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■辛抱強く待つか、あきらめるか 関与する神経伝達物質が判明 [健康ダイジェスト]

 なかなか来ないバスを辛抱強く待ち続けるか、あきらめて歩くかどうかの意思決定にかかわるとみられる神経伝達物質を、独立行政法人の沖縄科学技術研究基盤整備機構神経計算ユニットのチームが、ラット実験で突き止めました。うつ病などの原因解明につながると期待されます。
 12日発行の米専門誌ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス電子版に発表します。
 チームは、うつ病や睡眠にかかわる神経伝達物質セロトニンに着目。報酬のために待つかどうかの判断にかかわっているとの仮説を立て、ラットがエサ場や水場に着くとすぐエサや水が得られる場合と、4秒待たないと得られない場合とで、脳内のセロトニンの働きを調べました。
 すると、4秒待つ時の方がセロトニンの放出が高まり、濃度が上昇しました。さらに、大脳にセロトニンを送る神経細胞の活動を電極で測ると、待っている間に活動が高まり、あきらめてしまう場合に弱まることがわかりました。
 代表研究者の銅谷賢治さんは、「セロトニンの役割を詳細に調べ、うつ病などの原因の解明や、人間的な判断ができるロボットの開発などに貢献したい」と話しています。
 これまで、セロトニンの働きを抑えると衝動的に目先の利益を選びがちなことは実験で示されていました。
 セロトニンとは、ノルアドレナリンやドーパミンと並んで、体内で特に重要な役割を果たしている三大神経伝達物質の一つです。体を活動状態に向かわせる神経伝達物質であるノルアドレナリンやドーパミンの暴走を抑え、心のバランスを整える作用のある神経伝達物質であり、セロトニンが不足すると精神のバランスが崩れて、暴力的になったり、うつ病などの精神疾患に陥りやすいといわれています。

 2011年1月12日(水)

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