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■用語 ハートナップ病 [用語(は行)]

[ダイヤ]発疹、発作に加え、脳の異常を引き起こす遺伝性の疾患
 ハートナップ病とは、トリプトファンなど特定のアミノ酸が腸から十分に吸収されず、さらに腎臓がうまく再吸収できないことが原因で、皮膚の発疹(はっしん)や発作、脳の異常を引き起こす疾患。
 まれな遺伝性の疾患で、発症する人は両親からそれぞれ1つずつ、異常を引き起こす原因となる遺伝子を受け継いでいます。
 腸からのアミノ酸の吸収機能や、腎臓にある尿細管からの再吸収機能に問題が生じると、トリプトファン、メチオニン、ヒスチジンなどのアミノ酸が過剰に尿に排出されてしまうため、体内では蛋白(たんぱく)質の構成成分であるアミノ酸が不足します。血液中のトリプトファンが少なくなりすぎると、体はビタミンB群のナイアシンアミド(ニコチン酸アミド)を十分に生産できず、特に多くのビタミンが必要となるストレスを受けた時に顕著になります。
 皮膚の発疹や発作などの症状は、乳児期から小児期の早期にかけて始まります。遅いと、青年期になってから起こることもあります。症状は散発的で、ナイアシンアミドの欠乏によって引き起こされ、日光や発熱、薬物、心身のストレスなどが誘因となります。
 皮膚の発疹は、日光が当たった肌に現れます。発作は栄養が足りない状態が続くと起こり、けいれん、虚脱状態、失神がみられますが、年を重ねるにつれて発作の回数は少なくなっていきます。
 また、精神発達の遅れ、低身長、頭痛、小脳失調による不安定な歩行がよくみられ、不安、急な気分の変化、幻覚や妄想といった一時的な精神失調の症状を示すこともあります。
[ダイヤ]ハートナップ病の検査と診断と治療
 小児科の医師は尿検査を行って、トリプトファン、メチオニン、ヒスチジンなどのアミノ酸とその分解産物が異常な量の多さで排出されていることなどで、ハートナップ病と診断します。
 医師による治療は、発作を予防することを主とします。 発作予防には、蛋白質を十分に含む食事で良好な栄養状態を維持し、食事とは別にナイアシンアミドや、よく似たビタミンB群のナイアシンを経口で補給することが有効です。
 疾患の予後は良好で、加齢に伴って症状も緩和方向に向かいます。




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