■病気 月経痛 [病気(け)]
女性の誰にでもある月経痛
「月経痛」は、程度の差こそあっても、ほとんどの女性が悩まされるものです。月経が始まる2〜4日前から月経中にかけて起こる下腹痛、腰痛、頭痛、下痢などの症状を総じて、月経痛と呼びます。多くの人の場合、月経が始まった1〜2日目が痛みのピーク。
月経とは、卵巣から出るホルモンの働きにより、子宮の内側にある子宮内膜がはがれ落ちて起こる出血のこと。毎月、一定の周期で行われ、卵子が受精しなかったために、不要になった子宮内膜がはがれ、子宮口から血液とともに排出されます。
この月経時には、プロスタグランディンというホルモンが子宮内膜で作り出され、子宮の筋肉を収縮させて、子宮内にたまった月経血の排出を促す働きをします。本来、プロスタグランディンとは、出産に際して大量に分泌されて陣痛を起こすものであり、子宮はたとえ妊娠していなくても、出産用のホルモンの分泌により、毎回、陣痛のような収縮を行っているのです。
月経に際して、このプロスタグランディンの分泌量が多いと、子宮の収縮が強くなり、月経痛がひどくなります。不規則な生活やストレスによって、ホルモンのバランスが乱れたり、骨盤内の血液循環が悪くなると、症状が重くなるケースもあります。
また、夏より冬のほうが、月経痛が激しくなります。月経痛は子宮の収縮によって起こるもので、子宮は筋肉でできています。寒い冬は筋肉が縮こまり、体がスムーズに動くのに時間がかかるのと同じような原理で、子宮の動きも収縮がスムーズにゆかず、痛みを強く感じるのです。加えて、冬は毛細血管まで血液が届くのが遅くなり、体が冷えると痛みが起こりやすくなります。
女性が一度出産すると、子宮の入り口が広がって、月経血がスムーズに出やすくなるため、月経痛が軽くなる人がほとんどです。妊娠、出産経験のない若い女性は子宮口が狭く、血液がスムーズに流れないと下腹痛、腰痛などの月経痛が生じます。20代後半からの痛みは、子宮内膜から出るプロスタグランディンが体質的に多いことが挙げられます。
月経痛から考えられる病気
月経が始まると、下腹痛や腰痛を伴う人は多いもので、中には、頭痛や吐き気を伴う人もいます。これらの症状が寝込むほどに重く、家事や仕事ができなくなるなど、日常生活に支障がある場合を、「月経困難症」といいます。
月経困難症には、特に原因となる病気がない「機能性の月経痛」のケースと、骨盤腔内に隠れている病気が原因となる「器質性の月経痛」のケースとがあります。同じ月経困難症でも、器質性の月経痛には注意が必要です。引き起こす病気としては、子宮筋腫(きんしゅ)、骨盤内の炎症、子宮内膜症、卵巣嚢腫(のうしゅ)などが考えられます。
現在、毎月、耐えられないほどの月経痛に悩んでいる人は、子宮の収縮からくる機能性の月経痛なのか、器質性の月経痛なのか、婦人科医に相談してください。以前の月経時と比較して、痛みが強くなったり、出産後に症状が重くなったという人も、婦人科を受診して、検査を受けましょう。
医師の側では、原因となる病気が見付かれば、その治療を行います。特に原因となる病気がなければ、鎮痛剤、漢方薬、ピルなど、体質や副作用を考慮した上で、受診者に適した内服薬を処方します。
「毎回の月経痛はつらいけど、薬を飲むと体によくないのでは?」などと、薬を飲むことに抵抗があり、ためらってしまう人も、少なくないようです。しかし、用法と用量を守って正しく飲めば、心配ありません。
むしろ「また、あのつらい症状に悩まされる」という恐怖心や、ストレスで痛みが増すこともありますから、あまり我慢しないほうがいいでしょう。症状を和らげるための鎮痛剤や漢方の服用で、痛みを緩和するのは、問題ありません。ピルなどで排卵を抑えることにより、痛みがとれる場合もあります。
薬を服用する際は、痛みが軽いうちに飲むのがコツです。自分の月経痛が起こるパターンがわかっている人なら、痛みが出る前に飲んでもいいでしょう。
市販の薬が効かない時や、薬を飲む量が次第に増している時は、婦人科を受診したほうがよいでしょう。
月経痛を乗り切る方法と予防法
月経痛とは、女性としての機能がちゃんと働いている証として、上手に付き合いたいものです。
月経中は心も体もブルー。ふだんより、睡眠をたっぷりとりましょう。月経痛が激しい時には、楽な姿勢で睡眠をとるのが一番です。横向きに寝て、お腹にクッションを抱えるようにすると楽になる、という人が多いようです。
とにかく、月経中は無理をせずに、リラックス。血行を妨げるようなキツイ服装はやめましょう。薄着や冷たいものの取りすぎも、禁物です。月経時の基礎体温は低温期で、体が冷えて血行が悪くなっているところに、さらに体を冷やせば、痛みを強く感じやすくなるからです。
温かい下着を身に着けたり、冬なら使い捨てカイロなどで、おなかや腰を温めると、楽になります。足浴で下半身を温めるのも、痛みを和らげる良案です。
残念ながら、月経痛を軽くする食品はありません。ふだんから、バランスのよい食事を取るように心掛け、血液となる食べ物を意識して取るのもよいでしょう。
血行をよくするビタミンE、月経血を抑える働きをするマンガン、貧血に効く鉄分にビタミンCをプラスして、鉄分の吸収率を高めましょう。
また、便秘や排便痛といった症状がある人は、食物繊維を取りましょう。辛いものやアルコールは、痛みが強くなることもあるので、控えめに。
ストレスをためないことも大切。入浴、アロマ、好きな音楽を聴くなど、自分に適したリラックス方法を見付けましょう。適度な運動やストレッチを行って、気分転換をはかるのもよいでしょう。骨盤の血液の流れをよくするので、痛みも和らぎます。
詳しい病気の解説は四百四病の事典(http://ksjuku.com/jiten.html)へどうぞ
「月経痛」は、程度の差こそあっても、ほとんどの女性が悩まされるものです。月経が始まる2〜4日前から月経中にかけて起こる下腹痛、腰痛、頭痛、下痢などの症状を総じて、月経痛と呼びます。多くの人の場合、月経が始まった1〜2日目が痛みのピーク。
月経とは、卵巣から出るホルモンの働きにより、子宮の内側にある子宮内膜がはがれ落ちて起こる出血のこと。毎月、一定の周期で行われ、卵子が受精しなかったために、不要になった子宮内膜がはがれ、子宮口から血液とともに排出されます。
この月経時には、プロスタグランディンというホルモンが子宮内膜で作り出され、子宮の筋肉を収縮させて、子宮内にたまった月経血の排出を促す働きをします。本来、プロスタグランディンとは、出産に際して大量に分泌されて陣痛を起こすものであり、子宮はたとえ妊娠していなくても、出産用のホルモンの分泌により、毎回、陣痛のような収縮を行っているのです。
月経に際して、このプロスタグランディンの分泌量が多いと、子宮の収縮が強くなり、月経痛がひどくなります。不規則な生活やストレスによって、ホルモンのバランスが乱れたり、骨盤内の血液循環が悪くなると、症状が重くなるケースもあります。
また、夏より冬のほうが、月経痛が激しくなります。月経痛は子宮の収縮によって起こるもので、子宮は筋肉でできています。寒い冬は筋肉が縮こまり、体がスムーズに動くのに時間がかかるのと同じような原理で、子宮の動きも収縮がスムーズにゆかず、痛みを強く感じるのです。加えて、冬は毛細血管まで血液が届くのが遅くなり、体が冷えると痛みが起こりやすくなります。
女性が一度出産すると、子宮の入り口が広がって、月経血がスムーズに出やすくなるため、月経痛が軽くなる人がほとんどです。妊娠、出産経験のない若い女性は子宮口が狭く、血液がスムーズに流れないと下腹痛、腰痛などの月経痛が生じます。20代後半からの痛みは、子宮内膜から出るプロスタグランディンが体質的に多いことが挙げられます。
月経痛から考えられる病気
月経が始まると、下腹痛や腰痛を伴う人は多いもので、中には、頭痛や吐き気を伴う人もいます。これらの症状が寝込むほどに重く、家事や仕事ができなくなるなど、日常生活に支障がある場合を、「月経困難症」といいます。
月経困難症には、特に原因となる病気がない「機能性の月経痛」のケースと、骨盤腔内に隠れている病気が原因となる「器質性の月経痛」のケースとがあります。同じ月経困難症でも、器質性の月経痛には注意が必要です。引き起こす病気としては、子宮筋腫(きんしゅ)、骨盤内の炎症、子宮内膜症、卵巣嚢腫(のうしゅ)などが考えられます。
現在、毎月、耐えられないほどの月経痛に悩んでいる人は、子宮の収縮からくる機能性の月経痛なのか、器質性の月経痛なのか、婦人科医に相談してください。以前の月経時と比較して、痛みが強くなったり、出産後に症状が重くなったという人も、婦人科を受診して、検査を受けましょう。
医師の側では、原因となる病気が見付かれば、その治療を行います。特に原因となる病気がなければ、鎮痛剤、漢方薬、ピルなど、体質や副作用を考慮した上で、受診者に適した内服薬を処方します。
「毎回の月経痛はつらいけど、薬を飲むと体によくないのでは?」などと、薬を飲むことに抵抗があり、ためらってしまう人も、少なくないようです。しかし、用法と用量を守って正しく飲めば、心配ありません。
むしろ「また、あのつらい症状に悩まされる」という恐怖心や、ストレスで痛みが増すこともありますから、あまり我慢しないほうがいいでしょう。症状を和らげるための鎮痛剤や漢方の服用で、痛みを緩和するのは、問題ありません。ピルなどで排卵を抑えることにより、痛みがとれる場合もあります。
薬を服用する際は、痛みが軽いうちに飲むのがコツです。自分の月経痛が起こるパターンがわかっている人なら、痛みが出る前に飲んでもいいでしょう。
市販の薬が効かない時や、薬を飲む量が次第に増している時は、婦人科を受診したほうがよいでしょう。
月経痛を乗り切る方法と予防法
月経痛とは、女性としての機能がちゃんと働いている証として、上手に付き合いたいものです。
月経中は心も体もブルー。ふだんより、睡眠をたっぷりとりましょう。月経痛が激しい時には、楽な姿勢で睡眠をとるのが一番です。横向きに寝て、お腹にクッションを抱えるようにすると楽になる、という人が多いようです。
とにかく、月経中は無理をせずに、リラックス。血行を妨げるようなキツイ服装はやめましょう。薄着や冷たいものの取りすぎも、禁物です。月経時の基礎体温は低温期で、体が冷えて血行が悪くなっているところに、さらに体を冷やせば、痛みを強く感じやすくなるからです。
温かい下着を身に着けたり、冬なら使い捨てカイロなどで、おなかや腰を温めると、楽になります。足浴で下半身を温めるのも、痛みを和らげる良案です。
残念ながら、月経痛を軽くする食品はありません。ふだんから、バランスのよい食事を取るように心掛け、血液となる食べ物を意識して取るのもよいでしょう。
血行をよくするビタミンE、月経血を抑える働きをするマンガン、貧血に効く鉄分にビタミンCをプラスして、鉄分の吸収率を高めましょう。
ビタミンEを多く含む食品 | アーモンド、ごま、かぼちゃ、サフランなど |
マンガンを多く含む食品 | アーモンド、ほうれん草、アサリなど |
鉄分を多く含む食品 | 干しえび、海苔、昆布、ひじき、レバー、卵黄、にんにく、ごまなど |
ビタミンCを多く含む食品 | 緑黄色野菜、果物、緑茶など |
また、便秘や排便痛といった症状がある人は、食物繊維を取りましょう。辛いものやアルコールは、痛みが強くなることもあるので、控えめに。
ストレスをためないことも大切。入浴、アロマ、好きな音楽を聴くなど、自分に適したリラックス方法を見付けましょう。適度な運動やストレッチを行って、気分転換をはかるのもよいでしょう。骨盤の血液の流れをよくするので、痛みも和らぎます。
詳しい病気の解説は四百四病の事典(http://ksjuku.com/jiten.html)へどうぞ
タグ:病気(け) 月経痛 無月経 続発性無月経 原発性無月経 性病 更年期障害 子宮筋腫 子宮頸がん 子宮内膜症 卵巣腫瘍 卵巣がん 半陰陽 子宮がん 子宮後屈 若年性更年期障害 子宮内膜炎 子宮膣部びらん 子宮体がん 子宮頸管炎 クラミジア感染症 性感染症(STD) カンジダ膣炎 単純性疱疹(単純性ヘルペス) 卵巣の形態異常(ターナー症候群) 卵巣嚢腫(嚢胞性腫瘍) 性器ヘルペス症 機能性子宮出血 膣がん 外陰がん 卵管がん 絨毛がん 子宮下垂、子宮脱 尖圭コンジローム 外陰炎 ウーマンオンコロジー 老人性膣炎 膣炎 副腎性器症候群 先天性副腎過形成症 性腺機能低下症 膣トリコモナス感染症 ロキタンスキー症候群 膣閉鎖症 鎖陰 性器閉鎖症 処女膜閉鎖症 処女膜強靭症 仮性半陰陽 真性半陰陽 女性仮性半陰陽 メイヤー・ロキタンスキー・キュスター・ハウザー症候群 細菌性膣炎 性器クラミジア感染症 ワギニスムス ウイルス性いぼ 外陰上皮内腫瘍 膣狭窄症 委縮性膣炎 性器結核 女性性器結核 非特異性膣炎 バルトリン腺炎 大前庭腺炎 スキーン腺嚢胞 小前庭腺嚢胞 膣けいれん 膣壁裂傷 膣カンジダ症 先天性膣欠損症 膣中隔 膣欠損症
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