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■用語 捻挫 [用語(ね)]

[クリスマス]関節に無理な力がかかり、周囲の靭帯などが傷付き、部分的に切れる外傷
 捻挫(ねんざ)とは、関節に無理な力がかかり、関節の生理的な可動範囲を超えてひねった結果、関節周囲の靭帯(じんたい)などが傷付き、部分的に切れてしまうこと。関節を構成する骨と骨の間にずれがなく、骨折もしていない場合を指します。
 多少なりとも骨と骨の間にずれが生じた場合は、脱臼(だっきゅう)あるいは亜脱臼といいます。捻挫は骨の位置関係に異常がなく、関節面が完全に接触を保っている、亜脱臼は関節面が一部接触を保っている、脱臼は関節面の接触が全く失われている、という違いがあります。
 捻挫が最も起こりやすい関節は足(そく)関節ですが、人の体の中には多数の関節があります。四肢の関節の中にも肩、肘(ひじ)、手首、指、膝(ひざ)、足首など、誰もが関節と認識する関節のほかに、動きが小さいために目立たない関節が多数ありますし、背骨を構成する一つひとつの椎骨(ついこつ)の間にもすべて関節があります。これらの関節がずれないように骨と骨とをつなぎ止め、さらに関節の動きをコントロールする非常に重要な組織が靭帯で、大半の関節は複数の靭帯でいろいろな方向から支えられいますす。
 捻挫の症状は、受傷した関節の種類や、靭帯損傷の程度によってさまざまです。一般的な症状は関節の痛みや、はれ、熱感、内出血などで、動かさなくても痛む場合や、はれや内出血がひどい場合は靭帯が断裂している場合もあります。
 ただし、このような重傷例は靭帯が断裂する際に必ず関節のずれを伴うので、厳密には捻挫とはいえず、右膝前十字靭帯損傷などという具体的な外傷名が付けられるのが一般的です。
 断裂した靭帯が修復されないまま経過すると、関節に緩みが残り、それによる続発症が出ることもあるので注意が必要で、自己診断はせずに整形外科を受診することが望まれます。
 医師による捻挫の診断では、単純X線検査を行って関節のずれや骨折の有無を確かめます。関節の不安定性の程度を検査するために、ストレス(負荷)を加えてX線写真を撮ることもあります。
 単純X線写真には靭帯そのものは映し出されないため、MRI検査も行います。近年、MRI検査は多くの外傷や障害の補助診断に用いられていますが、特に膝関節の靭帯損傷に対しては必須ともいえます。
 医師による捻挫の治療としては、受傷直後は局所の安静、冷却、圧迫、患肢の高挙(こうきょ)が基本的な処置になり、はれや内出血がより以上に高度になることを止めます。
 その後の治療は重傷度によっても違いますが、弾力包帯、テーピング、装具などにより関節の動きを制御するのが基本。ギプスによる固定が行われることもありますが、長期に渡る関節の固定は、正常な靭帯の修復過程をむしろ妨げるとの説もあり、関節軟骨にも悪影響を及ぼすことから、その適応は限られています。
 治療後しばらくの間は、過負荷を抑えて保温するため、サポーターや矯正具などを用いて再発抑止に努めるのがよいとされます。避けたいのは、日常使う関節で捻挫が起きるために痛みが軽快した途端治療を中止してしまうこと。そんな時に起こる後遺症として、関節を構成する靱帯や軟部組織が弛緩(しかん)した状態で、関節を補強すべき筋肉が弱体化している場合には、何度も同じ部分の捻挫を引き起こす捻挫癖につながることもあります。
 なお、捻挫より重い靭帯の完全断裂に対する治療法は、受傷した関節、患者の年齢や職業、スポーツをするかどうかなど、いろいろな因子によって違ってきます。特にスポーツ選手など活動性の高い人では、損傷した靭帯の縫合術や再建術のような手術的治療が必要になることもまれではありません。受傷した関節によっても手術的治療の適応は異なり、膝や足首など荷重がかかる関節は手術の適応となることが多く、指や肘はならないことが多くなっています。




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