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■先進工業国の医療関連支出、最少は日本で最高は米国 米の民間調査 [健康ダイジェスト]

 米国の医療制度改革を推進する民間団体コモンウェルス・ファンドは、13の先進工業国の医療制度を比較調査し、医療関連支出が最も少ないのは日本、最も多いのは米国とする報告書を発表しました。報告書ではまた、米国ではその高い支出に見合う医療サービスが提供されていないことにも触れています。
 調査は経済協力開発機構(OECD)などによるデータを基に、英国、オーストラリア、オランダ、カナダ、スイス、スウェーデン、デンマーク、ドイツ、日本、ニュージーランド、ノルウェー、フランス、米国の医療サービスを比較しました。
 調査の結果、米国では2009年、1人あたりの医療支出が8000ドル(約64万円)近くに達しました。一方、最も少なかった日本では2008年、1人あたりの医療関連支出は2878ドル(約23万円)でした。国内総生産(GDP)に対する医療関連支出の割合は、2009年の米国では17パーセント以上でしたが、日本では9パーセント未満でした。
 報告書は、日本が出来高払い制を採用しつつも、専門医や病院、さらにはMRI(磁気共鳴画像装置)やCTスキャナー(コンピューター断層撮影装置)の利用も制限されていないことに触れ、医療サービスの利用制限によりコストを抑えるのではなく、政府が割り当てる予算内に医療支出が収まるよう医療費を設定しているとしました。
 日本とは対照的に、米国では高額な治療費と容易に利用できる医療技術、さらには肥満のまん延から医療支出が増えているといいます。
 報告書を執筆したコモンウェルス・ファンドのデービッド・スクワイヤーズ上級研究員は、「米国人は他の国より多くの医療サービスを享受していると思われがちだが、実際のところ米国人は医者や病院にそれほどゆかない」とし、「米国の医療支出が多い理由は、高い医療費と高額な技術の頻繁な利用にある可能性が高い。残念ながら、この高い医療支出に見合うサービスは提供されていない」と話しています。
 なお、日本の2009年度の医療費は、過去最高を更新して35兆3000億円。前年度より1兆2000億円(3・5パーセント)の増加でした。1人あたりの医療費は、2009年度は27万6000円。70歳未満は16万8000円だったのに対し、70歳以上は77万6000円、後期高齢者医療制度の対象になる75歳以上では88万2000円でした。
 厚生労働省による将来の医療費の推計では、2010年度の37兆5000億円が2015年度では42兆3000億円、2020年度では47兆2000億円、2025年度には52兆3000億円に達する見通しです。2025年度までの医療費の伸び率は、年平均2・2パーセントにとどまるとされています。

 2012年5月7日(月)




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