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■アルツハイマー治療に光 米研究チーム、原因物質拡散の仕組みを確認 [健康ダイジェスト]

 アルツハイマー病の原因の一つとされる異常なたんぱく質が脳内で感染症のように拡散していることが、米コロンビア大などによるマウスの実験でわかりました。この挙動を止める物質ができれば、治療法の開発につながる可能性があります。1日付米科学誌「プロスワン」の電子板に論文が掲載されました。
 このアルツハイマー病は、ベータアミロイドやタウと呼ばれるたんぱく質の異常なものが、脳の中の記憶に関係する部位である海馬や側頭葉、頭頂葉するようになり、神経細胞を壊していくことが原因と考えられています。
 論文によると研究チームは、人間のタウを持つマウスを遺伝子操作でつくって脳を観察。生後10~11カ月の若いマウスでは情報の通り道である嗅内野(きゅうないや)と呼ばれるところの神経細胞にタウがたまっていましたが、22カ月以上のマウスでは、嗅内野だけでなく、神経細胞から神経細胞へジャンプしながら脳回路を移動し、記憶に関係する海馬の神経細胞にもタウが広がっていることを確認しました。
 論文を共同執筆したコロンビア大のスコット・スモール教授(神経学)は、「アルツハイマー病の最も効果的な治療法は、がんと同様に対処することかもしれない。つまり早期発見、早期治療によって拡散のチャンスを与えないことだ」と述べ、タウが神経細胞から神経細胞へと伝わるのを早期に止められれば、進行を止めることができるとしています。
 現在、このアルツハイマー病の治療法には、進行を遅らせる医薬品の使用しかありません。2種類のたんぱく質を壊すワクチンを作る研究も進んでいますが、効果は確認されていません。
 国立長寿医療研究センター分子基盤研究部の高島明彦部長は、「ヒトの脳内でタウがどのように広がっているかまだわからないが、タウの抗体を使って脳内のタウの量を減らせば治療が可能になるかもしれない」としています。
 アルツハイマー病は、加齢、老化と深い関係があり、65~69歳での発症はわずかですが、70歳以降、年を加えるとともに出現する頻度が高まっていきます。男女比は1:3で、女性に多くみられます。大脳皮質という知能活動の中核が第一義的に侵されることから、すべての認知機能が一様に低下し、その程度も大きくなります。加えて、自分が病気であるという病識が早くからなくなり、多幸性、多弁であることが多くみられます。
 もう一つ重要なことは、人格の崩壊といって、全く人柄が変わってしまうことが多い点です。いつかわからないほど発症はゆっくりで、進み方も徐々であり、かつ絶えず進行性であるのが、特徴といってよいでしょう。 

 2012年2月4日(土)




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