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■目の難病の網膜色素変性症、原因遺伝子特定 国立成育医療研究センターなど [健康ダイジェスト]

 視野や視力が悪化していく難病「網膜色素変性症」の日本人の患者では、7人に1人に相当する高頻度で特定の遺伝子に異常があることを、(東京都世田谷区)と浜松医科大(静岡県浜松市)の研究チームが発見し、7日までに発表しました。近く、米科学誌プロスワン電子版に論文が掲載されます。
 欧米人の患者ではほとんど異常がないことがわかっており、チームの東範行・同研究センター細胞医療研究室長(眼科学)は、「早期発見のための検査や新しい治療法につながる」と話しています。
 研究チームによると、網膜色素変性症は早ければ幼児期に発症。通常はゆっくりと症状が進行し、数十年で失明に至ります。国内では4000~8000人に1人が発症するとされ、遺伝性の疾患といわれていますが、根本的な治療法は見付かっていません。
 研究チームは網膜色素変性症を発症した国内の患者と健康な人の計数百人からDNAの提供を受け、視覚に関係するさまざまな遺伝子の配列を比較。患者の約15パーセントで、視細胞を作る働きのある「EYS」という遺伝子が変異していることが判明し、主要な原因遺伝子とみられるといいます。
 このEYS遺伝子は多くの動物が持ち、網膜の視細胞の構造に関与しています。変異によって正常な細胞ができなくなり、網膜色素変性症になるとみられます。
 欧米の患者では、EYS遺伝子の変異が多いという報告はないといいます。アメリカとイギリスでは2007年から、常染色体劣性遺伝を示す原因遺伝子の一つであるRPE65の変化で起こり、子供のころから発症する重症な網膜色素変性症の遺伝子治療が、少数の患者で試みられています。安全性の確認とその効果について検討されていて、有効性が期待できそうであるという報告がされています。
 日本でも原因遺伝子の候補はほかにも知られていますが、実際に変異がある患者の割合は1パーセントに満たず決め手に欠けていました。
 なお、網膜色素変性症は、厚生労働省の事業の一つである医療費助成制度の適応疾患です。矯正視力が0・6以下で視野の障害がある場合、本人の申請があれば医師が難病患者診断書、網膜色素変性臨床調査個人表を記載します。それを管轄の保健所に提出し、基準を満たすと判断されれば、医療費の助成を受けることができます。

 2012年2月7日(火)




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