■用語 肺カルチノイド [用語(は行)]
カルチノイドという、がんに似た性質を持つ悪性腫瘍が肺に発生した疾患
肺カルチノイドとは、カルチノイドという、がんに似た性質を持つ悪性腫瘍(しゅよう)が肺に発生した疾患。
カルチノイドは、がんの意味であるカルチと、類を意味するノイドが組み合わさった英語で、日本語で「がんもどき」とも呼ばれます。
がんと同様、カルチノイドはいろいろな臓器に発生します。小腸、直腸、虫垂、十二指腸、胃などの消化管のホルモン産生細胞に発生し、膵臓(すいぞう)、精巣、卵巣、肺、気管支、胸腺(きょうせん)のホルモン産生細胞でも発生します。
このカルチノイドは、一般的には悪性度が低いと考えられています。実際、症状の進行もゆっくりで長期生存が期待できるものも多く、これらは定型カルチノイドと呼ばれています。一方、比較的早く症状が進行し治療が困難なものがあり、これらは非定型カルチノイドと呼ばれています。
定型カルチノイドは非がん性、非定型カルチノイドはがん性と見なされます。頻度的には、定型カルチノイドのほうが多くみられます。
肺カルチノイドの場合は、肺の中枢の主気管支に発生するものと、末梢(まっしょう)の肺に発生するものがあります。その頻度は、6割は主気管支に発生し、4割弱は末梢に発生します。しかし、肺カルチノイドは比較的まれな疾患で、肺の悪性腫瘍の約1パーセントを占めるにすぎません。
肺カルチノイドの発症年齢は、40歳代から60歳代とされています。
主気管支に発生した肺カルチノイドの初期症状は、肺がんと同様です。咳(せき)や血痰(けったん)などが見られますし、カルチノイドの増大に伴い、気道の狭窄(きょうさく)によるヒューヒュー、ゼーゼーという喘鳴(ぜんめい)などが認められます。
一方、末梢の肺に発生した肺カルチノイドは、ほとんど症状が現れず、健康診断やほかの病気で撮影した胸部レントゲンやCT検査などで、偶然発見されるケースが多いのが現状です。
なお、肺カルチノイドは肺がんと比べて、転移が少ない腫瘍とされていますが、非定型のタイプはリンパ節、肝臓などに転移します。
咳や喘鳴はほかの呼吸器疾患でも見られるものですが、血痰は腫瘍からの出血に伴う比較的特異的なものです。もし、血痰が見られる場合には、ほかの疾患の可能性もありますので一度、呼吸器科や内科を受診されることが勧められます。
ただし、主気管支に発生した肺カルチノイドは喘鳴を起こすため、気管支喘息と間違う診断で治療が遅れてしまう可能性があるので注意が必要です。
肺カルチノイドの検査と診断と治療
呼吸器科、内科の医師による治療では、肺がんと同様、手術、化学療法、放射線治療、抗がん剤治療を組み合わせて行います。
悪性腫瘍ですので手術がメインとなるものの、低悪性度ということも考慮し、転移が見られない症例では、肺の一部を解剖学的領域単位で切除する区域切除など縮小手術が行われるようになってきています。
転移や浸潤が激しく手術が困難な場合には、化学療法や放射線療法がメインとなるものの、特に非定型カルチノイドについては、1年ほどの間に急速に症状が変化することもあり、治療の成績はまだまだ満足いくものではありません。肺カルチノイドの症例数が多くないこともあり、治療法にはさらなる研究の余地が残されている状態です。
肺カルチノイドとは、カルチノイドという、がんに似た性質を持つ悪性腫瘍(しゅよう)が肺に発生した疾患。
カルチノイドは、がんの意味であるカルチと、類を意味するノイドが組み合わさった英語で、日本語で「がんもどき」とも呼ばれます。
がんと同様、カルチノイドはいろいろな臓器に発生します。小腸、直腸、虫垂、十二指腸、胃などの消化管のホルモン産生細胞に発生し、膵臓(すいぞう)、精巣、卵巣、肺、気管支、胸腺(きょうせん)のホルモン産生細胞でも発生します。
このカルチノイドは、一般的には悪性度が低いと考えられています。実際、症状の進行もゆっくりで長期生存が期待できるものも多く、これらは定型カルチノイドと呼ばれています。一方、比較的早く症状が進行し治療が困難なものがあり、これらは非定型カルチノイドと呼ばれています。
定型カルチノイドは非がん性、非定型カルチノイドはがん性と見なされます。頻度的には、定型カルチノイドのほうが多くみられます。
肺カルチノイドの場合は、肺の中枢の主気管支に発生するものと、末梢(まっしょう)の肺に発生するものがあります。その頻度は、6割は主気管支に発生し、4割弱は末梢に発生します。しかし、肺カルチノイドは比較的まれな疾患で、肺の悪性腫瘍の約1パーセントを占めるにすぎません。
肺カルチノイドの発症年齢は、40歳代から60歳代とされています。
主気管支に発生した肺カルチノイドの初期症状は、肺がんと同様です。咳(せき)や血痰(けったん)などが見られますし、カルチノイドの増大に伴い、気道の狭窄(きょうさく)によるヒューヒュー、ゼーゼーという喘鳴(ぜんめい)などが認められます。
一方、末梢の肺に発生した肺カルチノイドは、ほとんど症状が現れず、健康診断やほかの病気で撮影した胸部レントゲンやCT検査などで、偶然発見されるケースが多いのが現状です。
なお、肺カルチノイドは肺がんと比べて、転移が少ない腫瘍とされていますが、非定型のタイプはリンパ節、肝臓などに転移します。
咳や喘鳴はほかの呼吸器疾患でも見られるものですが、血痰は腫瘍からの出血に伴う比較的特異的なものです。もし、血痰が見られる場合には、ほかの疾患の可能性もありますので一度、呼吸器科や内科を受診されることが勧められます。
ただし、主気管支に発生した肺カルチノイドは喘鳴を起こすため、気管支喘息と間違う診断で治療が遅れてしまう可能性があるので注意が必要です。
肺カルチノイドの検査と診断と治療
呼吸器科、内科の医師による治療では、肺がんと同様、手術、化学療法、放射線治療、抗がん剤治療を組み合わせて行います。
悪性腫瘍ですので手術がメインとなるものの、低悪性度ということも考慮し、転移が見られない症例では、肺の一部を解剖学的領域単位で切除する区域切除など縮小手術が行われるようになってきています。
転移や浸潤が激しく手術が困難な場合には、化学療法や放射線療法がメインとなるものの、特に非定型カルチノイドについては、1年ほどの間に急速に症状が変化することもあり、治療の成績はまだまだ満足いくものではありません。肺カルチノイドの症例数が多くないこともあり、治療法にはさらなる研究の余地が残されている状態です。
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