■用語 耳閉感 [用語(さ行)]
耳が詰まったり、耳がこもったりする感じが生じる症状
耳閉感とは、耳が詰まったり、耳がこもったりする感じが生じる症状。耳詰まりとも呼ばれます。
耳閉感はごく有り触れた症状で、耳がふさがれた感じ、音が耳や頭に響く感じ、さらに耳の圧迫感、軽い痛みを感じることもあり、誰でも何度か経験していることと思いますが、原因はいろいろなことが考えられます。
外から見える耳の部分から鼓膜までの外耳に原因のある耳閉感としては、耳垢(みみあか)が塊になって耳の穴をふさぐ耳垢栓塞(じこうせんそく)、外耳炎、水滴・髪の毛・綿棒の先端・子供ではプラスチックのおもちゃや消しゴムなどが耳の穴に詰まる外耳道異物で起こります。
鼓膜の内側から耳小骨あたりまでの中耳に原因のある耳閉感としては、滲出(しんしゅつ)性中耳炎で最も多く起こります。大人も風邪引き後などに滲出性中耳炎になることがあり、耳管の働きが悪くなるために耳閉感を生じます。
そのほかの中耳疾患では、好酸球性中耳炎で高率に耳閉感を生じます。好酸球中耳炎は喘息(ぜんそく)に伴いやすい中耳炎で、中耳に粘液がたまることにより難聴を生じます。滲出性中耳炎に似ていますが、音を感じる内耳から聴覚中枢路にかけて障害が生じたために起こる感音難聴も合併しやすいので注意が必要です。
体の平衡感覚を保つ三半規管や脳に音を直接伝える蝸牛(かぎゅう)などの器官がある内耳に原因のある耳閉感としては、急性低音障害型感音難聴で片側、まれに両側の耳閉感を生じます。
メニエール病の発作時にも、耳閉感が起こります。耳鳴りやめまいを伴うのが特徴です。
耳閉感の検査と診断と治療
耳鼻咽喉(いんこう)科の医師による診断では、まず問診で、耳の聞こえは悪くないか、風邪を引いていなかったか、耳に何か入れなかったか、ストレスが多くなかったかなど確認します。
次に視診で、顕微鏡を使用して耳の中を丹念に診ることにより、外耳や中耳の病変はおおよそ把握できます。外耳、中耳に異常がなければ、消去法で内耳の疾患の可能性が高くなります。中耳炎があれば、鼻の中もよく診ます。
標準純音聴力検査で、難聴の有無も調べます。もし難聴があれば、音を聴神経へ伝える外耳・中耳・鼓膜に障害が生じたために起こる伝音難聴なのか、音を感じる内耳から聴覚中枢路にかけて障害が生じたために起こる感音難聴なのかを調べます。
伝音難聴であれば、滲出性中耳炎の可能性が高くなりますので、耳の穴に耳栓をして外耳道を加圧、減圧しながら鼓膜の響きやすさを調べるティンパノメトリィ検査を行います。
耳鼻咽喉科の医師による治療では、耳垢栓塞や外耳道異物の場合、耳垢や異物を取り除けば耳閉感は治ります。
外耳炎の場合、耳の消炎処置と抗生剤内服などを行います。
滲出性中耳炎、好酸球性中耳炎の場合、まずは鼓膜切開や、鼓膜の一部を切開して中耳を換気するためのチューブを入れる鼓膜チューブ留置術(チュービング)で、鼓室内の貯留液を除去します。
鼻や副鼻腔(ふくびくう)に炎症を伴っていることが多いので、鼻処置や、副鼻腔に抗生物質、ステロイド剤(副腎〔ひくじん〕皮質ホルモン)などの薬液を吸入するネブライザー療法を行い、炎症やはれを抑えます。マクロライド系抗生物質の少量長期療法や、抗アレルギー剤内服を行うこともあります。
内耳疾患で耳閉感を生じた場合、内リンパ水腫(すいしゅ)という病態が原因のことが多いため、これを取り除くことが必要です。具体的にはストレスを避けることと、高浸透圧利尿剤の内服です。
そのほかには、内耳の代謝を助けるために、ビタミンB12や、アデホスという代謝を促進する薬などを内服することもあります。
耳閉感とは、耳が詰まったり、耳がこもったりする感じが生じる症状。耳詰まりとも呼ばれます。
耳閉感はごく有り触れた症状で、耳がふさがれた感じ、音が耳や頭に響く感じ、さらに耳の圧迫感、軽い痛みを感じることもあり、誰でも何度か経験していることと思いますが、原因はいろいろなことが考えられます。
外から見える耳の部分から鼓膜までの外耳に原因のある耳閉感としては、耳垢(みみあか)が塊になって耳の穴をふさぐ耳垢栓塞(じこうせんそく)、外耳炎、水滴・髪の毛・綿棒の先端・子供ではプラスチックのおもちゃや消しゴムなどが耳の穴に詰まる外耳道異物で起こります。
鼓膜の内側から耳小骨あたりまでの中耳に原因のある耳閉感としては、滲出(しんしゅつ)性中耳炎で最も多く起こります。大人も風邪引き後などに滲出性中耳炎になることがあり、耳管の働きが悪くなるために耳閉感を生じます。
そのほかの中耳疾患では、好酸球性中耳炎で高率に耳閉感を生じます。好酸球中耳炎は喘息(ぜんそく)に伴いやすい中耳炎で、中耳に粘液がたまることにより難聴を生じます。滲出性中耳炎に似ていますが、音を感じる内耳から聴覚中枢路にかけて障害が生じたために起こる感音難聴も合併しやすいので注意が必要です。
体の平衡感覚を保つ三半規管や脳に音を直接伝える蝸牛(かぎゅう)などの器官がある内耳に原因のある耳閉感としては、急性低音障害型感音難聴で片側、まれに両側の耳閉感を生じます。
メニエール病の発作時にも、耳閉感が起こります。耳鳴りやめまいを伴うのが特徴です。
耳閉感の検査と診断と治療
耳鼻咽喉(いんこう)科の医師による診断では、まず問診で、耳の聞こえは悪くないか、風邪を引いていなかったか、耳に何か入れなかったか、ストレスが多くなかったかなど確認します。
次に視診で、顕微鏡を使用して耳の中を丹念に診ることにより、外耳や中耳の病変はおおよそ把握できます。外耳、中耳に異常がなければ、消去法で内耳の疾患の可能性が高くなります。中耳炎があれば、鼻の中もよく診ます。
標準純音聴力検査で、難聴の有無も調べます。もし難聴があれば、音を聴神経へ伝える外耳・中耳・鼓膜に障害が生じたために起こる伝音難聴なのか、音を感じる内耳から聴覚中枢路にかけて障害が生じたために起こる感音難聴なのかを調べます。
伝音難聴であれば、滲出性中耳炎の可能性が高くなりますので、耳の穴に耳栓をして外耳道を加圧、減圧しながら鼓膜の響きやすさを調べるティンパノメトリィ検査を行います。
耳鼻咽喉科の医師による治療では、耳垢栓塞や外耳道異物の場合、耳垢や異物を取り除けば耳閉感は治ります。
外耳炎の場合、耳の消炎処置と抗生剤内服などを行います。
滲出性中耳炎、好酸球性中耳炎の場合、まずは鼓膜切開や、鼓膜の一部を切開して中耳を換気するためのチューブを入れる鼓膜チューブ留置術(チュービング)で、鼓室内の貯留液を除去します。
鼻や副鼻腔(ふくびくう)に炎症を伴っていることが多いので、鼻処置や、副鼻腔に抗生物質、ステロイド剤(副腎〔ひくじん〕皮質ホルモン)などの薬液を吸入するネブライザー療法を行い、炎症やはれを抑えます。マクロライド系抗生物質の少量長期療法や、抗アレルギー剤内服を行うこともあります。
内耳疾患で耳閉感を生じた場合、内リンパ水腫(すいしゅ)という病態が原因のことが多いため、これを取り除くことが必要です。具体的にはストレスを避けることと、高浸透圧利尿剤の内服です。
そのほかには、内耳の代謝を助けるために、ビタミンB12や、アデホスという代謝を促進する薬などを内服することもあります。
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