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■生活習慣病のなりやすさ、胎児の時から調査 早大などが今月から [健康ダイジェスト]

 妊婦の栄養状態と、生まれた子の生活習慣病のなりやすさとの関係を検証するため、妊婦200人を対象とする世界的にも珍しい調査を国立国際医療研究センターと早稲田大学総合研究機構が今月から始めます。
 ダイエットなどによるやせた妊婦と低出生体重児の増加が背景にあり、子供が成人するまで調査します。
 糖尿病や高血圧といった生活習慣病は誕生後の生活習慣だけでなく、母親のおなかの中にいる時から1歳のころまでに形成される体質が発症にかかわっているという新学説が注目されています。
 研究チームは、この幼い時の体質が妊婦の栄養状態にどう影響されるかを調べます。国際医療研究センターに通院する妊婦などを対象に、出産までに3回の血液を採取。栄養状態に関係する血中のアミノ酸のほか、胎児の発育に影響を与える葉酸やビタミンなどを測定します。食生活アンケートも行います。
 国際医療研究センター病院の箕浦茂樹医師は、「胎児の時に栄養が不足し、生まれた後に栄養を取りすぎると、生活習慣病になるということが考えられる。基礎的なデータがないので、詳しく調べたい」
と話しています。
 厚生労働省の乳幼児身体発育調査の最新結果(2010年)によりますと、男児の出生時体重は平均2980グラムで10年前より61グラム少なく、女児は平均2910グラムで45グラム少なくなっています。最も体重が多かった1980年より、男女とも250グラム減りました。
 国立保健医療科学院の加藤則子統括研究官によると、これだけ長期間、新生児の体重が減り続けている国は先進国でも珍しいといいます。
 厚労省の研究班が原因を分析すると、妊婦がやせていたり、妊娠中の体重増加を抑えたりすると、赤ちゃんの体重も少なくなっていました。
 背景には、若い女性のスリム志向が高まったほか、30年以上前から続く「小さく産んで大きく育てる」という妊婦教育もあるようです。国の調査では、「やせすぎ」と分類された20歳代女性が2010年は3割を占め、30年前より倍増しました。
 さらに、医療の進歩で早産の低体重児の死亡率が下がったこと、妊婦の喫煙、初産や多胎の割合が増えたこと、出産週数がわずかに早まっていることが影響していました。
 日本産科婦人科学会理事の海野信也北里大教授は、「妊婦の高年齢化も新生児の低体重の大きな要因。小さい赤ちゃんを大きく育てようとたくさん食べさせることで、糖尿病などのリスクをさらに高める可能性もある。妊娠中に極端に太るのはよくないが、体重増加に神経質にならないで」と呼び掛けています。

 2012年5月11日(金)




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