■脳動脈瘤のステント治療を予測、映像化 東北大 [健康ダイジェスト]
脳にできた動脈瘤(りゅう)の血管内治療をコンピューターでシミュレーションする新技術を、東北大客員教授でニューヨーク州立大バッファーロー校のフイ・メング教授(医工学)らが確立しました。
治療に使われる金属製の筒状器具「ステント」が血管内で広がる様子や、治療後の血の流れを予測。メング教授は、「患者の血管データを使うため、個人の症状に合わせて最適な治療法を見付けられる」としています。
脳動脈瘤が破裂すると、くも膜下出血を引き起こします。検診で動脈瘤が見付かった場合、瘤に血液が流れ込むのを防ぐ治療が行われます。ステントを使う治療法では、カテーテルから出たステントが血管内で広がって、動脈瘤に血流を流れ込みにくくします。
この血管内治療に着目したメング教授らは、これまでの研究でコンピューター断層撮影(CT)や磁気共鳴画像装置(MRI)で得られた患者の血管データを基に、コンピューターで3次元の血管を再現。流体力学などの理論を応用して動脈瘤周辺の血流を計算し、映像化しました。
ステントが血管内で広がる様子も、今回初めて計算で予測。ステントを設置する最適な場所や、使用後の効果を確認するのに役立ちます。米国で約20人の患者を対象に治験をしたところ、予測の信頼度はかなり高かったといいます。
日本国内では、開頭手術で頭蓋(ずがい)骨を開き、動脈瘤の根元をクリップで挟む治療が主流。この手術は患者の心身への負担が大きいほか、手術の判断は医者の経験則に基づく場合も少なくありません。
今回確立した技術を使えば、治療後の血の流れの予測が可視化でき、すぐに手術が必要かどうか、開頭手術が最適かどうかを判断する有効な手掛かりになります。メング教授は、「工学的な手法で診断と治療がより一体化する。患者に合った形状のステントを作ることも可能になる」と話しています。
脳動脈瘤のステント治療は、日本では今年7月に保険認可されたばかりですが、ヨーロッパでは2001年に保険認可され、脳動脈瘤の治療の8割に使われています。
メング教授らの成果は11月2日、仙台市青葉区の仙台国際センターで開かれる国際流動ダイナミクス学会で発表されます。
2010年10月31日(日)
治療に使われる金属製の筒状器具「ステント」が血管内で広がる様子や、治療後の血の流れを予測。メング教授は、「患者の血管データを使うため、個人の症状に合わせて最適な治療法を見付けられる」としています。
脳動脈瘤が破裂すると、くも膜下出血を引き起こします。検診で動脈瘤が見付かった場合、瘤に血液が流れ込むのを防ぐ治療が行われます。ステントを使う治療法では、カテーテルから出たステントが血管内で広がって、動脈瘤に血流を流れ込みにくくします。
この血管内治療に着目したメング教授らは、これまでの研究でコンピューター断層撮影(CT)や磁気共鳴画像装置(MRI)で得られた患者の血管データを基に、コンピューターで3次元の血管を再現。流体力学などの理論を応用して動脈瘤周辺の血流を計算し、映像化しました。
ステントが血管内で広がる様子も、今回初めて計算で予測。ステントを設置する最適な場所や、使用後の効果を確認するのに役立ちます。米国で約20人の患者を対象に治験をしたところ、予測の信頼度はかなり高かったといいます。
日本国内では、開頭手術で頭蓋(ずがい)骨を開き、動脈瘤の根元をクリップで挟む治療が主流。この手術は患者の心身への負担が大きいほか、手術の判断は医者の経験則に基づく場合も少なくありません。
今回確立した技術を使えば、治療後の血の流れの予測が可視化でき、すぐに手術が必要かどうか、開頭手術が最適かどうかを判断する有効な手掛かりになります。メング教授は、「工学的な手法で診断と治療がより一体化する。患者に合った形状のステントを作ることも可能になる」と話しています。
脳動脈瘤のステント治療は、日本では今年7月に保険認可されたばかりですが、ヨーロッパでは2001年に保険認可され、脳動脈瘤の治療の8割に使われています。
メング教授らの成果は11月2日、仙台市青葉区の仙台国際センターで開かれる国際流動ダイナミクス学会で発表されます。
2010年10月31日(日)
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