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■用語 好酸球性肉芽腫 [用語(こ)]

[足]血液を作る骨髄の細胞のうち、組織球と呼ばれる大型の細胞が増殖した疾患
 好酸球性肉芽腫(にくげしゅ)とは、血液を作る骨髄の細胞のうち、組織球と呼ばれる大型の細胞が増殖した疾患。骨腫瘍(こつしゅよう)によく似た骨腫瘍類似疾患の1つです。
 ほとんどが20歳以下、特に10歳未満の子供にに多くみられ、骨に単発性、時には多発性の骨破壊が起こり、痛みをもって発症します。
 原因は不明ですが、組織をとって顕微鏡で見る検査をすると、組織球と呼ばれる細胞や、白血球の一種である好酸球が出現しているのが確認できるので、何らかの関係があるのではないかと考えられています。
 成長痛のようにいろいろな部位が痛むのではなく、発症した一定の部位だけが痛みます。よく発症する部位は、ももの太い骨である大腿(だいたい)骨や、腕の上部の骨である上腕骨など、大きくて長い管状の骨である長管骨です。そのほか、鎖骨、骨盤、脊椎(せきつい)などにも発症します。
 脊椎に発症した場合は、脊椎がもろくなるために、しばしばつぶれて扁平(へんぺい)になります。これはカルベ扁平椎と呼ばれます。
 カルベ扁平椎は1つの脊椎だけに病変がみられ、ほかの脊椎に病変が波及しないこと、骨端(こったん)症のように一定期間の破壊の後に修復し、脊椎の高さも発症前の状態に戻ることが特徴です。
 この好酸球性肉芽腫自体は良性なので、経過観察のみで改善消失することが知られ生命の危険はありませんが、他の治療が困難な疾患と区別するため、整形外科、内科、小児科を受診しきちんとした診断をしてもらうことが大切です。
[足]好酸球性肉芽腫の検査と診断と治療
 整形外科、内科、小児科の医師による診断では、X線検査を行うと、はっきりとした特徴的な骨破壊の写真像がみられます。
 X線写真像が骨の悪性腫瘍や骨髄炎に似ているので、組織の一部を採取して顕微鏡で調べる生検を行い、診断が確定します。顕微鏡で見ると、組織球の周囲には、エオジンという染色液によく染まる赤い細胞質と2つのそろった核が特徴の好酸球が増えています。 
 整形外科、内科、小児科の医師による治療では、骨折予防の処置を行った上で、X線検査による経過観察を行います。
 痛みがよくならず、X線検査でも軽快が認められず、骨折の危険性が高い時には、骨破壊の部分を取り除く掻爬(そうは)手術や、副腎(ふくじん)皮質ホルモン剤(ステロイド剤)の使用、あるいは少量の放射線を病変に照射するといった方法が行われます。
 好酸球性肉芽腫の予後は良好で、自然消退が期待できます。




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