SSブログ

■飲酒欲求を抑える薬を発売 国内初、アルコール依存治療に [健康ダイジェスト]

 日本新薬(京都市)は28日、国内初のアルコール依存症患者向け断酒補助剤「レグテクト錠333mg」(一般名・アカンプロサートカルシウム)の発売を開始したと発表しました。
 飲酒に対する欲求を抑える働きがあり、医師の診断を受けた患者がカウンセリングなどの精神療法や、自助グループへの参加など心理社会的治療と併用することで、断酒の継続を促すといいます。
 同社によると、新薬はアルコール依存症患者の中枢神経系に作用し、アルコール依存により高進したグルタミン酸作動性神経活動を抑制することで、酒を飲みたい欲求を抑えます。
 同種の薬は欧州で1980年代から販売され、現在は欧米など海外24カ国で販売されていますが、日本国内では未承認であったため、2010年5月に厚生労働省から医療上必要の高い未承認薬として開発要請されていました。今年3月、厚生労働省から製造、販売の承認を日本新薬が受けました。
 カウンセリングによる精神療法などを組み合わせた臨床試験では、新薬を服用して精神療法を受け約半年間の断酒に成功した患者は47パーセント、精神療法だけを受け約半年間の断酒に成功した患者は36パーセントで、11パーセント程度、断酒が続く人の割合が増えたといいます。
 レグテクト錠は医療機関向けに医療用医薬品として出荷し、服用には医師の処方箋が必要となります。1回2錠を1日3回食後に経口投与します。薬価は1錠50・10円。
 アルコール依存症で医師の治療を受けている患者は、国内で約4万人とされます。
 アルコール依存症は常習飲酒の結果、自らの飲酒行動を制御できなくなった病態で、性別、年齢、職業などを問わず、酒を飲む人なら誰でも発症する可能性がある疾患です。患者には飲酒に対して抵抗できない強い欲求が生じていて、連続飲酒といった病的な飲酒状態がみられるようになります。
 禁断症状が起こる患者もいて、回復には生涯の断酒が必要とされますが、時折生じる強烈な欲求に押され、再び飲酒してしまうケースも少なくないといいます。
 従来、体内のアルコール分解を抑制し、少量の酒でも頭痛や吐き気など悪酔いに似た症状を起こす「抗酒剤(嫌酒剤)」が知られていますが、治療効果は限定的だったといいます。

 2013年5月29日(水)




nice!(13)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

nice! 13

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0