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■用語 広背筋皮弁法 [病気(か行)]

 広背筋皮弁法(こうはいきんひべんほう)とは、乳がん手術で失った乳房を形成外科の手術で取り戻す乳房再建術の一つ。自分の背中の筋肉の一部を使って乳房の膨らみを形成する方法で、広背筋は背中の下半分を覆う広く平らな筋肉、皮弁は皮膚の一部を付けたまま切り離した筋肉と脂肪のことをいいます。
 広背筋皮弁法は、残っている皮膚が足りないため人工乳房だけでは再建できない場合、放射線の照射で皮膚が硬くなって伸びない場合、人工物を入れるのに抵抗がある場合などに行われます。
 広背筋の一部を皮膚や脂肪と一緒に切り離し、わきの下の血管や神経はつないだまま、皮膚の下をトンネル状にくぐらせて胸に移植します。大部分が筋肉のためやや硬い感じになり、時間が経つにつれ若干縮小しますが、移植の距離が短いため血行が安定していて、再建した乳房の壊死(えし)が起こりにくいという利点があります。
 形成する乳房の大きさにより、腰の近くの脂肪も使う拡大広背筋皮弁法もありますが、この方法では採取した後の背中の変形が相当大きなものになります。
 広背筋を切除することによる日常生活への影響はあまりないものの、健康な部位に傷を付けるという欠点があること、通常の人は筋肉も脂肪も薄い広背筋皮弁だけでは乳房のボリュームが足りず、人工乳房を併用する必要があるなどの欠点があります。
 背中の傷そのものは一生消えませんが、ブラジャーやショーツに隠れるような位置に傷を作り、形成外科的な特殊な縫い方などで、目立たないようにすることは可能です。
 手術には数時間かかり、1週間から10日前後の入院が必要です。

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