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■病気 単純性疱疹(単純性ヘルペス) [病気(た行)]





[exclamation×2]疱疹ウイルスの感染によって、口唇や陰部に小さな水膨れ
 単純性疱疹(ほうしん)とは、疱疹ウイルスの感染によって起こり、口唇や陰部に小さな水膨れができる皮膚病。単純性ヘルペスともいいます。
 疱疹ウイルスの感染は、接触や飛沫(ひまつ)感染などにより、家族間で起こることが多いようです。多くの人が感染していますが、一部の人のみが発症します。ウイルスの感染した部位によって現れる症状は異なり、疱疹性歯肉口内炎、口唇疱疹(口唇ヘルペス)、疱疹性ひょうそ、陰部疱疹(陰部ヘルペス)、全身性ヘルペス感染症に分かれます。
 また、皮疹と感染時期の関係から、初感染病変と再発性病変に分かれます。
 初感染病変は、幼少児期に初めてウイルスが皮膚に感染した時に生じる症状で、かなり強い浮腫(ふしゅ)性の赤いはれと、小水疱の集合した病変ができ、これがヒリヒリ痛みます。近くのリンパ腺(せん)も腫脹し、発熱や全身違和感などの全身症状がみられることもあります。
 まぶたの近くにできた時は、眼球角膜にウイルスが入り、失明することもあります。幼少児期はウイルスに対する抗体ができていないので、症状が激しく出てきます。
 このウイルスは一度、皮膚に感染すると、その部位の皮膚に分布する知覚神経節の中に潜伏していて、発熱、日光照射、寒さ、過労、ストレス、性行為などで皮膚の状態が悪くなると活性化して、ほぼ同じ部位に水膨れとびらん面を作ります。これが再発性病変です。
 再発性病変が現れた時は、すでに体内にウイルスに対する抗体ができているので、症状も軽く、放置しても1週間前後で治ります。
 しかしながら、体質的に再発しやすい人では、1年に何回も繰り返し発症します。よくできる部位は、口腔(こうくう)粘膜、口唇、外陰部、指などですが、全身どこにでもできる可能性はあります。
 疱疹性歯肉口内炎は、幼小児の単純性疱疹の初感染で多い型といわれています。口腔粘膜の水疱とびらん面、歯茎の赤いはれと出血が、その主な症状です。
 口唇疱疹(口唇ヘルペス)は、口唇および口の周囲に再発性にできる型で、この型のことを単純性疱疹という場合もあります。風邪を引いたり、スキーに行った後などに、口の回りに小さな水膨れの集団ができるものです。水膨れはやがて乾燥して、かさぶたをつけ、5〜7日ぐらいで治ります。
 疱疹性ひょうそは、指に感染が起きた型で、指の先端が赤くはれ、痛みが強く、爪の周囲に小水疱が集合します。2〜3週間で治りますが、同じ部位にまた再発を繰り返します。子供が疱疹性歯肉口内炎の時に、指しゃぶりをして感染したり、歯科医師、医師、看護師が口唇疱疹の患者から感染することも多いようです。
 陰部疱疹(陰部ヘルペス)は、一種の性病として話題になっている型で、初感染の多くはウイルス抗体を持っていない人が、陰部または口唇疱疹の患者や、保菌者と性的行為があった時に感染します。感染後、1週間以内に、ももの付け根の内側のリンパ腺がはれ、女性では外陰部から子宮粘膜部までの部位に強い発赤腫脹ができ、小豆大までの小さい水疱が集合します。やがて、水疱が破れて、びらん潰瘍(かいよう)面となり、分泌液も多く、ヒリヒリと強い接触痛、排尿痛があるのが特徴です。男性では、亀頭、包皮に小さい水疱ができます。
 1〜2週間で治りますが、一度感染すると、その後もセックス、月経、その他の刺激が誘因となって、再発を繰り返します。
 全身性ヘルペス感染症は、疱疹ウイルスが全身臓器に感染する型で、妊娠中の母体に陰部疱疹がある時には、ウイルスが子宮内で胎児に感染することがあります。この際は、皮膚以外にも脳、副腎(ふくじん)、肺、肝臓など全身にウイルスが感染し、流産、死産の原因となります。幸いに出産できても、重い後遺症を残すことが多くなります。
 成人でも、全身の免疫機能が落ちている時には、ヘルペス性脳炎などの全身性ヘルペス感染症を起こすことがあります。全身にアトピー性皮膚炎など湿疹性の病変がある子供は、このウイルスがつくと、湿疹の上に水疱が多発し、カポジ水痘様発疹症という重い疾患になることもあります。
[exclamation×2]単純性疱疹の検査と診断と治療
 単純性疱疹の症状が現れたら、早めに専門医を受診するようにします。水疱の中にウイルスがありますから、他人に移さないようにします。
 再発性の口唇疱疹の治療では、痛みが強ければ、二次感染を防ぐ意味を兼ねて、抗生物質含有軟こうを塗布します。再発性では重症化することは少なく、10日程度で治すことができます。
 女性の陰部疱疹では、再発性でも痛みが非常に強いことがあり、基本的に消炎鎮痛剤の内服と、消炎鎮痛剤含有軟こうの外用、あるいは局所麻酔剤であるキシロカインゼリーの外用で、痛みを抑えます。
 初感染病変で、発熱などの全身症状の強い時には、輸液、抗生物質の点滴も行います。また、ガンマグロブリンの点滴を行うこともあります。
 何らかの疾患がある人で、体力の低下がみられた時に発症した場合は、注意が必要です。まれに、カポジ水痘様発疹症を起こし重症化してしまうこともあります。
 再発を予防するためにも、日頃から睡眠を十分とって、バランスの良い食事を心掛ける、ストレスをなくす工夫も必要となってきます。ウイルスはそれほど強くありませんから、健康な人では特に心配はありません。

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