SSブログ

■赤身の牛豚肉の摂取過多で糖尿病リスク増 男性のみ、6万人追跡調査 [健康ダイジェスト]

 国立がん研究センターと国立国際医療研究センターの研究チームは21日、牛肉や豚肉など赤身の肉を多く食べる男性は、あまり食べない男性と比べて、糖尿病になるリスクが高くなるとの研究結果を発表しました。
 研究チームは、1990年代後半に全国の11保健所管内に住んでいた45~75歳の男女約6万4000人を対象に、約5年間追跡調査を実施し、約1200人が糖尿病と診断されました。この調査結果に基づき、肉類の摂取と糖尿病の発症との関連について分析した研究を、英国の栄養学専門誌「British Journal of Nutrition」のウェブサイトに先行発表しました。
 研究では、1日当たりの肉類の摂取量に応じて4つのグループに分類し、糖尿病の発症との関連を分析。なお、分析の際は、肥満や喫煙、飲酒といった肉類摂取以外の糖尿病の発症に関係する影響をできる限り取り除いたとしています。
 その結果、男性では肉類全体の摂取量が1日当たり約100グラム以上、中央値で108グラムと多いグループで、糖尿病の発症リスクが高くなったことが判明。摂取量が1日当たり中央値で23グラムと最も少ないグループに比べると、最も多いグループで糖尿病リスクが1・36倍高くなっていました。
 さらに、肉の種類別に分析したところ、男性で牛肉や豚肉など赤身肉の摂取量が1日当たり中央値で83グラムと多いグループは、1日当たり中央値で15グラムと摂取量が少ないグループより、糖尿病リスクが1・42倍に上昇していました。83グラム程度の赤身肉の摂取量は、小ぶりのハンバーグであれば1個、薄切りの焼き肉であれば4枚に相当するということです。
 一方、ハム・ソーセージなどの加工肉や鳥肉については、糖尿病リスクとの関連はみられませんでした。
 赤身肉を多く摂取する男性の糖尿病リスクが高くなる理由としては、肉に含まれるヘム鉄や飽和脂肪酸、焦げた部分に含まれる糖化最終産物(AGEs)やヘテロサイクリックアミンが、血糖値を抑制する働きをするインシュリン感受性やインシュリン分泌に悪影響を与える可能性があるといいます。
 ハム・ソーセージなどの加工肉の摂取については、最近のメタ解析という多くの研究を統合した解析の結果において、糖尿病リスクの上昇が報告されていましたが、今回はそのような関連は確認されませんでした。これは、日本人の加工肉の摂取量が欧米に比べて少ないためと推測されます。
 なお、女性の場合は、いずれの分析結果においても肉類の摂取と糖尿病の発症との関連は確認されなかったといいます。
 研究をまとめた国立国際医療研究センターの黒谷佳代上級研究員は、「牛肉や豚肉を多く食べる男性は、糖尿病のリスクが高まると考えられる。鳥肉や魚も食べるなど、バランスのよい食事を心掛けてほしい」と話しています。

 2013年5月22日(水)




nice!(12)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

nice! 12

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0