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■乳幼児のRSウイルス感染が拡大 04年以来最多ペース [健康ダイジェスト]

 冬場にかけて流行し、乳幼児に肺炎などを引き起こすRSウイルス感染症の患者が、この時期としては異例のペースで増えていることから、国立感染症研究所は、これまでで最も大きな流行になる恐れがあるとして、手洗いなどの対策を徹底するよう呼び掛けています。
 RSウイルス感染症は、毎年、秋から冬にかけての長い期間に渡って流行し、12~1月がピークとされます。主に乳幼児がかかり、発熱やせきなどの呼吸器症状を起こし、初めて感染した場合は肺炎や脳症を起こして重症化することがあります。
 国立感染症研究所によりますと、今月18日までの1週間に、全国およそ3000の小児科の医療機関から報告された患者の数は1414人で、去年の同じ時期の2倍近くになっています。9月のこの時期としては、2004年の調査開始以降で最多。
 都道府県別にみると、大阪府が205人で最も多く、宮崎県が160人、東京都が126人、福岡県が100人で、関西や九州などを中心に患者が多くなっています。
 国立感染症研究所の安井良則主任研究官は、「この病気は風邪と間違われやすいが、熱が下がってもせきが続き、悪化しているようであれば、早めに医療機関を受診して重症になるのを防いでほしい。また、手洗いのほか、せきやくしゃみを人に向けないようにするなど感染対策を徹底してほしい」と警鐘を鳴らしています。
 RSウイルスは呼吸器合胞体ウイルスともいわれ、風邪の原因となる一般的なウイルスの一つ。乳幼児が最も感染しやすいウイルスで、1歳の誕生日までに70パーセントの乳児が初感染し、2歳までにはほとんどの乳幼児が感染するとされます。通常、健康な乳幼児が感染した場合、38~39度程度の発熱、鼻水、せきなどの症状が出て、多くは8~15日ぐらいで治まります。発熱症状がないこともあります。
 ただ、RSウイルスは一度感染しても持続的な免疫ができにくく、予防ワクチンや特効薬もないのが現状。このため、RSウイルスに感染しないよう、手洗いを徹底し、接触感染を防ぐため流行期に子供が集まる場所になるべく行かないなど、ふだんの生活で対策を取ることが重要になります。
 特に重症化しやすいのは、生後6カ月以内の乳児や早産児、慢性肺疾患や先天性心疾患などの基礎疾患を持っている乳幼児とされます。
 重症化を防ぐ手段としては「シナジス」と呼ばれる抗体製剤の投与がありますが、100ミリグラムで約15万円と費用が高いのがネック。ただ、29~35週の早産で6カ月以下の新生児や乳児などは健康保険が適用され、重症化のリスクが高い早産児には投与が勧められます。

 2011年9月27日(火)




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