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■タミフルによる河川汚染を懸念し、影響調査へ [健康ダイジェスト]

 新型の豚インフルエンザで使用が急増した抗インフルエンザウイルス薬「タミフル」が生活河川を通じて環境に与える影響を探るため、日本薬剤師会が全国調査を始めました。
 すでに国内の河川では、下水などから流れ込んだとみられるタミフルの代謝産物が微量ながら確認されています。代謝産物とは、タミフルが患者の体内でウイルスを抑えるための形に変化したもの。日本は世界中のタミフルの7割を消費するという推計も過去にあり、環境への影響の把握が求められます。
 タミフルなど医薬品が河川に流れ込む経路ははっきりしていませんが、尿などの排出物や、飲み残した薬をトイレに流す場合などが考えられます。水鳥などがこれを飲んで体内でウイルスと接するうちに、突然変異で薬が効かず感染力が強いウイルスが生まれないかと懸念されます。
 環境への医薬品の残留は、タミフルだけの問題ではありません。日本薬剤師会では従来から、鎮痛剤や向精神薬などによる環境への影響の調査に取り組んできており、その一環でタミフルを今回追加。新型の豚インフルエンザの流行した昨秋から、水道水の水源や下水処理場近くの河川計約50地点で水を採取、分析中です。
 販売元の中外製薬によれば、今シーズンのタミフルの供給量は前シーズンの約3倍で、国立感染症研究所の調査によれば、今シーズンは8〜9割の患者に抗インフルエンザウイルス薬が使われているとみられます。
 冬の渡り鳥は、下水処理場からの温かい水を好む傾向があり、海外でも、代謝産物が残留した水を渡り鳥が繰り返し飲んだ場合、薬が効きにくい耐性ウイルスが出現するのではないかと指摘されています。まだ仮説にすぎず、今すぐ人体や生態系に何らかの影響を与えるほどではないと見なされますが、長期的に研究すべき課題です。

 2010年2月15日(月)




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