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■痛風に新たな要因 腸からの尿酸排出低下も重要 [健康ダイジェスト]

 関節に激しい痛みを引き起こす痛風の発症は、原因物質の尿酸を尿から出す機能だけでなく、腸から排出する機能が低下することも一因との新見解を、東京薬科大学や防衛医科大学校などの研究チームが3日付の英科学誌ネイチャーコミュニケーションズに発表しました。
 痛風は、プリン体と呼ばれる物質の代謝障害で、尿酸が体内で作られすぎたり、体外にうまく排出されなくなったりして、血液中の尿酸の濃度が高くなる「高尿酸血症」が続くと発症します。これまで、排出は腎臓だけが調整していると考えられてきました。
 研究に当たった東京薬科大学の市田公美教授は、「痛風に腸が深く関わるということは、これまで考えられていなかった。腸からの排出も重要だと判明したことで、腸からの排出を促す生活習慣の検討や、原因遺伝子を対象にする新しい治療法の開発につながる可能性がある」と話しています。
 研究チームは、尿酸を排出するポンプの役割をするタンパク質「ABCG2」は腎臓や小腸、大腸で働いており、高尿酸血症の患者644人の約8割で、このタンパク質を作る遺伝子の変異により働きが低下していることを確認しました。
 また、マウスの実験で、ABCG2の機能が低下すると腸管への排出が減る一方、別の仕組みが働き、腎臓から尿中に出る尿酸の量は増えることがわかりました。
 このようなケースはこれまで、尿酸が体内で過剰に作られることで病気になったと考えられていましたが、研究チームによるとABCG2の機能低下と、それに伴う腸での排出減少が主要な原因だった可能性が高いといいます。尿酸は3分の2が腎臓から、3分の1が腸から排出されるとみられるといいます。
 痛風の患者は増加しており、全国で80万人に上ると推定されています。その背景にあるのは、食事内容が欧米化し、動物性タンパク質の摂取量が増えたこと、飲酒量が増加したこと、個人の食生活のパターンが変化したことなどが挙げられています。

 2012年4月4日(水)




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