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■ヒトゲノムの8割に機能あり、国際チームが解明 [健康ダイジェスト]

 日本やアメリカなどの国際研究プロジェクトは6日、ヒトのゲノムと呼ばれる遺伝情報のうち、少なくとも80パーセントが何らかの機能を持つことがわかったと発表しました。
 エンコード計画と名付けられたこの国際プロジェクトは、ヒトの染色体にあるゲノムのうち、どの部分がどのような働きをしているか明らかにしようというもので、日本の理化学研究所(理研)やアメリカの国立衛生研究所のほか、イギリス、スペイン、スイス、シンガポールの6カ国32施設が参加しています。
 国際プロジェクトは、147種類の細胞のゲノムを解析し、遺伝子とタンパク質とが相互作用する遺伝子調節領域400万カ所を特定。その結果、タンパク質を作り出す遺伝子のスイッチを必要な時に必要な場所で入れるなど、少なくともゲノム全体の80・4パーセントに何らかの役割があることを解明したとしています。
 ヒトゲノムは、9年前にすべて解読されましたが、体を作るタンパク質の設計図である遺伝子として働くのは2パーセント程度で、残りの部分がどのような役割を果たしているのかわかっていませんでした。
 生命の維持に必要なタンパク質が正しく作られないと、がんや認知症といったさまざまな病気が引き起こされると考えられることから、理化学研究所では、今回明らかになった機能をさらに詳しく調べることで、新たな治療法や薬の開発につながる可能性があるとしています。
 今回の成果について、理化学研究所の前のゲノム医科学研究センター長の鎌谷直之博士は、「これまでヒトの遺伝情報の配列が細胞の中でどのような役割を果たしているのか、ほとんどわかっていなかった。今回は、遺伝情報の80パーセントが、何らかの役割を果たしていることが示されており、研究のベースとなる遺伝情報の百科事典ができたといえる。配列の違いによって何がもたらされるのか詳しく分析することで、病気の原因の解明や薬の開発などに役立つと期待される」と話しています。

 2012年9月6日(木)




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