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■統合失調症、思春期までの環境が影響 東北大学がマウスで証明 [健康ダイジェスト]

 脳の発達が思春期までに損なわれると、それ以後と比べて、統合失調症を発症しやすくなるとする研究成果を東北大学のグループがまとめ、12日、アメリカの神経科学の学会誌に発表されました。
 東北大学大学院医学系研究科の大隅典子教授らの研究グループは、脳の発達を損なう薬をマウスに投与して、音に対する反応を調べました。
 小さな音を聞かせた後に大きな音を聞かせる実験では、人間の15歳以上に当たる生後6週間を過ぎたマウスは、いきなり大きな音を聞かせた場合よりも音への驚きが軽減されました。一方、生後6週間までのマウスは驚きが軽減されず、統合失調症に特有の音に対する敏感な反応を示したということです。
 統合失調症は遺伝的な要因や心理的なストレスなどが原因で発症すると考えられていますが、研究グループは、この実験から、脳の発達が思春期までに損なわれると発症しやすくなることがわかったとしています。
 さらに、統合失調症の症状を示す生後6週間以内のマウスをかごに入れた上で、回転車や遊具、トンネルなどの配置をこまめに変えて遊べる環境を作ると、症状が緩和されることもわかったということです。一方、生後6週間を過ぎてから環境をよくしたマウスでは、症状はほとんど改善されませんでした。
 大隅教授は、「強いストレスを受けるなどして統合失調症を発症する恐れのある子供には、思春期までに対処して発症を予防することが重要だ」と話しています。
 統合失調症は世界中でみられ、精神の健康上の重大な問題となっています。10歳代後半から20歳代前半の青年期になって発症することが多く、幻想や妄想、思考の障害、自発性の低下など生涯続く症状に至る可能性があります。
 世界各国で行われたさまざまな調査により、統合失調症の出現頻度は地域や文化による差があまりなく、およそ100人に1人はかかった経験を有していることが判明しています。発症率に、男女の差はありません。
 治療薬の抗精神病薬に抵抗する症状のために容易に慢性化し、十分な社会復帰を果たせない患者が多く、日本では20万人以上が入院生活を余儀なくされている重大な疾患です。

 2013年4月12日(金)




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