SSブログ

■不妊の原因、卵子の老化が約半数 NHKが全国調査 [健康ダイジェスト]

 多くの夫婦が不妊に悩む原因や背景を探るため、NHKが全国の専門医療機関に調査を行ったところ、女性が年を重ねるとともに妊娠しづらくなる「卵子の老化」に原因がある患者の割合が半数近くに上ることが、初めて明らかになりました。
 専門家は、「卵子の老化が知られていないことが、不妊に悩む夫婦の増加に拍車をかけている」と指摘しています。
 日本は不妊治療専門のクリニックが世界一多く、不妊の検査や治療を受けた夫婦は6組に1組に上り、より高度な不妊治療である体外受精の件数は年間で21万件と、5年で倍増して世界最多になりました。
 その原因や背景を探るため、調査は先月から今月にかけて行われ、全国の専門医療機関の半数に当たるおよそ300と、不妊治療をしている患者など8000人余りから回答を得ました。
 このうち、医療機関に対して不妊の原因について聞いたところ、女性では30歳代半ばを過ぎると卵子の質が低下して妊娠しづらくなる「卵子の老化」に原因がある患者の割合は、平均で47パーセントと半数近くに上ることがわかりました。
 実は、女性にはあらかじめ一生分の卵子が備わっており、その卵子は年齢を重ね年月が経つごとに鮮度が落ち、質が低下していきます。そして、卵子が古くなればなるほど、妊娠する力も低下していくため、35歳の女性が出産できる可能性は20歳代の半分になります。
 また、医療機関に対して初診患者の平均年齢を聞いたところ、35歳以上と答えた割合が、77パーセントに上りました。10年前は20パーセントにとどまっていたことから、卵子の老化によって妊娠が難しくなってから治療に駆け込む人が相次いでいる実態が、初めて明らかになりました。
 一方、35歳以上の女性患者の中で、不妊治療を始めるまで「卵子の老化」について「知らなかった」と答えた人が55パーセントで、半数を超えました。こうした患者の53パーセントが、体外受精をすれば45歳まで妊娠は可能と考え、中には50歳まで可能と考えていた患者も17パーセントいました。
 日本産科婦人科学会によりますと、体外受精など高度な不妊治療で出産できる確率は、卵子の老化の影響で45歳では0・5パーセントに低下します。
 不妊の問題に詳しい、東京の国立成育医療研究センターの齊藤英和医師は、「卵子が老化することが知られていないことで、高齢になっても治療を受ければ十分に妊娠は可能という誤解を生み、不妊に悩む夫婦の増加に拍車をかけている。卵子の老化について、きちんと知らせる仕組みを作る必要がある」と指摘しています。
 「卵子の老化」による不妊をさらに深刻化させる一因は、男性側にもあります。 実は、不妊の原因の半分は男性側にありますが、夫が不妊の検査に行きたがらず、ようやく治療が始まった時には、妻の卵子が老化しているというケースが後を絶ちません。
 専門家は、「早くに気付いて治療すれば、自然妊娠が見込めるケースも多い」と指摘しています。

 2012年6月24日(日)




nice!(7)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

nice! 7

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0