツ母斑 ウンナ母斑 正中部母斑 イチゴ状血管腫 単純性血管腫 ポートワイン母斑 マヨッキー紫斑 血管拡張性環状紫斑 うっ滞性皮膚炎 紅色陰癬 エリトラスマ アナフィラクトイド紫斑病 ほくろのがん 蟹足腫 青色母斑 扁平母斑 脂腺母斑 茶あざ 伊藤母斑 遅発性扁平母斑 赤あざ 桜根母斑 脱色素性母斑 紡錐細胞性母斑 黒あざ(血管腫)
コメント 0