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■外科医の当直明け手術、2割が「質低下」 背景に急速な医師不足 [健康ダイジェスト]

 外科医の4人に3人が病院に泊まり込む当直明けの日に手術に参加し、このうちのおよそ2割の医師が手術の質の低下を感じていることが、日本外科学会の調査でわかりました。
 日本外科学会は、会員の勤務の実態を調べるため、昨年10月から12月にかけて全国の外科医8300人余りにアンケート調査を行いました。
 その調査結果によりますと、過去1、2年間に病院に泊まり込む当直明けの日に手術に参加したことがあるか質問したところ、「いつもある」が36パーセント、「しばしばある」が25パーセント、「まれにある」が13パーセントで合わせて74パーセントが「ある」と回答しました。
 また、手術への影響について質問したところ、「出血が増えたり、時間が長くなったりするなど、手術の質が低下することが多い」と回答した外科医が19パーセントに上りました。
 さらに、「疲労から医療事故を起こしたり、一歩間違うと医療事故につながる恐れを感じたりした経験がある」と回答した外科医が4パーセントいました。
 改善策としては70パーセント以上の外科医が「当直明けは休みにするルールをつくるべきだ」と回答しました。
 調査を行った日本外科学会の理事で九州大学病院の富永隆治教授は、「当直明けの手術をやめると外科医不足のため手術ができなくなるのが実態だ。外科は負担の重さやリスクの高さから新たななり手が減る悪循環に陥っていて、労働環境を改善するなどの対策を考える必要がある」と話しています。
 厚生労働省によりますと、国内で外科に従事する医師の数は、2006年には2万6470人で、この10年前より2400人減りました。
 特に当直勤務や手術の中核を担う50歳未満の世代が2000人以上減り、急速な医師不足に直面しています。勤務時間の負担の重さや医療安全のリスクの高さから新たに外科医になる人が減り、それがさらに勤務の負担を増加させる悪循環に陥っているということです。
 これに対して、手術の件数は高齢化に伴って増え続けていて、全身麻酔を伴う手術の件数は、2011年度には1カ月平均で20万4000件余りで、この15年前の1・6倍になっています。
 厚生労働省は手術に対する診療報酬を増やすなどして、外科の医師数の増加を促していますが、勤務環境を十分改善させるには至っていません。

 2013年5月26日(日)




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