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■夫婦間の腎移植、拒絶反応抑え3例成功 兵庫県立西宮病院 [健康ダイジェスト]

 兵庫県立西宮病院腎疾患総合医療センター(西宮市)が、夫から出産経験のある妻への生体腎移植で、特有の拒絶反応を避けるための処置を手術前に施し、3例続けて成功させました。
 出産経験のある妻には夫に対する強い抗体ができることがありますが、同センターは手術前に抗体量を調べ、それを免疫抑制処置で危険量より少なくして拒絶反応を起こさせないようにしました。夫婦間の腎移植の拡大につながる成果といい、25日から韓国・ソウルで開かれるアジア移植学会で報告します。
 西宮病院では1973年以来、これまでに実施した腎移植件数が兵庫県内で初めて500例に達しました。全国でも8番目に多く、内訳は生体が381例、死後に腎臓提供を受ける献腎は119例。
 生体腎移植のうち夫婦間は増加傾向にあり、現在、全体の3割近いとされます。しかし、出産経験のある妻の2~3割程度に、夫の遺伝子を受け継ぐ子供を妊娠することで、夫に対する抗体が作られるといい、激しい拒絶反応を心配して移植を断念することがあるとされます。
 同センターは2008年、米国で開発された抗体量測定装置を、国内で初めて夫婦間の生体腎移植で抗体検査に導入。一方、1991年以降に同センターで生体腎移植を受けた100人以上の保存血を調べ、激しい拒絶反応が起きる抗体の危険量を特定しました。
 成功した3例は2009年9月~2011年5月、出産経験がある兵庫県と大阪府、和歌山県内の60~65歳女性に実施しました。抗体は3人とも危険量の10倍以上でしたが、移植前に免疫抑制剤の投与や血漿交換で抗体を危険量より少なく抑えました。
 同センターの岸川英史研究・検査室長は、「この方法を広げ、夫婦間の安全な生体腎移植につなげたい」と話しています。今後は、他の医療機関と協力しながら抗体の危険量の正確さを確認し、移植の安全性を高めていきたいといいます。
 同センターは西日本の基幹移植検査センターに指定されており、腎移植の適合性検査で指導的な役割を担っています。国内の基幹移植検査センターは東日本2カ所、中部1カ所と同センターの計4カ所。

 2011年9月19日(月)




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