SSブログ

■希望者のiPS細胞を作製するサービスを開始 仏バイオ企業セレクティス社 [健康ダイジェスト]

 仏バイオ企業セレクティス社のグループ会社が7月から、将来の医療応用を見据えて、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を作製して長期間保存しておくサービスを各国で始めました。
 健康な人も含め、希望者の皮膚の組織を少し採取し、遺伝子を導入してiPS細胞を作製します。費用は作製に6万米ドル(約590万円)、保存に年間500米ドル(約5万円)。
 作製などはシンガポールなどで行いますが、最高経営責任者(CEO)アンドレ・シューリカ氏は「元になる細胞の採取は皮膚科医の協力があれば、日本国内でも可能。再生医療は革命的な医療だ。これは一生に1回だけの買い物で、高いとはいえない」と話しています。
 すでに米国や南アジア、欧州から申し込みがあるといいます。
 iPS細胞は、目の難病の研究的な治療が、世界初の臨床応用として日本でようやく始まる段階。将来的には、心臓や神経、肝臓などのさまざまな病気の再生医療に使えると期待されています。
 セレクティス社は2000年にパスツール研究所から分離、独立した企業で、同研究所が発明した技術のライセンス活動を行っています。また、同社は、山中伸弥京都大教授が所長を務める京大iPS細胞研究所と共同研究しています。
 一方、再生医療に役立てるため、あらかじめさまざまな種類のiPS細胞を作って備蓄しようという京都大学の取り組みに、兵庫県でさい帯血バンクを運営するNPO法人が協力することを決め、保存している血液を提供することになりました。
 NPO法人「兵庫さい帯血バンク」と京大iPS細胞研究所の担当者が6日、神戸市で記者会見して明らかにしました。
 患者の細胞からiPS細胞を作り、必要な組織などに変化させて移植する方法では、多くの費用や時間がかかるため、京大iPS細胞研究所は、あらかじめさまざまな患者に適合するiPS細胞を作り、備蓄する「iPS細胞ストック」構想を打ち出しています。
 これに対し兵庫さい帯血バンクは、全国に8つある公的なさい帯血バンクの中で初めて、保存している赤ちゃんのへその緒の血液を提供することを決めました。
 保存期間が10年を超え、白血病の治療などに使われなくなった血液のうち、白血球の型(HLA型)が多くの人に適合する血液を選び、親などに改めて同意を得た上で提供することにしています。バンクのさい帯血はHLA型をすでに調べてあり、費用や労力を省けます。
 京大iPS細胞研究所の齋藤潤准教授は、「血液の提供を受けることで効率的にiPS細胞を作ることができ、再生医療の可能性が広がると考えられる」と話しています。

 2013年8月6日(火)




nice!(6)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

nice! 6

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0