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■足湯施設の25パーセントからレジオネラ菌 法規制の対象外 [健康ダイジェスト]

 温泉地で人気の足湯を、古畑勝則・麻布大准教授(環境微生物学)が全国125カ所で調べたところ、その4分の1から肺炎などを引き起こすレジオネラ菌が検出されました。足湯は公衆浴場法など法規制の対象外。
 古畑さんは、「足を入れるだけで病気になるとは考えにくいが、汚れは望ましくない。足湯の設置者が責任を持って衛生管理すべきだ」と訴えています。
 全国28都道府県の温泉地にある足湯のうち125カ所を2009年から今年までサンプル調査。25パーセントに相当する31カ所からレジオネラ菌を検出しました。足湯には衛生管理の基準がありませんが、銭湯やホテル、旅館の浴場など風呂の水に関する厚生労働省の指針では、レジオネラ菌は検出されてはいけないことになっています。
 125カ所中61カ所では大腸菌群も調べ、11カ所(18パーセント)で1ミリリットル当たり2個以上を検出。最も高い所は120個でした。風呂に関する厚労省指針では、大腸菌群は1ミリリットル中1個以下としています。
 レジオネラ・ニューモフィラに代表されるレジオネラ属菌はもともと、土の中、河川、湖沼など自然界に広く生息している菌であり、温水タンク、給水塔、冷却塔などの人工環境においても、配水管のバイオフィルム(ぬめり)に生息するアメーバなどの微小生物に寄生し、増殖しています。20~50℃の水温で生育し、最も増殖に適した温度は36℃前後といわれています。
 循環水を利用した風呂に入浴した際などに、レジオネラ属菌に汚染されたエアロゾル(小さな水滴)を気道から吸入することで、レジオネラ症を発症することがあります。レジオネラ症は劇症型のレジオネラ肺炎と、一過性のポンティアック熱に大別され、レジオネラ肺炎は発熱、呼吸困難、筋肉痛、下痢などの症状が出て、発症はまれでも、急激に重症化することが少なくありません。一方、ポンティアック熱は発熱、悪寒、頭痛、筋肉痛などの症状が出ますが、一般に数日で自然に治ります。 
 高齢者、乳幼児、糖尿病患者、慢性呼吸器患者、免疫不全者などの抵抗力が低下している人や、健康な人でも疲労などで体力が落ちている人が発病しやすいといわれています。人から人へ感染することはありません。
 国や地方公共団体の調査によると、公衆浴場、旅館などの入浴施設では、衛生管理が徹底していない循環式浴槽、循環浴槽水を利用した気泡発生装置付浴槽・ ジェット噴射装置付浴槽、打たせ湯、足湯、ビルなどの一般施設では、給水塔、冷却塔、給水・給湯設備などが、レジオネラ症の感染源として報告されています。
 家庭においても、エアロゾルを発生させる24時間風呂や加湿器などの衛生管理を徹底しないと、感染源となることがあります。

 2011年7月30日(土)




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