■病気 陰茎がん [病気(い)]
男性の陰茎の皮膚から発生する、まれながん
陰茎がんとは、男性生殖器の陰茎(ペニス)に発生するがん。いくつかの種類がある中で、全体の95パーセントを占めるのは、皮膚がんの一種である扁平(へんぺい)上皮がんです。
男性生殖器に発生するがんの中では、陰茎がんは最もまれで、全体の1パーセントを占めるにすぎません。人口10万人当たりの死亡率は0.1人程度で、近年の日本では減っていますし、もともと日本は欧米に比べて低い傾向にあります。年齢的には、60〜70歳代に多く発症しています。
発生要因として、亀頭が常に包皮で覆われた、いわゆる包茎が重要視されています。がんの人に包茎が多いことや、幼少時に割礼を受けて包皮を切除する習慣を持つユダヤ教徒やイスラム教徒に、その発生が著しく少ないことから、示唆されたものです。
包茎の場合、包皮内の恥垢(ちこう)による慢性炎症の刺激があり、これが発がんと関係していると推測されています。近年では、陰茎がんの男性を夫に持つ女性で子宮頸(けい)がんのリスクが高くなることなどから、尖圭(せんけい)コンジロームを引き起こすヒトパピローマウイルスの感染と関係があるともいわれています。
通常、陰茎の皮膚にできる痛みのない腫瘤(しゅりゅう)、すなわち、おできとして発症します。進行すると、痛みや出血なども生じてきます。包茎を伴っていることが多く、包皮内の亀頭部にできやすいために、外からは気付くのが遅れることもよくあります。
典型的なものは、表面が不整なゴツゴツした外観の塊で、潰瘍(かいよう)を伴っている場合もあります。感染を伴うことも多く、膿性(のうせい)または血性の分泌物が出て、悪臭を放つこともあります。多くは皮膚から発生しても、進行して陰茎の海綿体や尿道にがんが広がれば、排尿の異常を来します。
また、太ももの付け根に当たる鼠径(そけい)部のリンパ節にがんが転移しやすく、リンパ節のはれも多くみられます。進行すると、リンパ節が硬くなったり、足がむくんだりするようになります。
陰茎がんの検査と診断と治療
陰茎という場所のためにためらわれ、かなりひどい状態になってから医療機関を受診して手遅れになることが少なくありません。自覚症状があったら、早期発見の機会を逃がさないよう、すぐに泌尿器科を受診します。リンパ節にまで転移していなければ、ほとんどの例で治癒します。
医師による診断では、体表にできるがんであるため、肉眼的に見極められます。尖圭コンジローム、梅毒などとの見極めがつきにくい時には、病変部の一部を切除して顕微鏡で検査する生検か、病変部をこすってはがれた細胞を顕微鏡で調べる細胞診を行って、診断を確定させます。
さらに、X線やCT、MRI検査などを行って、他の臓器への転移の有無を調べます。
初期の場合には、放射線療法と扁平上皮がんに効果のあるブレオマイシンの併用療法で治癒します。治癒後に、陰茎の変形や、尿道の狭窄(きょうさく)を来すこともあります。
やや大きくなり、がんが亀頭部を越えて広がった場合などでは、放射線療法とブレオマイシンの併用によりがんを縮小させてから、がん浸潤のない部分で陰茎を切除する手術を行います。全身麻酔の下、病変から約2センチ離れた部位で正常な陰茎を切断しますので、当然陰茎は短くなり排尿が難しくなることがあります。
また、そのままでは性交も難しいため、形成外科的な手法で人工的な陰茎を形成する手術を行うこともあります。
根元から陰茎を切断する手術を行った場合は、会陰部に新たな尿の出口を形成します。尿の出口が女性と同じような位置にくるので、座って排尿することとなります。
転移が疑われれば、鼠径部のリンパ節、あるいは骨盤部のリンパ節も同時に摘出します。はれていなくてもリンパ節を摘出し、転移の有無を調べることもありますが、後遺症として下肢のむくみが残ることが多いようです。
がんが他の臓器に転移しているような場合、および手術で切除しても目に見えないがんが残っている危険性がある場合の再発予防として、放射線療法や抗がん剤による化学療法が補助的に行われる場合があります。
抗がん剤では、ブレオマイシン、シスプラチン、メソトレキセート、ビンクリスチンという4種が有効であると見なされ、これらのいくつかを組み合わせて使用します。
ウェブ版の健康創造塾にアクセスできます。
携帯i-mode版の健康創造塾にアクセスできます。
携帯au版の健康創造塾にアクセスできます。
携帯Yahoo!ケータイ版の健康創造塾にアクセスできます。
タグ:病気(い) 精巣腫瘍(睾丸腫瘍) 持続勃起症 ボーエン様丘疹症 陰茎がん 亀頭包皮炎 性器ヘルペス症 単純性疱疹(単純性ヘルペス) 慢性陰茎海綿体炎 副睾丸結核 睾丸結核 性器クラミジア感染症 男性性器結核 性器結核 陰茎結核疹 ウイルス性いぼ 陰茎折症 陰茎湾曲症 尿道下裂 陰茎腫瘍 包茎 包茎手術 尖圭コンジローム 早漏 陰茎海綿体炎 精巣性女性化症候群 アンドロゲン不応症 男性仮性半陰陽 真性半陰陽 仮性半陰陽 半陰陽 性交不能症 インポテンツ 性腺機能低下症 副腎性器症候群 精巣上体炎(副睾丸炎) 慢性精巣上体炎(慢性副睾丸炎) 勃起障害(ED) 性感染症(STD) 性病 軟性下疳 カンジダ性亀頭包皮炎 血精液症 精液瘤(精液嚢腫) 陰嚢水腫(陰嚢水瘤) 停留精巣 遊走精巣 移動性精巣 セックス依存症(性依存症) ペロニー病(陰茎形成性硬結症) 精索静脈瘤 精巣捻転症(精索捻転症) 急性精巣上体炎(急性副睾丸炎) クラミジア感染症 精巣炎(睾丸炎) ムンプス精巣炎 前立腺炎 遺精 睾丸過剰症 精巣過剰症 多睾丸症 短小陰茎 埋没陰茎 翼状陰茎 先天性陰茎湾曲症 後天性陰茎湾曲症 ミクロペニス 矮小陰茎 二陰茎体 陰茎重複症 無陰茎症 陰茎欠損症
コメント 0