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■がんリスク、遺伝子配列で予測 乳房・卵巣・前立腺がんの検診導入に道 [健康ダイジェスト]

 イギリスのケンブリッジ大学や名古屋市にある愛知県がんセンターなどの国際共同研究チームは、ヒトの設計図に当たる全遺伝情報(ゲノム)から、乳房がん、卵巣がん、前立腺がんになるリスクを予測できる遺伝子配列のわずかな違いを特定しました。健康な人ががんになるリスクを事前に診断する上で、新たな指標になると期待されています。
 27日付米科学誌ネイチャージェネティクス(電子版)などに発表された論文によると、欧州を中心とする34カ国のの100以上の研究機関による共同研究チームは、がん患者と健康な人10万人ずつのゲノムを調べ、乳がんでは41カ所、卵巣がんでは8カ所、前立腺がんでは26カ所、がんになるリスクを高める配列の違いが起きる場所があることを確かめました。
 がんのリスクを高める配列の違いはこれまでにも見付かっていますが、今回の研究でその数は2倍に増えたということです。また、これまでに見付かっている配列の違いはがんが多い特定の家系に特有のものなどが多くなっていましたが、今回見付かった配列の違いは生まれ付きのわりあいに有り触れたもので、1カ所だけ見ると高まるリスクは数パーセント程度。しかし、複数が組み合わさると、リスクは最高で4・7倍まで増加していました。
 欧米人の結果をまとめた研究ながら、アジア人でも乳がんの場合、そのうちの半分ほどは同様の配列の違いが確認されているといいます。
 これらの遺伝子配列の違いは血液検査で調べられ、費用は大幅に下がっています。将来、健康診断の一部に導入すれば、がんリスクの高い人を見付けて、がん検診の受診や生活習慣の改善を勧めたりできます。
 日本から研究に参加した愛知県がんセンターの松尾恵太郎・分子疫学部長は、「さらに研究を進めて、配列の違いが起きる場所をより多く見付けていけば、自分の遺伝情報が持つリスクを知って予防に生かすことができるようになる」と話しています。

 2013年3月28日(木)




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