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■米で乳がん治療薬アバスチンの承認取り消し 高血圧など副作用の恐れ [健康ダイジェスト]

 米食品医薬品局(FDA)は18日、新しいタイプの抗がん剤アバスチン(一般名ベバシズマブ)を乳がん患者に使う承認を取り消すと発表しました。
 新たな臨床試験の結果、高血圧や心臓発作などの副作用の恐れがある一方で、明確な延命効果が確認できなかったことが理由。この薬は大腸がんや肺がんでも承認されていますが、今回の取り消しは乳がんだけが対象。
 スイス大手の医薬品会社・ロシュが製造するアバスチンは、日本でも07年に大腸がんに対して承認され、今年9月には手術不能または再発乳がんに対して追加承認を受けています。
 アバスチンは、がん細胞に酸素や栄養を送る血管ができるのを抑える「血管新生阻害薬」として開発された点滴薬。米紙ワシントン・ポストなどによると、世界で最も多く販売されている抗がん剤で、年間売り上げは68億ドル(約5200億円)に上ります。日本では2007年から中外製薬が販売しています。
 FDAは08年に、緊急性が高い薬の申請に適用される迅速承認制度のもと追加の臨床試験を実施するとの条件付きで、一部の乳がんでの使用を認可。その後、専門家でつくる諮問委員会が、効果より副作用の危険のほうが大きいと勧告し議論が続いていました。
 FDAの決定に、米国内の患者団体からは「効果が出ている乳がん患者がいるにもかかわらず、FDAは事実を無視している」などと反発の声が出ています。承認が取り消されても乳がん治療への使用は禁止されませんが、保険が適用されなくなる可能性があり、効果があると主張する医師などからも批判の声も上がっています。
 一方、ロシュ社の広報担当者は、「FDAの決定に異議を申し立てる考えはなく、アバスチンがどのような乳がん患者に最も効果があるのかを見極めるための研究を続けていく」と述べました。

 2011年11月19日(土)




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