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■今世紀末、世界の気温4・8度上昇を予測 日本付近は海面上昇や猛烈な台風も [健康ダイジェスト]

 世界各国の科学者で作る国連のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)は27日、最新の研究成果をまとめた報告書を6年ぶりにスウェーデンで公表し、温暖化対策が行われなければ、今世紀末には世界の平均気温が最大で4・8度上昇すると予測し、温室効果ガスを大幅に削減する必要があると呼び掛けました。
 IPCCの報告書では、温暖化が「人間の活動によって引き起こされた可能性が極めて高い」として、これまでで最も踏み込んだ表現で温暖化が人為的に引き起こされていることを強調しました。その上で、大気中の二酸化炭素の濃度が現在の2倍以上に上昇した場合、今世紀末には世界の平均気温が最大4・8度上昇すると予測しました。
 海面水位は最大で82センチ上昇すると予測しているほか、南極の氷が大幅に溶けた場合はさらに数十センチ上昇する可能性もあるとしています。また、今世紀の後半には、海面水位や気温の上昇とともに、大きな高潮や熱波などが増える可能性が非常に高いと指摘しました。
 一方、国のプロジェクトで日本への影響を研究している気象庁気象研究所や東京大学などの研究チームは、IPCCが今回明らかにした報告書の想定に基づいて、近い将来に海面がどの程度上昇するのかスーパーコンピューターでシミュレーションし、詳細な予測を初めて行いました。
 その結果、世界の海面は上がったり下がったりを繰り返しながら長期的に上昇し、今から22年後の2035年には、1950年と比べて平均でおよそ20センチ上昇するとしています。日本付近は、暖かい黒潮の影響で、世界の中でも特に海面が上昇すると予測しています。
 気象庁気象研究所の石井正好主任研究官は、「上昇の効果はじわじわと現れるので実感しにくいが、台風による高潮などで低い土地の浸水の頻度が高まるため、注意が必要だ」と指摘しています。
 また、名古屋大学や気象庁気象研究所などの研究チームは、今世紀後半の2070年代から2080年代に台風の発生数や規模が、どう変化するのか、スーパーコンピューターでシミュレーションしました。
 平均気温が2度上昇した場合、台風の数は少なくなるものの、伊勢湾台風のような風速70メートルを超える猛烈な台風が毎年のように発生し、中には最大風速が80メートル以上とこれまでに経験したことのない台風も含まれています。
 風速70メートルを超えるような台風は、日本周辺で記録があるのは、1959年(昭和34年)に死者・行方不明者が5000人以上に上った伊勢湾台風と、1958年(昭和33年)に東海地方や関東地方を襲って1200人以上の死者・行方不明者が出た狩野川台風など、3例だけです。
 名古屋大学の坪木和久教授は、「近い未来に台風の勢力が強まることを想定して高潮や暴風などの対策を今から進めることが必要だ」と話しています。

 2013年9月28日(土)




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