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■血栓症、凝固タンパク質異常も原因 名古屋大学グループ [健康ダイジェスト]

 血液が血管の中で固まりやすくなり、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす「血栓症」は、血液凝固に関与するタンパク質の異常が原因の一つになっていることが、名古屋大学のグループの研究でわかり、新たな治療法の開発につながると注目されています。
 研究を行ったのは、名古屋大学大学院医学系研究科の小嶋哲人教授のグループ。研究では、家族に血栓症が多い患者に協力してもらい、白血球を調べたところ、「プロトロンビン」と呼ばれ、血液を凝固させるタンパク質の遺伝子が一部、変異していることが判明しました。
 このプロトロンビンの遺伝子を細胞に組み込んで培養すると、正常な遺伝子の場合と比べて血液の流れをよくする働きが弱まり、血液を固まりやすくする物質が大量に作られていました。
 けがなどで出血すると、プロトロンビンがトロンビンと呼ばれる酵素に変化し、トロンビンの作用により血管内で血が固まります。その一方、トロンビンはアンチトロンビンと呼ばれる血液の凝固を抑制するタンパク質と結合して凝固を止め、血液が固まりすぎないようにします。
 しかし、研究グループが今回発見した遺伝子に異常を持つ変異型のプロトロンビンは、トロンビンに変化してもアンチトロンビンとほとんど結合せず、血液が凝固し続けて血栓症につながることが判明しました。
 このプロトロンビンの変異は患者の家族に共通してみられたということで、研究グループでは、血栓症は生活習慣などのほかに、タンパク質の異常によっても引き起こされ、遺伝することが裏付けられたとしています。
 小嶋教授は、「血栓症は、心臓や脳の病気など日本人の死因のおよそ4分の1に関係しているといわれている。原因を一つ解明したことで、将来、血栓ができるのを防ぐ方法が見付けられるのではないか」と話しています。
 21日付の米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに、研究成果は発表されました。

 2012年6月21日(木)




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