■フリーズドライ精子で正常なラットの子が誕生 5年保存で京大成功 [健康ダイジェスト]
マウスやラットの精子をフリーズドライ(真空凍結乾燥)し、その精子で子供を作ることに、京都大学医学研究科の金子武人講師(生殖工学)や芹川忠夫教授の研究チームが成功しました。
液体窒素を必要とせずに冷蔵庫で長期保存でき、研究のための遺伝資源を低コストで守ることができるといいます。米科学誌プロスワンなどで、10日までに発表しました。
疾患などの研究のため、さまざまな遺伝のタイプのマウスやラットの精子が保存されていますが、液体窒素で零下196度の低温に保つ必要があり、コストや設備面で課題がありました。
研究チームは、精子をDNA保存液に混ぜた後、インスタント食品の製造で広く使われる真空凍結乾燥技術のフリーズドライの処理を行う手法を開発。フリーズドライした精子を冷蔵庫で4度に保ち、マウスは3年、ラットは5年保存した後に水で戻してから卵子に顕微授精させ、健康な子供ができることを確認しました。授精率はフリーズドライしていない精子とほぼ同じでした。
水を加えた後も精子は運動しませんでしたが、受精する能力は残されていたと考えられています。フリーズドライによってネズミのほかにも、ウサギやブタの精子を保存できたという報告はこれまでもありましたが、長期間保存しても受精する能力があると証明されたのは初めてだということです。
さらに、マウスの精子は、3カ月間は常温(25度)で保存できることも確認、災害や事故による停電にも耐えられるといいます。
金子講師は、「フリーズドライ法を他の動物の精子保存に応用するとともに、常温でも長期保存ができるよう改良したい」と話しています。
2012年4月10日(火)
液体窒素を必要とせずに冷蔵庫で長期保存でき、研究のための遺伝資源を低コストで守ることができるといいます。米科学誌プロスワンなどで、10日までに発表しました。
疾患などの研究のため、さまざまな遺伝のタイプのマウスやラットの精子が保存されていますが、液体窒素で零下196度の低温に保つ必要があり、コストや設備面で課題がありました。
研究チームは、精子をDNA保存液に混ぜた後、インスタント食品の製造で広く使われる真空凍結乾燥技術のフリーズドライの処理を行う手法を開発。フリーズドライした精子を冷蔵庫で4度に保ち、マウスは3年、ラットは5年保存した後に水で戻してから卵子に顕微授精させ、健康な子供ができることを確認しました。授精率はフリーズドライしていない精子とほぼ同じでした。
水を加えた後も精子は運動しませんでしたが、受精する能力は残されていたと考えられています。フリーズドライによってネズミのほかにも、ウサギやブタの精子を保存できたという報告はこれまでもありましたが、長期間保存しても受精する能力があると証明されたのは初めてだということです。
さらに、マウスの精子は、3カ月間は常温(25度)で保存できることも確認、災害や事故による停電にも耐えられるといいます。
金子講師は、「フリーズドライ法を他の動物の精子保存に応用するとともに、常温でも長期保存ができるよう改良したい」と話しています。
2012年4月10日(火)
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