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■卵子提供の出産、3年で3倍超 年推計300〜400人誕生 [健康ダイジェスト]

 卵子提供による出産の割合は2012年に3年前の約3倍に増えたことが、厚生労働省研究班(主任研究者・吉村泰典慶応大教授)の調査で15日、わかりました。大半が海外からの提供で、平均年齢は45・2歳と高齢出産である実態も明らかになりました。
 吉村教授は、「年間300~400人が卵子提供で生まれている推計」と指摘。高齢での出産リスクの注意喚起や、卵子提供のルール作りを求める議論が活発化しそうです。
 研究班は大学病院や総合病院など全国302施設を対象に、2009年1月から2012年9月までに扱った出産総数と卵子提供による出産数などを問うアンケートを郵送し、163施設が回答。卵子提供の出産件数は117件でした。
 年別では、2009年に14件(出産割合0・015パーセント)だったのが、2010年に30件(0・031パーセント)、2011年に37件(0・038パーセント)、20112年に36件(0・051パーセント)と、3年で卵子提供の出産割合が3・4倍に増えました。
 国内の年間出生数の約100万人にこれらの出産割合を掛けると、年間300人余りが卵子提供で誕生している計算になります。
 この期間の平均は0・03パーセント。2004~2008年に104施設から回答を得た前回の調査では平均0・009パーセントで、約3・6倍となりました。
 117件中、卵子提供を受けた国・地域について回答があったのは97件。内訳は米国65件、タイ18件、日本7件、韓国4件、台湾、マレーシア、ロシアがそれぞれ1件でした。
 出産した女性の年齢がわかった100人で、平均年齢は45・2歳。5歳刻みでは45~49歳の年齢層が最多で46人、55歳以上も4人いました。妊娠高血圧症候群など、妊娠合併症を伴ったのは68パーセントと多く、研究班は「高齢以外にも、提供卵子で免疫的に通常の妊娠と異なることが関係している可能性がある」としています。
 国内では、生まれ付きの体質で卵巣機能が低下しているターナー症候群や、若くして卵巣機能が低下して月経が止まってしまう早発閉経などの患者に卵子の提供者を仲介する「卵子バンク」が今年初めから活動を始めており、これまでに3組が決まっています。
 卵子提供は、子宮には問題がないものの、病気などで卵子ができない女性や、高齢で妊娠しにくくなった女性が、健康な女性から卵子の提供を受け、夫の精子と体外受精させて出産を目指す生殖補助医療。厚生労働省の審議会が2003年、法整備などを条件に、匿名の第三者からの無償提供を認めました。
 しかし、いまだに法整備されず、卵子採取に伴う副作用や生まれた子供の法的な地位、遺伝的な親を知る権利にどう対応するかなどの課題があります。

 2013年6月16日(日)




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