■用語 多発性骨髄腫 [用語(た行)]
血液中の特殊細胞が骨髄で増殖し、全身の骨を破壊する疾患
多発性骨髄腫(しゅ)とは、形質細胞という血液の中のリンパ球に似た特殊な細胞が腫瘍(しゅよう)化して、骨髄の中で増殖し、全身の骨を破壊する悪性の疾患。単に骨髄腫ということもあります。
形質細胞は、外から体に侵入した細菌などを撃退する仕組みの1つとして、抗体と呼ばれる免疫グロブリンを作る細胞に当たります。免疫グロブリンは、蛋白(たんぱく)質の一種です。
多発性骨髄腫の原因は、よくわかっていません。発症頻度は低く、10万人に1人くらいのまれな疾患に属します。年齢層は、70〜80歳代の人に多く発症します。
腫瘍化した形質細胞は骨髄の中で増殖し、正常な血液を作るのを障害したり、骨を溶かしたりします。そのため、貧血、血小板減少などの血液の異常が起こったり、骨がもろくなって、骨粗鬆(こつそしょう)症と呼ばれる状態になります。骨粗鬆症が進行すると、脊椎(せきつい)が体の重荷に耐えかねてつぶれる、圧迫骨折を起こすことがあります。
発症は多くの症例では、いつから始まったか明確ではなく、ゆっくりと進行します。初期のころは、症状はないか腰や背中、胸が痛いという、病気のせいなのか、年のせいなのかわからないような症状が出てきます。
普通、長い経過をたどって悪化していきます。骨はほとんど全身の骨が侵されますが、脊椎、肋骨(ろっこつ)、胸骨などから現れるケースが多いようです。
骨が弱くなるために、ちょっとしたことで手や足の骨折を起こしたり、骨が溶けて血液中のカルシウム濃度が高くなると、意識障害、多尿、口渇などの症状も現れてきます。
過剰に産生された免疫グロブリンの軽鎖が腎臓(じんぞう)に沈着して、障害を起こしてくることもあります。正常な形質細胞は減少しているので、抗体を作る働きが障害され、体の抵抗力が低下し、さまざまな感染症に悩まされることもあります。
また、血液中に異常なガンマグロブリンが著しく増加するために、血液が粘っこくなって循環障害が起こり、心不全、倦怠(けんたい)感、頭痛、意識障害、けいれんなどの症状が現れることがあり、過粘稠度(かねんちゅうど)症候群と呼ばれます。
何の症状もないまま、定期検診を受けたところ、血液と尿の蛋白異常を指摘され、それが切っ掛けで疾患が見付かるケースも少なくありません。骨折して受診し、疾患が発見されるケースもあります。
背中や腰の痛みを訴えることが多いため、初めに整形外科を受診することがしばしばですが、診断と治療は主に内科、ないし血液専門内科が行います。
多発性骨髄腫の検査と診断と治療
内科、ないし血液専門内科の医師による診断は、血液中の蛋白の数値が高く、分析すると免疫グロブリンが異常に高い数値を示していることから判断されます。骨髄を調べると、この免疫グロブリンを分泌する形質細胞が多数認められます。骨のX線検査では、打ち抜き像といわれる輪郭の明確な所見があり、骨が薄く、もろくなっています。
医師による治療としては、化学療法(抗がん剤による薬物療法)でコントロールすることを主体とします。よく用いられるのは、メルファランとインターフェロン。近年では、60~65歳以下の比較的若い発症者に対しては、強力な化学療法と自家造血幹細胞移植を組み合わせて、異常な形質細胞を絶滅させる方法が研究されています。このような強力な化学療法は、高齢者に対しては行えません。
また、腫瘍化した形質細胞が腫瘤(しゅりゅう)を形成した場合や、痛みの緩和の目的で、放射線療法が行われることもあります。骨病変の改善には、ビスホスフォネートという薬剤が用いられることもあります。
多発性骨髄腫と診断された全例が、治療の対象となるわけではありません。治療にはある程度の副作用を伴うこと、また、中には無治療で経過を観察しても、数年間に渡って症状の進展がみられない例もあるからです。
確実に治癒を期待できる治療法は確立されおらず、完全に治すのは難しい疾患ですが、適切な治療を行えば普通の生活を長期間送ることができるので、もし多発性骨髄腫と診断されても、悲観せずに、専門医の治療を受けることです。
多発性骨髄腫(しゅ)とは、形質細胞という血液の中のリンパ球に似た特殊な細胞が腫瘍(しゅよう)化して、骨髄の中で増殖し、全身の骨を破壊する悪性の疾患。単に骨髄腫ということもあります。
形質細胞は、外から体に侵入した細菌などを撃退する仕組みの1つとして、抗体と呼ばれる免疫グロブリンを作る細胞に当たります。免疫グロブリンは、蛋白(たんぱく)質の一種です。
多発性骨髄腫の原因は、よくわかっていません。発症頻度は低く、10万人に1人くらいのまれな疾患に属します。年齢層は、70〜80歳代の人に多く発症します。
腫瘍化した形質細胞は骨髄の中で増殖し、正常な血液を作るのを障害したり、骨を溶かしたりします。そのため、貧血、血小板減少などの血液の異常が起こったり、骨がもろくなって、骨粗鬆(こつそしょう)症と呼ばれる状態になります。骨粗鬆症が進行すると、脊椎(せきつい)が体の重荷に耐えかねてつぶれる、圧迫骨折を起こすことがあります。
発症は多くの症例では、いつから始まったか明確ではなく、ゆっくりと進行します。初期のころは、症状はないか腰や背中、胸が痛いという、病気のせいなのか、年のせいなのかわからないような症状が出てきます。
普通、長い経過をたどって悪化していきます。骨はほとんど全身の骨が侵されますが、脊椎、肋骨(ろっこつ)、胸骨などから現れるケースが多いようです。
骨が弱くなるために、ちょっとしたことで手や足の骨折を起こしたり、骨が溶けて血液中のカルシウム濃度が高くなると、意識障害、多尿、口渇などの症状も現れてきます。
過剰に産生された免疫グロブリンの軽鎖が腎臓(じんぞう)に沈着して、障害を起こしてくることもあります。正常な形質細胞は減少しているので、抗体を作る働きが障害され、体の抵抗力が低下し、さまざまな感染症に悩まされることもあります。
また、血液中に異常なガンマグロブリンが著しく増加するために、血液が粘っこくなって循環障害が起こり、心不全、倦怠(けんたい)感、頭痛、意識障害、けいれんなどの症状が現れることがあり、過粘稠度(かねんちゅうど)症候群と呼ばれます。
何の症状もないまま、定期検診を受けたところ、血液と尿の蛋白異常を指摘され、それが切っ掛けで疾患が見付かるケースも少なくありません。骨折して受診し、疾患が発見されるケースもあります。
背中や腰の痛みを訴えることが多いため、初めに整形外科を受診することがしばしばですが、診断と治療は主に内科、ないし血液専門内科が行います。
多発性骨髄腫の検査と診断と治療
内科、ないし血液専門内科の医師による診断は、血液中の蛋白の数値が高く、分析すると免疫グロブリンが異常に高い数値を示していることから判断されます。骨髄を調べると、この免疫グロブリンを分泌する形質細胞が多数認められます。骨のX線検査では、打ち抜き像といわれる輪郭の明確な所見があり、骨が薄く、もろくなっています。
医師による治療としては、化学療法(抗がん剤による薬物療法)でコントロールすることを主体とします。よく用いられるのは、メルファランとインターフェロン。近年では、60~65歳以下の比較的若い発症者に対しては、強力な化学療法と自家造血幹細胞移植を組み合わせて、異常な形質細胞を絶滅させる方法が研究されています。このような強力な化学療法は、高齢者に対しては行えません。
また、腫瘍化した形質細胞が腫瘤(しゅりゅう)を形成した場合や、痛みの緩和の目的で、放射線療法が行われることもあります。骨病変の改善には、ビスホスフォネートという薬剤が用いられることもあります。
多発性骨髄腫と診断された全例が、治療の対象となるわけではありません。治療にはある程度の副作用を伴うこと、また、中には無治療で経過を観察しても、数年間に渡って症状の進展がみられない例もあるからです。
確実に治癒を期待できる治療法は確立されおらず、完全に治すのは難しい疾患ですが、適切な治療を行えば普通の生活を長期間送ることができるので、もし多発性骨髄腫と診断されても、悲観せずに、専門医の治療を受けることです。
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