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■マダニが媒介する感染症、患者は50歳代以上 厚労省などが症例まとめ [健康ダイジェスト]

 野外のマダニが媒介するウイルス性感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」について、厚生労働省と国立感染症研究所は14日、これまでに国内で確認された患者8人の症例のまとめを発表しました。
 それによると、発症前のマダニ咬傷が確認されたのは8人中2人で、厚労省などでは「SFTSがダニ媒介性感染症であることを示している一方で、ダニ刺口痕がないことをもってSFTSを鑑別診断から除外することはできないことも示している」としています。
 性別では、男性が6人、女性が2人。年齢別では、全員が50歳以上で、50歳代が2人、60歳代が1人、70歳代が2人、80歳代が3人でした。
 患者が確認された都道府県はすべて西日本で、長崎県が2人、広島県、山口県、愛媛県、高知県、佐賀県、宮崎県が各1人。
 山口県の女性1人と、広島県、愛媛県、長崎県、宮崎県の各男性1人の計5人が死亡し、長崎県の男性1人、佐賀県の男性1人、高知県の女性1人の計3人が回復しています。
 8人は2005年から2012年に発症、発症時期はマダニの活動が活発になる4月中旬から11月下旬の春から晩秋にかけてでした。ただ、11月末に発症している患者もいることから、「12月の患者発生もあり得る」との考えを示しています。
 厚労省では、SFTSの症例定義として、▽38度以上の発熱▽消化器症状▽血小板減少▽白血球減少―など7項目を示し、そのすべてを満たす患者について情報提供を求めていますが、8人の患者全員がこれに合致しているといいます。
 SFTSは中国で2009年に集団発生したことがあり、中国の感染者の年齢は40歳代以上が多いとする論文があるといいます。8人はいずれもウイルスの遺伝子型が中国で見付かったものと異なるため、日本国内で感染したとみられています。 
 年齢や地域の傾向について、厚労省結核感染症課は「8人分の情報だけでは少なすぎて、若い人がかかりにくいなど確たることは何もいえない」と説明。分析するためには、引き続き症例報告を重ねる必要があるとしました。
 SFTSウイルスに感染すると、発熱やせき、おう吐や下痢など風邪のような症状が現れ、重症の場合は、血液中の血小板が減少して出血が止まらなくなったり、腎臓の機能が低下したりして死亡することもあります。
 感染してから発症するまでの潜伏期は6日から2週間とされ、血液などを介して人から人に感染することもあるとみられています。今のところ有効なワクチンや薬はなく、対症療法が中心になります。
 感染予防のポイントは、レジャーや作業などで、草むらややぶなどマダニが多く生息する場所に入る時は、肌をできるだけ出さないように、長袖、長ズボン、手袋、足を完全に覆う靴などを着用することです。また、肌が出る部分には、人用の防虫スプレーを噴霧し、地面に直接寝転んだり、腰を下ろしたりしないように、敷物を敷きます。
 帰宅後は衣類を家の外で脱ぎ、すぐに入浴し体をよく洗って、新しい服に着替えます。
 マダニにかまれた時は、つぶしたり無理に引き抜こうとせず、できるだけ病院で処理してもらうことです。マダニにかまれることでかかる感染症には、SFTSのほかにも、日本紅斑熱やつつが虫病などがありますので、山野などに出掛けた後、発熱などの症状が出た場合は、速やかに医療機関を受診することが必要です。

 2013年3月16日(土)




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