■用語 バックハンドテニス肘 [用語(は行)]
テニスのバックハンドストロークの繰り返しなどで、利き腕の肘の外側に起こる障害
バックハンドテニス肘(ひじ)とは、テニスのストロークの繰り返し動作などで慢性的に衝撃がかかることによって、利き腕の肘の外側に炎症や痛みが起こる関節障害。医学的には上腕骨外側上顆(じょうわんこつがいそくじょうか)炎と呼ばれ、俗にはテニス肘とも呼ばれます。
上腕骨は肩から肘にかけての大きな骨で、その肘の部位には親指側と小指側に2つの突起部があり、手のひらを天井に向けた時に肘の親指側の突起部が外側上顆、肘の小指側の突起部が内側上顆です。外側上顆には手の甲を顔に向ける回外筋群や、指や手首を伸ばす伸筋群が付いており、内側上顆には手のひらを顔の方へ向ける回内筋群や、指や手首を手のひら側に曲げる屈筋群が付いています。
バックハンドテニス肘は、中年以降のテニス愛好家に生じやすく、利き腕の反対側に飛んできたボールをワンバウンドで打つバックハンドストロークで、肘の親指側の突起部である上腕骨外側上顆に炎症や痛みが発生します。ボールがラケットに当たる時の衝撃が、上腕骨外側上顆への回外筋群や伸筋群の付着部に繰り返し加わることによって、微小断裂や損傷を来して起こると考えられています。
バックハンドテニス肘の発生頻度については、若年層で少なく、30歳代後半から50歳代に多いことがわかっています。
また、テニスに限らずゴルフなど他のスポーツや、長時間のパソコン操作などによる手の使いすぎが原因となって、誰にでも発症する可能性がある関節障害でもあります。
症状としては、バックハンドストロークのたびに肘の外側に、疼痛(とうつう)が現れます。テニス以外の日常生活でも、物をつかんで持ち上げる、タオルを絞る、ドアのノブを回すなどの手首を使う動作のたびに、肘の外側から前腕にかけて疼痛が出現します。多くの場合、安静時の痛みはありません。
この関節障害は、一定の動作を繰り返し行うことで症状を発症するオーバーユース症候群として知られています。しかし、テニスを始めたばかりの初心者であっても、症状を発症する可能性がないわけではありません。むしろ初心者の場合は、筋を痛めたような感覚、もしくは筋肉痛などと思い込み、痛みを抱えたままプレーを続けることで、症状を悪化させてしまうことに注意が必要となります。
男性と比べると筋力の弱い女性や、まだ体が完成していない子供にも、バックハンドテニス肘は多く発症する傾向にあります。これは、ゲーム中に強いサーブやボレーを打ちたいという思いから力みが生じて、フォームのバランスを崩し、関節に無理のあるフォームでのラリーが続くことが原因の一つになっています。
そして、スポーツ競技としては比較的長時間のゲームとなるテニス競技では、片手で軽く持てるラケットの重さも徐々にフォームの悪化を招く要因となります。
バックハンドテニス肘の検査と診断と治療
整形外科の医師による診断では、肘の外側の上腕骨外側上顆を押すと圧痛が認められ、手首を甲側に曲げる動きで肘の外側に運動痛を生じます。
また、抵抗を加えた状態で手首を甲側に曲げてもらうトムセンテスト、肘を伸ばした状態で椅子を持ち上げてもらうチェアーテストなどの疼痛を誘発する検査を行い、肘外側から前腕にかけての痛みが誘発されたら、バックハンドテニス肘と確定診断します。
整形外科の医師による治療法は、大きく分けて4つあります。1つは、肘の近くの腕をバンド状のサポーター(テニスバンド)で押さえること。2つ目は、肘を伸ばし手首を曲げて筋肉を伸ばすストレッチング、痛い所を冷やして行う冷マッサージ、超音波を当てるなどのリハビリテーションを行うこと。3つ目は、痛みや炎症を抑える飲み薬や湿布薬を使用する薬物治療を行うこと。4つ目は、炎症を抑えるステロイド剤の痛い部分への注射を行うこと。
同時に日常生活では、強く手を握る動作や、タオルを絞る、かばんを持ち上げるなどの動作をなるべく避けるようにします。物を持つ時には、肘を曲げて手のひらを上にして行うことを心掛けます。
このような治療で、大部分の人が6カ月ほどで治ると考えられます。しかし、痛みがよくならない難治性のバックハンドテニス肘では、手術を行う場合もあります。
手術方法としては、伸筋腱(けん)起始部解離術、伸筋筋膜切開術、輪状靭帯(じんたい)や関節包の部分切除術、関節内の滑膜切除術などがありますが、成績にはっきりした差は認められていません。
バックハンドテニス肘は再発性が極端に高い障害で、一度発症すると数年後、もしくは数カ月後に再発してしまうことも多くみられます。再発予防も含めた予防法としては、ラケットのガットを緩めにするなどのラケットの選択や、フォームの改良、テニスで使用する部位の筋肉強化や手首の筋力強化、前腕のストレッチング、サポーターの活用、テニス後の肘のアイシングなどが挙げられます。
バックハンドテニス肘(ひじ)とは、テニスのストロークの繰り返し動作などで慢性的に衝撃がかかることによって、利き腕の肘の外側に炎症や痛みが起こる関節障害。医学的には上腕骨外側上顆(じょうわんこつがいそくじょうか)炎と呼ばれ、俗にはテニス肘とも呼ばれます。
上腕骨は肩から肘にかけての大きな骨で、その肘の部位には親指側と小指側に2つの突起部があり、手のひらを天井に向けた時に肘の親指側の突起部が外側上顆、肘の小指側の突起部が内側上顆です。外側上顆には手の甲を顔に向ける回外筋群や、指や手首を伸ばす伸筋群が付いており、内側上顆には手のひらを顔の方へ向ける回内筋群や、指や手首を手のひら側に曲げる屈筋群が付いています。
バックハンドテニス肘は、中年以降のテニス愛好家に生じやすく、利き腕の反対側に飛んできたボールをワンバウンドで打つバックハンドストロークで、肘の親指側の突起部である上腕骨外側上顆に炎症や痛みが発生します。ボールがラケットに当たる時の衝撃が、上腕骨外側上顆への回外筋群や伸筋群の付着部に繰り返し加わることによって、微小断裂や損傷を来して起こると考えられています。
バックハンドテニス肘の発生頻度については、若年層で少なく、30歳代後半から50歳代に多いことがわかっています。
また、テニスに限らずゴルフなど他のスポーツや、長時間のパソコン操作などによる手の使いすぎが原因となって、誰にでも発症する可能性がある関節障害でもあります。
症状としては、バックハンドストロークのたびに肘の外側に、疼痛(とうつう)が現れます。テニス以外の日常生活でも、物をつかんで持ち上げる、タオルを絞る、ドアのノブを回すなどの手首を使う動作のたびに、肘の外側から前腕にかけて疼痛が出現します。多くの場合、安静時の痛みはありません。
この関節障害は、一定の動作を繰り返し行うことで症状を発症するオーバーユース症候群として知られています。しかし、テニスを始めたばかりの初心者であっても、症状を発症する可能性がないわけではありません。むしろ初心者の場合は、筋を痛めたような感覚、もしくは筋肉痛などと思い込み、痛みを抱えたままプレーを続けることで、症状を悪化させてしまうことに注意が必要となります。
男性と比べると筋力の弱い女性や、まだ体が完成していない子供にも、バックハンドテニス肘は多く発症する傾向にあります。これは、ゲーム中に強いサーブやボレーを打ちたいという思いから力みが生じて、フォームのバランスを崩し、関節に無理のあるフォームでのラリーが続くことが原因の一つになっています。
そして、スポーツ競技としては比較的長時間のゲームとなるテニス競技では、片手で軽く持てるラケットの重さも徐々にフォームの悪化を招く要因となります。
バックハンドテニス肘の検査と診断と治療
整形外科の医師による診断では、肘の外側の上腕骨外側上顆を押すと圧痛が認められ、手首を甲側に曲げる動きで肘の外側に運動痛を生じます。
また、抵抗を加えた状態で手首を甲側に曲げてもらうトムセンテスト、肘を伸ばした状態で椅子を持ち上げてもらうチェアーテストなどの疼痛を誘発する検査を行い、肘外側から前腕にかけての痛みが誘発されたら、バックハンドテニス肘と確定診断します。
整形外科の医師による治療法は、大きく分けて4つあります。1つは、肘の近くの腕をバンド状のサポーター(テニスバンド)で押さえること。2つ目は、肘を伸ばし手首を曲げて筋肉を伸ばすストレッチング、痛い所を冷やして行う冷マッサージ、超音波を当てるなどのリハビリテーションを行うこと。3つ目は、痛みや炎症を抑える飲み薬や湿布薬を使用する薬物治療を行うこと。4つ目は、炎症を抑えるステロイド剤の痛い部分への注射を行うこと。
同時に日常生活では、強く手を握る動作や、タオルを絞る、かばんを持ち上げるなどの動作をなるべく避けるようにします。物を持つ時には、肘を曲げて手のひらを上にして行うことを心掛けます。
このような治療で、大部分の人が6カ月ほどで治ると考えられます。しかし、痛みがよくならない難治性のバックハンドテニス肘では、手術を行う場合もあります。
手術方法としては、伸筋腱(けん)起始部解離術、伸筋筋膜切開術、輪状靭帯(じんたい)や関節包の部分切除術、関節内の滑膜切除術などがありますが、成績にはっきりした差は認められていません。
バックハンドテニス肘は再発性が極端に高い障害で、一度発症すると数年後、もしくは数カ月後に再発してしまうことも多くみられます。再発予防も含めた予防法としては、ラケットのガットを緩めにするなどのラケットの選択や、フォームの改良、テニスで使用する部位の筋肉強化や手首の筋力強化、前腕のストレッチング、サポーターの活用、テニス後の肘のアイシングなどが挙げられます。
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