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■病気 多汗症 [病気(た)]

[晴れ]全身や局所に、汗が異常に分泌する症状
 多汗症とは、体温の調節に必要な範囲を超えて、汗が異常に分泌する症状。全身性の多汗症と、手のひら、足の裏、わきの下、頭、鼻の頭などにみられる局所性の多汗症があります。
 人間は意外と多くの場面で汗をかいており、発汗は体温調節の役割を担う大切な生理機能の一つでもあります。そのため、どのくらいの汗の量で多汗症と呼べるのかは分類が難しいのですが、多汗症の場合は気温の変化や運動などとは関係なしに汗をかくことが多いので、心当たりがある人は少し振り返ってみるといいでしょう。
 特に疾患と考える必要はないにしろ、汗をかくということは日常の生活と密接に関係していることですので、さまざまな悩みや問題を抱えている人が多いのも事実です。
 局所性の多汗症は、汗をかきやすいという体質に、生活環境や精神的な影響が加わったものが大部分です。肥満、過度なダイエット、生活リズムの乱れ、性格的に神経質だったり、緊張しがちなタイプだったりと、ストレスをためやすい状況下に身を置いていることが原因となっています。
 これらの原因の背後には、交感神経の働きが大きく関係しています。交感神経とは、副交感神経とうまくバランスを取り合いながら、人間が日々健康で過ごせるように作用しているもの。この交感神経がストレスなどさまざまな原因により過敏になってしまうと、体温上昇とは関係なく汗を大量にかくようになり、汗をかくことでさらなるストレスを作り出し悪循環に陥ってしまいます。
 全身性の多汗症も、多くは体質的なものです。比較的急激に生じた場合には、代謝機能や自律神経などが障害される、いろいろな疾患が潜んでいる可能性があります。
 例えば、脳の発汗中枢を刺激するような腫瘍(しゅよう)や、炎症、外傷によって起こることもあります。バセドウ病、糖尿病、アルコール中毒などに伴うこともあります。さらに、内服している薬の副作用が原因で、多汗症の症状が現れることもあります。
[晴れ]多汗症の検査と診断と治療
 多汗症の治療としては、原因となる疾患がある場合は、これを取り除くことが先決です。
 局所制汗剤として、20パーセントの塩化アルミニウム液や、5パーセントのホルマリン・アルコール液を汗が多い部分に塗布します。1日1〜2回塗り、乾いてからパウダーを振り掛けておきます。精神的な緊張が強くて汗をかくような場合には、精神安定剤を内服することも有効です。
 手足の多汗症に限りますが、交感神経ブロック手術を行って、胸の辺りにある汗の分泌を調節する神経を切除することもあります。手術は基本的に、まず片方の交感神経を切除し、その後の体調の経過をみてから、もう一方の交感神経も切除するかどうかを決定します。
 手術のメリットは効果に永続性があるということ、デメリットは神経を一度切除してしまうと元には戻らないということと、副作用として代償性発汗になる場合がほとんどであることです。代償性発汗とは、手のひらなどから汗が出なくなった代わりに、背中や下半身などこれまでと違った部位から大量の発汗が起こるものです。
 手足の多汗症、わきの下の多汗症に限りますが、イオン浸透療法(イオントフォレーシス療法)を行うこともあります。水道水に浸した多汗症の部位に、弱い電流を流して発汗を抑制するもので、個人差がありますが効果が出るまで数週間の集中的な治療が必要です。治療を止めると再発の可能性が高く、副作用として湿疹(しっしん)、かゆみ、皮むけ、水疱(すいほう)などが生じることがあります。
 このイオン浸透療法は病院で行われる治療法ですが、同様の療法が行えるドライオニックと呼ばれる家庭用機器もあります。
 わきの下の多汗症に限りますが、皮膚を切り取ったり、削る手術を形成外科で行う方法もあります。頭部の多汗症には有効な手術などはありませんが、心理療法が効果を発揮することもあります。
 日常生活では、汗かきを気にせず、精神的な安静を得ることが、薬による治療よりも大切なことです。かいてしまった汗の不快感を軽減するために、日頃から清潔に気を配るようにします。シャワーを浴びる回数を増やしたり、着替えの準備をしておいたり、いつでも汗をふけるようにタオルやウェットティッシュなどを携帯しておくなどの対策も、多汗症による不快感を予防するためには欠かせません。




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