■用語 ケーラー病 [用語(か行)]
足の中央部にある舟状骨が変形して、痛みが生じる第一ケーラー病
ケーラー病とは、足の骨が変形して、痛みを生じる疾患。第一ケーラー病と第二ケーラーとがあり、ともに成長期の子供の成長軟骨に障害が起き、痛みを伴う疾患である骨端(こつたん)症、いわゆる成長痛の一つです。
第一ケーラー病は、足の中央部にある舟状骨が変形して、痛みを生じる疾患。幼児、小児期にみられ、特に4歳から7歳くらいの男児に多くみられます。
1908年に、ドイツのケーラーによって初めて報告されました。持続的な負荷がかかるなど何らかの原因で、舟状骨への血行障害が生じると、骨自体の組織が壊死(えし)するために変形して、偏平化します。両足に発生する例が約3分の1にみられ、症状に左右差があることも多くみられます。急性に発症することはまれで、慢性に経過することが多い傾向にあります。
土踏まずに痛みが生じ、はれることもあります。そのため、足の外側に体重を掛けて歩くために歩き方がおかしい、歩きたがらないといった症状を示します。しかし、足の形は正常で、関節の動きは障害されませんが、足首の内返しによって痛みを訴えることもあります。
多くの例では、1~2年後に自然経過で元の通りに戻ります。舟状骨が足の骨の中でも重要な役割を持っているため、歩行障害を生じることもあります。
成長期の子供に足の痛みの訴えがある場合は、小児整形外科を受診し適切な治療や経過観察を受けるべきです。
医師による診断では、X線写真を撮ると舟状骨の偏平化が見られます。リウマチ性疾患、捻挫(ねんざ)、骨髄炎との鑑別が必要ですが、X線像から区別は容易です。
治療では、軽度の場合、中足部にパッドを着けた厚い中敷きを作って靴に入れ、舟状骨、土踏まずへの体重負荷を減らして痛みを軽くし、他の疾患がないか時々X線写真で確認します。室内では自由に歩行して差し支えありませんが、激しい運動や、長距離の歩行などは控えめにします。
一般に予後は良好で、数カ月から数年で痛みもX線写真上の変化も消え、後遺症は残りません。万一、痛みが残った場合には別の疾患を考える必要があります。
痛みが強い場合、歩行用ギプスで3~6週間安静を保ちます。その後は軽度の場合と同様、靴の中敷きを用います。
思春期ころに多くみられ、足指の付け根部分の骨が壊死する第二ケーラー病
第二ケーラー病は、足の中足骨(ちゅうそくこつ)の骨頭部の組織が血液の循環障害により壊死し、痛みが起こる疾患。フライバーグ病とも呼ばれます。
骨端症の多くは男子に現れますが、第二ケーラー病に関しては女子に多くみられます。好発年齢は12~18歳の思春期ころで、女子は男子より3~4倍ほど多くなっています。
足の第2中足骨に最も多く起こる傾向があり、次いで第3中足骨に多く起こります。第2中足骨に多く起こるのは、中足骨の中で最も長いため、靴を履くことによって長軸上のストレスがかかりやすいためと思われます。足の両側に起こる例が、10パーセント程度にみられます。
症状の最初は、運動をすると足の前の部分の不快な感じがあり、体重が掛かると痛みが出ます。数年間、無症状の時期があり、運動を機に痛みが再発します。中足骨の骨頭部がある足指の第2指(中指)や第3指(薬指)の付け根を押すと痛みがあり、はれが出ることもあります。進行すると、歩く際の踏み返しの時に足指の付け根の関節に痛みがあるため、その部位への荷重を避けた歩き方になります。関節の可動域制限もあります。
外傷に続発することもありますが、発症の原因にはいろいろな説があり、確定したものはありません。靴幅の狭いシューズを長期間使用することで、持続的な負荷がかかって中足骨の骨頭部への血行が一時的に障害されて生じるともいわれています。
足の部分の骨端症の中では、第二ケーラー病だけが早期診断、早期治療が重要な疾患であり、足の痛みがある場合は、整形外科を受診し適切な治療や経過観察を受けるべきです。早期より徹底した治療が行われないと関節変形を来し、痛みが残りやすいので注意が必要です。
医師による診断では、X線写真で中足骨の骨頭の部分が不規則な形をして、つぶれたり、壊れたりしている像が見られます。鑑別が重要な疾患には、中足骨疲労骨折、リウマチ性関節炎があります。
軽度の場合の治療では、足を安静に保つために、過激な運動を避けます。また、靴の中敷きに、土踏まずを高くしたアーチサポートを数年に渡って使用し、血行が再開して骨頭が修復されるまで、異常のある骨に体重がかからないようにします。一般には、2年ほどの経過でX線上の変形は治ってきます。
初期の痛みが強い場合には、3~4週間ギプスを巻いて荷重を避けた後、軽度の場合と同様の中敷きを使用します。踵(かかと)の高い靴の使用、ランニング、長時間の歩行などは厳禁です。
自然によくなる程度が少ないため、放置して関節に障害を残した例や、治療開始が遅れた例で変形が残って痛みがあれば、手術することもあります。手術には、壊死部の骨頭を切除する方法や、骨頭の付け根の部分を楔(くさび)状に切除して、骨頭を背側に回転して固定する方法などがあります。
ケーラー病とは、足の骨が変形して、痛みを生じる疾患。第一ケーラー病と第二ケーラーとがあり、ともに成長期の子供の成長軟骨に障害が起き、痛みを伴う疾患である骨端(こつたん)症、いわゆる成長痛の一つです。
第一ケーラー病は、足の中央部にある舟状骨が変形して、痛みを生じる疾患。幼児、小児期にみられ、特に4歳から7歳くらいの男児に多くみられます。
1908年に、ドイツのケーラーによって初めて報告されました。持続的な負荷がかかるなど何らかの原因で、舟状骨への血行障害が生じると、骨自体の組織が壊死(えし)するために変形して、偏平化します。両足に発生する例が約3分の1にみられ、症状に左右差があることも多くみられます。急性に発症することはまれで、慢性に経過することが多い傾向にあります。
土踏まずに痛みが生じ、はれることもあります。そのため、足の外側に体重を掛けて歩くために歩き方がおかしい、歩きたがらないといった症状を示します。しかし、足の形は正常で、関節の動きは障害されませんが、足首の内返しによって痛みを訴えることもあります。
多くの例では、1~2年後に自然経過で元の通りに戻ります。舟状骨が足の骨の中でも重要な役割を持っているため、歩行障害を生じることもあります。
成長期の子供に足の痛みの訴えがある場合は、小児整形外科を受診し適切な治療や経過観察を受けるべきです。
医師による診断では、X線写真を撮ると舟状骨の偏平化が見られます。リウマチ性疾患、捻挫(ねんざ)、骨髄炎との鑑別が必要ですが、X線像から区別は容易です。
治療では、軽度の場合、中足部にパッドを着けた厚い中敷きを作って靴に入れ、舟状骨、土踏まずへの体重負荷を減らして痛みを軽くし、他の疾患がないか時々X線写真で確認します。室内では自由に歩行して差し支えありませんが、激しい運動や、長距離の歩行などは控えめにします。
一般に予後は良好で、数カ月から数年で痛みもX線写真上の変化も消え、後遺症は残りません。万一、痛みが残った場合には別の疾患を考える必要があります。
痛みが強い場合、歩行用ギプスで3~6週間安静を保ちます。その後は軽度の場合と同様、靴の中敷きを用います。
思春期ころに多くみられ、足指の付け根部分の骨が壊死する第二ケーラー病
第二ケーラー病は、足の中足骨(ちゅうそくこつ)の骨頭部の組織が血液の循環障害により壊死し、痛みが起こる疾患。フライバーグ病とも呼ばれます。
骨端症の多くは男子に現れますが、第二ケーラー病に関しては女子に多くみられます。好発年齢は12~18歳の思春期ころで、女子は男子より3~4倍ほど多くなっています。
足の第2中足骨に最も多く起こる傾向があり、次いで第3中足骨に多く起こります。第2中足骨に多く起こるのは、中足骨の中で最も長いため、靴を履くことによって長軸上のストレスがかかりやすいためと思われます。足の両側に起こる例が、10パーセント程度にみられます。
症状の最初は、運動をすると足の前の部分の不快な感じがあり、体重が掛かると痛みが出ます。数年間、無症状の時期があり、運動を機に痛みが再発します。中足骨の骨頭部がある足指の第2指(中指)や第3指(薬指)の付け根を押すと痛みがあり、はれが出ることもあります。進行すると、歩く際の踏み返しの時に足指の付け根の関節に痛みがあるため、その部位への荷重を避けた歩き方になります。関節の可動域制限もあります。
外傷に続発することもありますが、発症の原因にはいろいろな説があり、確定したものはありません。靴幅の狭いシューズを長期間使用することで、持続的な負荷がかかって中足骨の骨頭部への血行が一時的に障害されて生じるともいわれています。
足の部分の骨端症の中では、第二ケーラー病だけが早期診断、早期治療が重要な疾患であり、足の痛みがある場合は、整形外科を受診し適切な治療や経過観察を受けるべきです。早期より徹底した治療が行われないと関節変形を来し、痛みが残りやすいので注意が必要です。
医師による診断では、X線写真で中足骨の骨頭の部分が不規則な形をして、つぶれたり、壊れたりしている像が見られます。鑑別が重要な疾患には、中足骨疲労骨折、リウマチ性関節炎があります。
軽度の場合の治療では、足を安静に保つために、過激な運動を避けます。また、靴の中敷きに、土踏まずを高くしたアーチサポートを数年に渡って使用し、血行が再開して骨頭が修復されるまで、異常のある骨に体重がかからないようにします。一般には、2年ほどの経過でX線上の変形は治ってきます。
初期の痛みが強い場合には、3~4週間ギプスを巻いて荷重を避けた後、軽度の場合と同様の中敷きを使用します。踵(かかと)の高い靴の使用、ランニング、長時間の歩行などは厳禁です。
自然によくなる程度が少ないため、放置して関節に障害を残した例や、治療開始が遅れた例で変形が残って痛みがあれば、手術することもあります。手術には、壊死部の骨頭を切除する方法や、骨頭の付け根の部分を楔(くさび)状に切除して、骨頭を背側に回転して固定する方法などがあります。
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