■病気 卵巣腫瘍 [病気(ら)]
卵巣の片側または両側に、はれが生じた状態
卵巣腫瘍(しゅよう)とは、子宮の左右両側に一つずつある卵巣に、はれが生じた状態。多くは卵巣の片側に発生しますが、両側に発生することもあります。
通常は直径2〜3cm程度の大きさの卵巣は、妊娠、受精に必要な卵胞を抱えている臓器で、女性ホルモンを産生しているため、腫瘍ができやすい臓器です。また、体内の臓器の中で、最も多種類の腫瘍ができる臓器でもあります。
卵巣腫瘍は大きく分けて、内容が液状で弾力性のある、あるいは軟らかい嚢腫(のうしゅ)と、内容が固形である充実性腫瘍の2つがあります。また、卵巣腫瘍は臨床経過に応じて、良性群、中間群(境界悪性)、悪性群に大きく分けられます。悪性群の代表は、卵巣がんです。
嚢腫は、中に水のようなものがたまって、ぶよぶよしています。ほとんどの場合良性ですが、中には悪性のものや、悪性に変化するものがあるので注意が必要です。充実性腫瘍は、約75〜80パーセントが悪性もしくは境界悪性です。嚢腫と充実性腫瘍が混じったものもあります。そのほか、ホルモンを作り出す腫瘍もあります。
卵巣そのものは親指の頭くらいですが、腫瘍ができると徐々に大きくなり、時には数キログラムにもなります。
卵巣腫瘍の原因は、卵巣内で分泌される液が自然にたまって嚢胞になるとか、子宮内膜症による場合とか、双胎(二子)の場合、あるいは排卵誘発剤によって起こる卵巣の腫大などのほかは、はっきりしません。
しかし、 卵巣は生殖細胞である卵子が存在する場所なので、胎生期よりさまざまな種類の組織が紛れ込んでいて、それが発育するとも考えられます。従って、卵巣腫瘍には大変多くの種類が存在します。
卵巣の良性腫瘍は一般的に、ホルモンを作り出すものを除いて、全身症状は乏しいものが多いようです。症状は腫瘍の大小に関係があり、小さなものでは無症状のものが多く、かなり大きくなってきて初めて、腹部の膨隆、あるいは腹部に腫瘤を触れるようになってきます。また、時には下腹部に圧迫感、強い痛みを感じることもあります。
多くは特別な場合を除いて、いろいろな異常を感じ、医師を訪れた際に偶然に発見されることがしばしばです。
腫瘍が茎を持って大きくなる場合には、時として何らかの原因で捻転(ねんてん)を起こすことがあります。このような場合には、激しい痛み、吐き気、嘔吐(おうと)などの強い症状を現したり、種類によっては腹水、胸水を伴うこともあり、そのための全身症状を現します。
そのほか、ホルモンを作り出す腫瘍では、作り出されたホルモンにより、いろいろな異常が引き起こされたりします。
卵巣腫瘍の検査と診断と治療
卵巣腫瘍がほかの婦人科腫瘍と異なるところは、特徴的な初発症状が乏しいことです。早期発見が完全な治療を受けるためには必要なのですが、なかなか症状が出にくく、大量の腹水がたまってから、慌てて婦人科を受診するケースが少なくありません。
従って、何らかの下腹部痛、不正出血、下り物の増加、腹部膨満感など、ふだんとは異なる症状を感じた場合には、この卵巣腫瘍を常に念頭に入れ、早期に婦人科を受診して適切な検査を受けることが重要です。特に、下腹部に膨満感があり、ウエストのサイズが大きくなった場合は、ただ太っただけなどとすまさずに、必ず婦人科を受診するようにします
卵巣腫瘍の診断に最も有用なのは、経腟(けいちつ)超音波検査で、腟の中に超音波プローブという細い管を挿入して卵巣を観察します。この検査は、下腹部を表面から超音波で観察する経腹超音波検査に比べ、卵巣を近いところから詳しく観察できるため、小さな腫瘍を早期に発見するためには不可欠な検査です。
ただし、卵巣腫瘍でも直径が15cmを超えるほど巨大なものでは、経腹超音波検査のほうが有用なこともあります。また、画像診断として、卵巣腫瘍の種類を特定するためにはCTやMRI検査が有効です。
卵巣腫瘍が良性か悪性かを判断する一つの目安として、腫瘍マーカーが用いられています。腫瘍マーカーは初期や低年齢の女性の場合は陰性のことが多いため、正確に良性か悪性かを判断するためには、手術によって摘出し、顕微鏡で腫瘍細胞を調べる病理検査を行います。
治療としては、良性の腫瘍で、若い女性の場合には、腫瘤(しゅりゅう)だけを取る切除術を行い、健康な部分を残すように心掛けます。もし、両側に発生しても、少なくとも片側の健康な部分を残すように努めます。
このような保存的療法を行うことによって、卵巣の機能は保たれ、妊娠の可能性も残ることになります。
また、卵巣摘除をする場合も、できるだけ卵管は残すように心掛けます。ただし、腫瘍が卵管に接したり、癒着がひどく、卵管にも病変が認められるような場合には、卵巣とともに卵管の摘出も行われます。
時として、がんのような悪性の経過をたどるものがありますが、がんが卵巣内にとどまっている場合は、がんのできている卵巣と卵管だけを切除するだけでよいこともあります。がんが卵巣外にも及んでいる場合は、両側の卵巣と卵管、子宮、胃の下部から垂れて腸の前面を覆う薄いである大網(だいもう)、リンパ節などを広範に摘出しなければなりません。
大網は最も卵巣がんが転移しやすい部位とされ、早期がんの場合でも切除することがあります。卵巣をすべて摘出してしまうと、女性ホルモンの分泌がなくなるので、ホルモンのバランスが崩れて、自律神経のバランスも崩れ、更年期障害のような症状が現れます。
がんが卵巣外に広く散らばっている場合には、手術の後、抗がん剤による強力な化学療法が必要となります。抗がん剤はがんの種類によってかなり有効で、残ったがんが縮小したり、消失することもあります。この場合は、もう一度手術を行い、残った腫瘍を完全に摘出したり、化学療法を中止する時期を決定します。
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卵巣腫瘍(しゅよう)とは、子宮の左右両側に一つずつある卵巣に、はれが生じた状態。多くは卵巣の片側に発生しますが、両側に発生することもあります。
通常は直径2〜3cm程度の大きさの卵巣は、妊娠、受精に必要な卵胞を抱えている臓器で、女性ホルモンを産生しているため、腫瘍ができやすい臓器です。また、体内の臓器の中で、最も多種類の腫瘍ができる臓器でもあります。
卵巣腫瘍は大きく分けて、内容が液状で弾力性のある、あるいは軟らかい嚢腫(のうしゅ)と、内容が固形である充実性腫瘍の2つがあります。また、卵巣腫瘍は臨床経過に応じて、良性群、中間群(境界悪性)、悪性群に大きく分けられます。悪性群の代表は、卵巣がんです。
嚢腫は、中に水のようなものがたまって、ぶよぶよしています。ほとんどの場合良性ですが、中には悪性のものや、悪性に変化するものがあるので注意が必要です。充実性腫瘍は、約75〜80パーセントが悪性もしくは境界悪性です。嚢腫と充実性腫瘍が混じったものもあります。そのほか、ホルモンを作り出す腫瘍もあります。
卵巣そのものは親指の頭くらいですが、腫瘍ができると徐々に大きくなり、時には数キログラムにもなります。
卵巣腫瘍の原因は、卵巣内で分泌される液が自然にたまって嚢胞になるとか、子宮内膜症による場合とか、双胎(二子)の場合、あるいは排卵誘発剤によって起こる卵巣の腫大などのほかは、はっきりしません。
しかし、 卵巣は生殖細胞である卵子が存在する場所なので、胎生期よりさまざまな種類の組織が紛れ込んでいて、それが発育するとも考えられます。従って、卵巣腫瘍には大変多くの種類が存在します。
卵巣の良性腫瘍は一般的に、ホルモンを作り出すものを除いて、全身症状は乏しいものが多いようです。症状は腫瘍の大小に関係があり、小さなものでは無症状のものが多く、かなり大きくなってきて初めて、腹部の膨隆、あるいは腹部に腫瘤を触れるようになってきます。また、時には下腹部に圧迫感、強い痛みを感じることもあります。
多くは特別な場合を除いて、いろいろな異常を感じ、医師を訪れた際に偶然に発見されることがしばしばです。
腫瘍が茎を持って大きくなる場合には、時として何らかの原因で捻転(ねんてん)を起こすことがあります。このような場合には、激しい痛み、吐き気、嘔吐(おうと)などの強い症状を現したり、種類によっては腹水、胸水を伴うこともあり、そのための全身症状を現します。
そのほか、ホルモンを作り出す腫瘍では、作り出されたホルモンにより、いろいろな異常が引き起こされたりします。
卵巣腫瘍の検査と診断と治療
卵巣腫瘍がほかの婦人科腫瘍と異なるところは、特徴的な初発症状が乏しいことです。早期発見が完全な治療を受けるためには必要なのですが、なかなか症状が出にくく、大量の腹水がたまってから、慌てて婦人科を受診するケースが少なくありません。
従って、何らかの下腹部痛、不正出血、下り物の増加、腹部膨満感など、ふだんとは異なる症状を感じた場合には、この卵巣腫瘍を常に念頭に入れ、早期に婦人科を受診して適切な検査を受けることが重要です。特に、下腹部に膨満感があり、ウエストのサイズが大きくなった場合は、ただ太っただけなどとすまさずに、必ず婦人科を受診するようにします
卵巣腫瘍の診断に最も有用なのは、経腟(けいちつ)超音波検査で、腟の中に超音波プローブという細い管を挿入して卵巣を観察します。この検査は、下腹部を表面から超音波で観察する経腹超音波検査に比べ、卵巣を近いところから詳しく観察できるため、小さな腫瘍を早期に発見するためには不可欠な検査です。
ただし、卵巣腫瘍でも直径が15cmを超えるほど巨大なものでは、経腹超音波検査のほうが有用なこともあります。また、画像診断として、卵巣腫瘍の種類を特定するためにはCTやMRI検査が有効です。
卵巣腫瘍が良性か悪性かを判断する一つの目安として、腫瘍マーカーが用いられています。腫瘍マーカーは初期や低年齢の女性の場合は陰性のことが多いため、正確に良性か悪性かを判断するためには、手術によって摘出し、顕微鏡で腫瘍細胞を調べる病理検査を行います。
治療としては、良性の腫瘍で、若い女性の場合には、腫瘤(しゅりゅう)だけを取る切除術を行い、健康な部分を残すように心掛けます。もし、両側に発生しても、少なくとも片側の健康な部分を残すように努めます。
このような保存的療法を行うことによって、卵巣の機能は保たれ、妊娠の可能性も残ることになります。
また、卵巣摘除をする場合も、できるだけ卵管は残すように心掛けます。ただし、腫瘍が卵管に接したり、癒着がひどく、卵管にも病変が認められるような場合には、卵巣とともに卵管の摘出も行われます。
時として、がんのような悪性の経過をたどるものがありますが、がんが卵巣内にとどまっている場合は、がんのできている卵巣と卵管だけを切除するだけでよいこともあります。がんが卵巣外にも及んでいる場合は、両側の卵巣と卵管、子宮、胃の下部から垂れて腸の前面を覆う薄いである大網(だいもう)、リンパ節などを広範に摘出しなければなりません。
大網は最も卵巣がんが転移しやすい部位とされ、早期がんの場合でも切除することがあります。卵巣をすべて摘出してしまうと、女性ホルモンの分泌がなくなるので、ホルモンのバランスが崩れて、自律神経のバランスも崩れ、更年期障害のような症状が現れます。
がんが卵巣外に広く散らばっている場合には、手術の後、抗がん剤による強力な化学療法が必要となります。抗がん剤はがんの種類によってかなり有効で、残ったがんが縮小したり、消失することもあります。この場合は、もう一度手術を行い、残った腫瘍を完全に摘出したり、化学療法を中止する時期を決定します。
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