■用語 るいそう [用語(ら行)]
標準体重より体重が20パーセント以上減少している状態
るいそう(羸痩)とは、一般的に、標準体重より体重が20パーセント以上減少している状態。さくそう(削痩)、栄養失調、栄養不良、栄養不足とも呼ばれます。
標準体重より少ないからといって、人それぞれで体重がほぼ一定している場合には、すぐ病的だとはいえません。しかし、過去6カ月以内に元来の体重から10パーセント以上減った場合は、医学的に問題となります。
このるいそうは、栄養過多による肥満の反対、つまり脂肪だけが減っているということではありません。筋肉など、脂肪以外の組織も減少している状態をいいます。
るいそうを起こす原因には、さまざまなものがあります。大きく分けて、食事で摂取する熱量(カロリー)が体の要求を満たすのに十分でない場合と、摂取する熱量は足りていても十分に吸収・利用がされない場合に、るいそうの状態になります。
食事で摂取する熱量が体の要求を満たすのに十分でない場合のるいそうの一般的な形態は、蛋白(たんぱく)・エネルギー栄養失調(主要栄養素欠乏症)と、微量栄養素栄養失調(微量栄養素欠乏症)とに分かれます。
蛋白・エネルギー栄養失調は、体に必要なエネルギーと蛋白質の不十分な吸収と利用を示します。微量栄養失調は、体に少量必要なビタミンや微量元素などの不足が原因で、さまざまな疾患につながり、体の正常な機能を損ないます。
摂取する熱量は足りていても十分に吸収・利用がされない場合は、消化器系の疾患や、がん、糖尿病、甲状腺(こうじょうせん)機能高進症などのいろいろな疾患が原因となっている場合があります。
消化管である胃腸に疾患があると、食欲不振に陥ると同時に、食べた物の消化・吸収も正常に行われなくなるため、るいそうになります。消化器系の疾患で多いのは、胃潰瘍(かいよう)と十二指腸潰瘍です。また、消化液や酵素を分泌する腺臓器である肝臓、膵臓(すいぞう)に、慢性肝炎、肝硬変、慢性膵炎などの疾患があるケースでも、食欲が減退して、るいそうになります。
体のどの臓器、組織にできたがんでも、初期症状としてるいそうになり、体重が落ち、やせてきます。がん細胞が体の栄養を奪ってしまうために起こり、特に消化器系に発生したがんでは顕著です。末期になると、体がやせ細ってきます。
糖尿病の初期には太り出すことがありますが、放置して進行すると食欲があるのにるいそうになり、体がやせてきて、のどの渇き、多尿などの症状が現れます。糖尿病は膵臓から出るインシュリンの働きが悪くなり、血糖値が高くなる疾患で、進行すると目、腎臓(じんぞう)、神経などに合併症を来す全身病。親や兄弟に糖尿病の人がいると、発症率が高くなります。
甲状腺ホルモンが過剰に分泌される疾患が甲状腺機能高進症で、代謝が活発になって消費カロリーが増えるため食欲が増しますが、それ以上に代謝が激しいので、急激にるいそうになります。動悸(どうき)がする、汗をかきやすい、手が震えるなどの症状も伴います。男女比で見ると、約1対4で女性に多く、多くは20歳~50歳代で発症します。
そのほか、神経性食欲不振症、過度のダイエットが、るいそうの原因となっている場合があります。
神経性食欲不振症は若い女性に多く、肥満に対する強い不安などが原因で食欲不振になり、食べても自ら吐いてしまうこともあります。その結果、るいそうとなり、極度のやせ、無月経などを引き起こします。本人には、るいそうの自覚がないことが多いとされています。
減量を目的とした自己流の過度のダイエットによる食事制限によって、るいそう、摂取エネルギー不足に陥って、極端にやせるケースもあります。貧血や肝機能障害などの合併症を引き起こす危険性もあります。
そのほか、感染症、外傷、手術なども、るいそうを起こす原因となります。
るいそうの一般的な症状は徐々に起こってきますが、自覚症状としては、倦怠(けんたい)感、無気力、脱力感があり、体重は次第に減少し、体温も下がり、脈が少なくなります。やがてむくみ、貧血、下痢が現れ、末期には昏睡(こんすい)状態になって死亡します。
1カ月で2~3キロ以上体重が減ったら、念のため内科を受診しましょう。
るいそうの検査と診断と治療
内科の医師による診断では、さまざまな疾患を念頭に入れて、食欲や食事摂取の有無を始めとした病状を詳しく聞いた後に、必要な診察や検査を迅速に行います。
内科の医師による治療では、原因となっている疾患がある場合は、その疾患を治療することが先決です。
原因となっている疾患が特に見当たらなければ、十分な熱量と、牛乳、卵、大豆など良質な蛋白質を与えれば、容易に回復します。全体の摂取カロリーに占める糖質、脂肪、蛋白質の割合は、およそ3対1対1になるのがよいとされています。加えて、食事は1日3回、規則正しく取ることが大事です。
重症者では、消化機能も低下し、慢性下痢を伴っているものが多いので、初めは流動食を少量ずつ1日数回に分けて与えます。食べ物は、糖質食品(くず湯やかゆなど)、消化の良い蛋白質、脂肪(バター)の順で増加していきます。むくみが強い場合には、食塩を制限します。
るいそう(羸痩)とは、一般的に、標準体重より体重が20パーセント以上減少している状態。さくそう(削痩)、栄養失調、栄養不良、栄養不足とも呼ばれます。
標準体重より少ないからといって、人それぞれで体重がほぼ一定している場合には、すぐ病的だとはいえません。しかし、過去6カ月以内に元来の体重から10パーセント以上減った場合は、医学的に問題となります。
このるいそうは、栄養過多による肥満の反対、つまり脂肪だけが減っているということではありません。筋肉など、脂肪以外の組織も減少している状態をいいます。
るいそうを起こす原因には、さまざまなものがあります。大きく分けて、食事で摂取する熱量(カロリー)が体の要求を満たすのに十分でない場合と、摂取する熱量は足りていても十分に吸収・利用がされない場合に、るいそうの状態になります。
食事で摂取する熱量が体の要求を満たすのに十分でない場合のるいそうの一般的な形態は、蛋白(たんぱく)・エネルギー栄養失調(主要栄養素欠乏症)と、微量栄養素栄養失調(微量栄養素欠乏症)とに分かれます。
蛋白・エネルギー栄養失調は、体に必要なエネルギーと蛋白質の不十分な吸収と利用を示します。微量栄養失調は、体に少量必要なビタミンや微量元素などの不足が原因で、さまざまな疾患につながり、体の正常な機能を損ないます。
摂取する熱量は足りていても十分に吸収・利用がされない場合は、消化器系の疾患や、がん、糖尿病、甲状腺(こうじょうせん)機能高進症などのいろいろな疾患が原因となっている場合があります。
消化管である胃腸に疾患があると、食欲不振に陥ると同時に、食べた物の消化・吸収も正常に行われなくなるため、るいそうになります。消化器系の疾患で多いのは、胃潰瘍(かいよう)と十二指腸潰瘍です。また、消化液や酵素を分泌する腺臓器である肝臓、膵臓(すいぞう)に、慢性肝炎、肝硬変、慢性膵炎などの疾患があるケースでも、食欲が減退して、るいそうになります。
体のどの臓器、組織にできたがんでも、初期症状としてるいそうになり、体重が落ち、やせてきます。がん細胞が体の栄養を奪ってしまうために起こり、特に消化器系に発生したがんでは顕著です。末期になると、体がやせ細ってきます。
糖尿病の初期には太り出すことがありますが、放置して進行すると食欲があるのにるいそうになり、体がやせてきて、のどの渇き、多尿などの症状が現れます。糖尿病は膵臓から出るインシュリンの働きが悪くなり、血糖値が高くなる疾患で、進行すると目、腎臓(じんぞう)、神経などに合併症を来す全身病。親や兄弟に糖尿病の人がいると、発症率が高くなります。
甲状腺ホルモンが過剰に分泌される疾患が甲状腺機能高進症で、代謝が活発になって消費カロリーが増えるため食欲が増しますが、それ以上に代謝が激しいので、急激にるいそうになります。動悸(どうき)がする、汗をかきやすい、手が震えるなどの症状も伴います。男女比で見ると、約1対4で女性に多く、多くは20歳~50歳代で発症します。
そのほか、神経性食欲不振症、過度のダイエットが、るいそうの原因となっている場合があります。
神経性食欲不振症は若い女性に多く、肥満に対する強い不安などが原因で食欲不振になり、食べても自ら吐いてしまうこともあります。その結果、るいそうとなり、極度のやせ、無月経などを引き起こします。本人には、るいそうの自覚がないことが多いとされています。
減量を目的とした自己流の過度のダイエットによる食事制限によって、るいそう、摂取エネルギー不足に陥って、極端にやせるケースもあります。貧血や肝機能障害などの合併症を引き起こす危険性もあります。
そのほか、感染症、外傷、手術なども、るいそうを起こす原因となります。
るいそうの一般的な症状は徐々に起こってきますが、自覚症状としては、倦怠(けんたい)感、無気力、脱力感があり、体重は次第に減少し、体温も下がり、脈が少なくなります。やがてむくみ、貧血、下痢が現れ、末期には昏睡(こんすい)状態になって死亡します。
1カ月で2~3キロ以上体重が減ったら、念のため内科を受診しましょう。
るいそうの検査と診断と治療
内科の医師による診断では、さまざまな疾患を念頭に入れて、食欲や食事摂取の有無を始めとした病状を詳しく聞いた後に、必要な診察や検査を迅速に行います。
内科の医師による治療では、原因となっている疾患がある場合は、その疾患を治療することが先決です。
原因となっている疾患が特に見当たらなければ、十分な熱量と、牛乳、卵、大豆など良質な蛋白質を与えれば、容易に回復します。全体の摂取カロリーに占める糖質、脂肪、蛋白質の割合は、およそ3対1対1になるのがよいとされています。加えて、食事は1日3回、規則正しく取ることが大事です。
重症者では、消化機能も低下し、慢性下痢を伴っているものが多いので、初めは流動食を少量ずつ1日数回に分けて与えます。食べ物は、糖質食品(くず湯やかゆなど)、消化の良い蛋白質、脂肪(バター)の順で増加していきます。むくみが強い場合には、食塩を制限します。
タグ:るいそう 用語(ら行) 用語 健康創造塾 甲状腺機能亢進症 壊血病 高脂血症 やせ 肥満 偽痛風(軟骨石灰化症) 軟骨石灰化症(偽痛風) ウイルソン病 卵巣の形態異常(ターナー症候群) 甲状腺がん 単純性甲状腺腫 先天性甲状腺機能低下症(クレチン症) 甲状腺クリーゼ 甲状腺機能低下症 甲状腺ホルモン不応症 ターナー症候群 かっけ(脚気) 亜急性甲状腺炎 くる病(骨軟化症) クレチン症(先天性甲状腺機能低下症) 機能性甲状腺腺腫 二次性肥満 副甲状腺機能高進症 下垂体腺腫 下垂体性小人症 分娩後甲状腺炎 清涼飲料水ケトーシス 低身長症 下垂体機能低下症 ペットボトル症候群 成長ホルモン分泌不全性低身長症 症候性肥満 サルコペニア肥満 先天性銅代謝異常症 随伴性肥満 侏儒症 肝レンズ核変性症 ヌーナン症候群 ニコチン酸欠乏症 糖尿病性神経障害 内分泌、代謝、栄養の病気 糖尿病性網膜症 糖尿病性腎症 メタボリック症候群 生活習慣病 慢性甲状腺炎(橋本病) ビタミン欠乏によるニューロパチー ビタミンB1欠乏性ニューロパチー 痛風 バセドウ病 ビタミンB2欠乏症 プランマー病 ビタミン過剰症 無痛性甲状腺炎 類宦官症 橋本病(慢性甲状腺炎) ビタミン欠乏症 糖尿病
コメント 0