■病気 不安障害 [病気(ふ)]
●不安を主症状とする精神疾患の総称
不安障害とは、不安を主な症状とする精神疾患全般のことをいいます。
誰(だれ)もが感じる不安とは、明確な対象を持たない恐怖のことを指し、その恐怖に対して自己が対処できない時に発生する感情の一種です。不安を感じるからといって、日常生活に支障を来すことはあまりありませんが、不適切な状況下で生じたり、度重なって生じる場合、あるいは日常生活に支障を来すほど強く長く続く場合には、不安障害と見なされます。
この不安障害とは、神経症やノイローゼといわれている症状の比較的新しい呼び方です。呼称が変更された要因には、心理学的レベルだけではなく、脳機能から病態をとらえた医学的レベルで診断、治療を行うという考え方があります。
以下に、不安障害に分類され得る精神疾患を挙げます。
▽恐怖症性不安障害
広場恐怖
社会恐怖(社会不安障害)
特定恐怖(単一恐怖)
対人恐怖症
▽他の不安障害
全般性不安障害
パニック障害
過敏性腸症候群
混合性不安抑うつ障害
▽強迫性障害
▽重度ストレス反応、及び適応障害
心的外傷後ストレス障害(PTSD )
急性ストレス障害
適応障害
▽一般身体疾患による不安障害
▽物質誘発性不安障害
▽特定不能の不安障害
●原因と診断と治療
不安障害の原因は完全には解明されていませんが、心身両面の要因が関係しています。不安障害が多発する家族がありますので、おそらく遺伝も一因となっていると思われます。
不安は心理学的には、大切な人間関係が破たんする、生命に危険が及ぶような災害に遭うといった環境的なストレスに対する反応とも見なされます。ストレスに対する反応が不適切なケースや、遭遇した出来事に大きな打撃を受けたようなケースに、不安障害が発症することがあります。
例えば、大勢の人の前で話をするのを楽しいと感じる人がいる半面、人の目にさらされたり、注目を浴びたりすることに、非常に強い恐怖や恥ずかしさを感じて、発汗、恐怖感、心拍数の増加、震えなどの症状が現れる人もいます。
また、甲状腺(こうじょうせん)機能亢進(こうしん)症などの体の異常や、処方されたコルチコステロイド薬の服用、コカインの違法使用などにより、不安障害の症状が生じることがあります。
不安の出現は、パニックを起こした時のように突然生じることもあれば、数分間、数時間、あるいは数日間かけて徐々に生じることもあります。不安そのものが持続する時間は、数秒間から数年間までさまざま。
不安の強さは、軽いめまい程度のものから、本格的なパニック発作まで多岐に渡り、発汗、息切れ、動悸(どうき)、頻脈、胸痛、頭痛、下痢などといった身体症状として現れることもあります。不安障害が大きな苦痛をもたらして、うつ病に至ることもあり、逆に、うつ病の人が後から不安障害を発症するケースもあります。
医師による診断は、主に症状に基づいて行われます。不安に耐えられる程度は個人差が大きく、どのような状態が異常な不安であるかを判断するのは、時に困難です。心的外傷後ストレス障害を除く不安障害では、家族の発症の有無が診断の参考になります。
不安障害の種類によって治療法が異なるため、その正確な診断が重要です。さらに、他の精神障害から不安が生じている場合も治療法が異なるため、不安障害と区別する必要があります。
不安障害の種類に応じて、薬物療法や心理療法(認知療法、認知行動療法など)のいずれか、または両者を併用する方法で、大半のケースで苦痛や心身の機能不全をかなり軽減できます。薬物療法では、ベンゾジアゼピン系などの抗不安薬、フルボキサンに代表されるSSRIなどの抗うつ薬などが中心となります。鍼(はり)治療も有効との報告もあります。
詳しい病気の解説は四百四病の事典(http://ksjuku.com/jiten.html)へどうぞ
不安障害とは、不安を主な症状とする精神疾患全般のことをいいます。
誰(だれ)もが感じる不安とは、明確な対象を持たない恐怖のことを指し、その恐怖に対して自己が対処できない時に発生する感情の一種です。不安を感じるからといって、日常生活に支障を来すことはあまりありませんが、不適切な状況下で生じたり、度重なって生じる場合、あるいは日常生活に支障を来すほど強く長く続く場合には、不安障害と見なされます。
この不安障害とは、神経症やノイローゼといわれている症状の比較的新しい呼び方です。呼称が変更された要因には、心理学的レベルだけではなく、脳機能から病態をとらえた医学的レベルで診断、治療を行うという考え方があります。
以下に、不安障害に分類され得る精神疾患を挙げます。
▽恐怖症性不安障害
広場恐怖
社会恐怖(社会不安障害)
特定恐怖(単一恐怖)
対人恐怖症
▽他の不安障害
全般性不安障害
パニック障害
過敏性腸症候群
混合性不安抑うつ障害
▽強迫性障害
▽重度ストレス反応、及び適応障害
心的外傷後ストレス障害(PTSD )
急性ストレス障害
適応障害
▽一般身体疾患による不安障害
▽物質誘発性不安障害
▽特定不能の不安障害
●原因と診断と治療
不安障害の原因は完全には解明されていませんが、心身両面の要因が関係しています。不安障害が多発する家族がありますので、おそらく遺伝も一因となっていると思われます。
不安は心理学的には、大切な人間関係が破たんする、生命に危険が及ぶような災害に遭うといった環境的なストレスに対する反応とも見なされます。ストレスに対する反応が不適切なケースや、遭遇した出来事に大きな打撃を受けたようなケースに、不安障害が発症することがあります。
例えば、大勢の人の前で話をするのを楽しいと感じる人がいる半面、人の目にさらされたり、注目を浴びたりすることに、非常に強い恐怖や恥ずかしさを感じて、発汗、恐怖感、心拍数の増加、震えなどの症状が現れる人もいます。
また、甲状腺(こうじょうせん)機能亢進(こうしん)症などの体の異常や、処方されたコルチコステロイド薬の服用、コカインの違法使用などにより、不安障害の症状が生じることがあります。
不安の出現は、パニックを起こした時のように突然生じることもあれば、数分間、数時間、あるいは数日間かけて徐々に生じることもあります。不安そのものが持続する時間は、数秒間から数年間までさまざま。
不安の強さは、軽いめまい程度のものから、本格的なパニック発作まで多岐に渡り、発汗、息切れ、動悸(どうき)、頻脈、胸痛、頭痛、下痢などといった身体症状として現れることもあります。不安障害が大きな苦痛をもたらして、うつ病に至ることもあり、逆に、うつ病の人が後から不安障害を発症するケースもあります。
医師による診断は、主に症状に基づいて行われます。不安に耐えられる程度は個人差が大きく、どのような状態が異常な不安であるかを判断するのは、時に困難です。心的外傷後ストレス障害を除く不安障害では、家族の発症の有無が診断の参考になります。
不安障害の種類によって治療法が異なるため、その正確な診断が重要です。さらに、他の精神障害から不安が生じている場合も治療法が異なるため、不安障害と区別する必要があります。
不安障害の種類に応じて、薬物療法や心理療法(認知療法、認知行動療法など)のいずれか、または両者を併用する方法で、大半のケースで苦痛や心身の機能不全をかなり軽減できます。薬物療法では、ベンゾジアゼピン系などの抗不安薬、フルボキサンに代表されるSSRIなどの抗うつ薬などが中心となります。鍼(はり)治療も有効との報告もあります。
詳しい病気の解説は四百四病の事典(http://ksjuku.com/jiten.html)へどうぞ
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