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■鳥インフルと季節性インフルの混合で重症化も [健康ダイジェスト]

 アジアなどで人への感染が続き死者が出ている鳥インフルエンザウイルスH5N1型が、毎年流行する季節性インフルエンザウイルスと交雑した場合、哺乳類に効率的に感染するだけでなく、重症化しやすいウイルスに変わる恐れがあることがわかりました。
 突き止めたのは東京大医科学研究所の河岡義裕教授や米ウィスコンシン大の八田正人准教授らのチームで、3月下旬付の米科学アカデミー紀要電子版に発表しました。
 インフルエンザウイルスの内部には8本の遺伝子があります。ウイルスが細胞に感染した場合、核内でこれらの遺伝子がそれぞれ複製されて増殖します。一つの細胞に二つの異なる型のウイルスが同時に感染した場合、両者の遺伝子が混ざり合い、元の二つとは違う性質を持つウイルスが生まれます。
 チームは、鶏から検出したH5N1型と人のA香港型(H3N2型)の二つのウイルスから、起こり得るすべての遺伝子の組み合わせである254種類のウイルスを人工合成し、パンデミック(世界的大流行)を起こす恐れが強く、増殖能力の高い75種類をマウスに感染させました。
 そのうち22種類は、ウイルス1万個を感染させたマウス4匹がすべて2週間以内に死亡。特に致死性の高い3種類は、わずか10個のウイルスの感染で半数のマウスが死亡。22種類すべてで、ウイルスの増殖に関係する遺伝子(PB2)は季節性インフルのものでした。
 人の場合も、鳥インフルと季節性インフルに同時に感染すると、体内で遺伝子組み換えが起こり、病原性の高いウイルスが誕生する可能性があります。チームによると、感染力は強くないものの、PB2がヒト型の鳥インフルはすでに欧州で散発的にみられるため、継続的に調査を実施することが大切だといいます。

 2010年3月2日(火)




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