SSブログ

■病気 クルーゾン症候群 [病気(か行)]

[蟹座]遺伝が原因として考えられる先天性の異常疾患
 クルーゾン症候群とは、遺伝が原因として考えられている先天性の異常疾患。生まれ付き、頭や顔、あご、手足の異常を起こします。
 クルーゾン症候群の主な症状としては、頭蓋(とうがい)骨縫合早期癒合症が挙げられます。
 乳児の頭蓋骨は何枚かの骨に分かれており、そのつなぎを頭蓋骨縫合と呼びますが、乳児期には脳が急速に拡大しますので、頭蓋骨もこの縫合部分が広がることで脳の成長に合わせて拡大します。成人になるにつれて縫合部分が癒合し、強固な頭蓋骨が作られるわけです。
 頭蓋骨縫合早期癒合症は狭頭症とも呼ばれ、染色体や遺伝子の異常が原因となって、頭蓋骨縫合が通常よりも早い時期に癒合してしまう疾患。その結果、頭蓋骨や顔面骨に形成不全がみられて、頭、顔、あごに変形が生じます。頭蓋骨の変形は、早期癒合が起こった縫合線と関係があり、長頭、三角頭、短頭、斜頭などと呼ばれる変形が生じます。
 眼球突出、両目の離間、気道狭窄(きょうさく)、歯列のかみ合わせ異常、高口蓋や口蓋裂など、さまざまな症状もみられます。また、頭蓋骨の変形によって脳が圧迫されるなどの障害が発生し、水頭症の合併、頭蓋内圧の上昇を認めることも少なくありません。
 乳児の頭蓋骨は、子宮内での圧迫、産道を通る際の圧迫、また寝癖などの外力で容易に変形します。こうした外力による変形は自然に改善することが多いので心配ありませんが、クルーゾン症候群における頭蓋骨縫合早期癒合症との鑑別が大切です。
[蟹座]クルーゾン症候群の検査と診断と治療
 乳幼児の頭の形がおかしいと心配な場合は、形成外科や小児脳神経外科の専門医を受診します。
 クルーゾン症候群の症状には、軽度なものから重度なものまであり、形成外科や脳神経外科の領域のほか、呼吸、循環、感覚器、心理精神、内分泌、遺伝など多くの領域に渡る全身管理を要します。乳幼児の成長、発達を加味して適切な時期に、適切な方法で治療を行うことが望ましいと考えられ、関連各科が密接な連携をとって 集学的治療が行われます。
 頭蓋骨縫合早期癒合症の治療は、放置すると頭の変形が残ってしまうばかりでなく、脳組織の正常な発達が抑制される可能性があるため、外科手術になります。
 手術法としては従来から、変形している頭蓋骨を切り出して、骨の変形を矯正することで正常に近い形に組み直す頭蓋形成術が行われています。乳幼児の骨の固定には、できるだけ異物として残らない吸収糸や吸収性のプレートが用いられます。
 近年では、この頭蓋形成術に延長器を用いた骨延長術も行われています。具体的には、頭蓋骨に刻みだけ入れて延長器を装着し、術後に徐々に刻みを入れた部分を延長させ、変形を治癒させるという方法。
 骨延長術のメリットとして、出血が少なく手術時間の短縮が図れる、骨を外さないため血行が保たれるので委縮や変形が少ない、骨欠損が比較的早期に穴埋めされる、皮膚も同時に延長可能である、術後に望むところまで拡大可能であるなど挙げられます。一方、デメリットとして、頭蓋形成術より治療期間が長く1カ月程度は入院しなければならない、延長器を抜去する手術が必要となるなどが挙げられます。
 さらに、内視鏡下で骨切りを行い、ヘルメットで頭の形を矯正するなどの手術方法も開発されています。
 頭蓋骨の手術だけでなく、顔面骨を骨切りして気道を拡大し、眼球突出や不正咬合(こうごう)を適切な位置へ移動させる手術も行われます。
 単純な頭蓋骨縫合早期癒合であれば、適切な時期に適切な手術が行われれば、一度の手術で治療は完結することが期待できることがあります。クルーゾン症候群性の頭蓋骨縫合早期癒合症では、複数回の手術が必要になることもまれではありません。
 頭蓋骨、顔面骨の形態は年齢により変化しますので、長期に渡る経過観察が必要です。

ウェブ版の健康創造塾にアクセスできます。
携帯i-mode版の健康創造塾にアクセスできます。
携帯au版の健康創造塾にアクセスできます。
携帯Yahoo!ケータイ版の健康創造塾にアクセスできます。




タグ:大田原症候群 クルーゾン症候群 脳、脊髄、神経の病気 職業病、公害病、形成外科の病気 子供の病気 病気(か行) 病気 健康創造塾 椎骨動脈解離 脳底部異常血管網症 ウィリス動脈輪閉塞症 もやもや病 アペール症候群 くも膜下出血 血栓症 小舞踏病(ジデナム舞踏病) 水頭症 髄膜炎 頭痛 脊髄炎 脊髄空洞症 脊髄腫瘍 脊髄小脳変性症 多発性硬化症 聴神経腫瘍 脳炎 脳梗塞 脳腫瘍 脳卒中 脳膿瘍 脳ヘルニア パーキンソン病 舞踏病 片頭痛 未破裂脳動脈瘤 脳動静脈奇形 脳動脈瘤破裂 高血圧性脳症 若年性脳梗塞 グリシン脳症 亜急性硬化性全脳炎 下垂体腺腫 年齢依存性てんかん性脳症 レノックスガストー症候群 一過性全健忘症 健忘症 若年性健忘症 若年性認知症 認知症(痴呆症) てんかん コルサコフ症候群 ウェルニッケ・コルサコフ症候群 脳脊髄膜炎 ウエスト症候群 点頭てんかん 日本脳炎 脳血管性認知症 アルツハイマー型認知症 前庭神経鞘腫 第8脳神経腫 一過性黒内障 頸動脈狭窄 群発頭痛 薬物乱用頭痛 頸部内頸動脈狭窄症 内頸動脈狭窄症 早期乳児てんかん性脳症 早期ミオクロニー脳症 軽度認知障害 レビー小体型認知症 緊張性頭痛 尖頭合指症候群 ジカ熱 脳瘤 小人症 潜在性二分頭蓋 二分頭蓋 キアリ奇形 アーノルド・キアリ奇形 小頭症 頭蓋骨縫合早期癒合症 狭頭症 巨頭症 大頭症 ソトス症候群 脳性巨人症 下垂体性巨人症
nice!(7)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 7

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0