■用語 顔面播種状粟粒性狼瘡(酒さ様皮膚炎) [用語(か行)]
副腎皮質ホルモン外用剤の副作用で、赤ら顔になる皮膚病
顔面播種状粟粒性狼瘡(がんめんはしゅじょうぞくりゅうせいろうそう)とは、鼻を中心として両ほおが赤くなる酒さに似た症状が現れる疾患。
現在欧米では、顔面播種状粟粒性狼瘡という疾患名は使われず、酒さ様皮膚炎と考えられています。また、出現部位により、口の周囲にのみ症状が現れる場合は口囲皮膚炎、目の周囲にのみ症状が現れる場合は眼囲皮膚炎などと呼ばれています。
顔面に生じる酒さ様皮膚炎で、組織的に肉芽腫(にくげしゅ)があるため、以前は結核菌への遅延型反応と考えられましたが、現在では否定されています。
比較的長期間にわたって、顔に副腎(ふくじん)皮質ホルモン(ステロイド)外用剤を使用したことによる副作用が主な原因で、20歳ぐらいから中年にかけての女性の顔面に多くみられます。
毛細血管が拡張して赤ら顔になるほか、にきびのような小さく赤い吹き出物や、膿胞(のうほう)ができます。火照りやぴりぴり感を伴い、中にはかゆみを感じる人もいます。副腎皮質ホルモン(ステロイド)外用剤の使用をやめると、一時的にさらに症状が悪化するために、中止することができないと、ますます悪化していきます。
この顔面播種状粟粒性狼瘡、すなわち酒さ様皮膚炎は、顔以外の皮膚ではあまりみられません。強力な副腎皮質ホルモン剤、特に構造式でフッ素を含有する副腎皮質ホルモン軟こうを外用した時に起こるとされますが、それ以外の副腎皮質ホルモン軟こうでも起こることがあります。化粧品を始め、シャンプーやリンスでかぶれた際に、市販の副腎皮質ホルモン剤が入ったかぶれ止めの薬を顔に長期間、連用するなどは、注意したほうがよいでしょう。
アトピー性皮膚炎の発症者で、顔の湿疹(しっしん)に連用して起こる場合もあります。副腎皮質ホルモン軟こうには、血管収縮作用があるために、外用時は赤みが除かれ肌が一時的に白くきれいに見えますが、長い間使用していると、顔面播種状粟粒性狼瘡、すなわち酒さ様皮膚炎になりかねません。女性が化粧品の下地クリームとして長期間、連用して起こる場合もあります。
症状を自覚した時は、皮膚科、ないし皮膚泌尿器科を受診することが勧められます。アトピー性皮膚炎や脂漏性皮膚炎を治療するために、副腎皮質ホルモン軟こうを用いて発症した場合は、掛かっている医師に相談します。
顔面播種状粟粒性狼瘡(酒さ様皮膚炎)の検査と診断と治療
皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による診断では、乾酪壊死(かんらくえし)という乾酪(チーズ)に似た黄白色で乾燥性の壊死を伴う肉芽腫性の変化がみられます。区別すべき疾患としては、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、尋常性ざ瘡があります。
皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による治療では、基本的には副腎皮質ホルモン軟こうの外用を中止すればよいのですが、実際には難しさがあります。外用を中止すると、数日後から顔面の赤み、はれがますます強くなり、火照り感が強く、我慢できなくなるほどに悪化します。この状態がひどい時は、3週間から2カ月くらい続くこともあり、その後は次第に症状が消えていきます。
問題はこの悪化する時期をどう治療するかで、外出もできないと訴える発症者もいます。精神的苦痛や不安を伴うので、入院するのも選択肢に入ります。徐々に効果の弱い副腎皮質ホルモン軟こうに変えていくとか、全身的に副腎皮質ホルモンの内服を行って炎症を抑え、徐々にその量を減らす方法もありますが、この方法では軽快するまでに、かなり長期間を要することがあります。
軽いケースでは、テトラサイクリンなどの抗生物質とビタミンB2の内服で、症状が改善されます。アトピー性皮膚炎がある場合は、副腎皮質ホルモン軟こうの代わりに、タクロリムスという免疫抑制剤の軟こうを用いたりします。
顔面播種状粟粒性狼瘡、すなわち酒さ様皮膚炎を予防するためには、顔にはなるべく副腎皮質ホルモン含有軟こうを使用しないことです。かぶれやアトピー性皮膚炎で炎症症状が強く、どうしても顔にこの軟こうを使わなければならない時は、できるだけ短期間に抑え、症状が軽快すれば、早めに副腎皮質ホルモンを含まない軟こうに変えます。そのためには、外用剤でも必ず皮膚科専門医の指示に従って、使用する必要があります。
日常生活では、皮膚内の毛細血管を広げる働きのある食品は、避けなくてはなりません。具体的には、香辛料の効いた食品、アルコール飲料、コーヒーなどのカフェイン入り飲料などです。化粧をする人は、腕に試してみるパッチテストをしてから使うように心掛けます。
顔面播種状粟粒性狼瘡(がんめんはしゅじょうぞくりゅうせいろうそう)とは、鼻を中心として両ほおが赤くなる酒さに似た症状が現れる疾患。
現在欧米では、顔面播種状粟粒性狼瘡という疾患名は使われず、酒さ様皮膚炎と考えられています。また、出現部位により、口の周囲にのみ症状が現れる場合は口囲皮膚炎、目の周囲にのみ症状が現れる場合は眼囲皮膚炎などと呼ばれています。
顔面に生じる酒さ様皮膚炎で、組織的に肉芽腫(にくげしゅ)があるため、以前は結核菌への遅延型反応と考えられましたが、現在では否定されています。
比較的長期間にわたって、顔に副腎(ふくじん)皮質ホルモン(ステロイド)外用剤を使用したことによる副作用が主な原因で、20歳ぐらいから中年にかけての女性の顔面に多くみられます。
毛細血管が拡張して赤ら顔になるほか、にきびのような小さく赤い吹き出物や、膿胞(のうほう)ができます。火照りやぴりぴり感を伴い、中にはかゆみを感じる人もいます。副腎皮質ホルモン(ステロイド)外用剤の使用をやめると、一時的にさらに症状が悪化するために、中止することができないと、ますます悪化していきます。
この顔面播種状粟粒性狼瘡、すなわち酒さ様皮膚炎は、顔以外の皮膚ではあまりみられません。強力な副腎皮質ホルモン剤、特に構造式でフッ素を含有する副腎皮質ホルモン軟こうを外用した時に起こるとされますが、それ以外の副腎皮質ホルモン軟こうでも起こることがあります。化粧品を始め、シャンプーやリンスでかぶれた際に、市販の副腎皮質ホルモン剤が入ったかぶれ止めの薬を顔に長期間、連用するなどは、注意したほうがよいでしょう。
アトピー性皮膚炎の発症者で、顔の湿疹(しっしん)に連用して起こる場合もあります。副腎皮質ホルモン軟こうには、血管収縮作用があるために、外用時は赤みが除かれ肌が一時的に白くきれいに見えますが、長い間使用していると、顔面播種状粟粒性狼瘡、すなわち酒さ様皮膚炎になりかねません。女性が化粧品の下地クリームとして長期間、連用して起こる場合もあります。
症状を自覚した時は、皮膚科、ないし皮膚泌尿器科を受診することが勧められます。アトピー性皮膚炎や脂漏性皮膚炎を治療するために、副腎皮質ホルモン軟こうを用いて発症した場合は、掛かっている医師に相談します。
顔面播種状粟粒性狼瘡(酒さ様皮膚炎)の検査と診断と治療
皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による診断では、乾酪壊死(かんらくえし)という乾酪(チーズ)に似た黄白色で乾燥性の壊死を伴う肉芽腫性の変化がみられます。区別すべき疾患としては、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、尋常性ざ瘡があります。
皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による治療では、基本的には副腎皮質ホルモン軟こうの外用を中止すればよいのですが、実際には難しさがあります。外用を中止すると、数日後から顔面の赤み、はれがますます強くなり、火照り感が強く、我慢できなくなるほどに悪化します。この状態がひどい時は、3週間から2カ月くらい続くこともあり、その後は次第に症状が消えていきます。
問題はこの悪化する時期をどう治療するかで、外出もできないと訴える発症者もいます。精神的苦痛や不安を伴うので、入院するのも選択肢に入ります。徐々に効果の弱い副腎皮質ホルモン軟こうに変えていくとか、全身的に副腎皮質ホルモンの内服を行って炎症を抑え、徐々にその量を減らす方法もありますが、この方法では軽快するまでに、かなり長期間を要することがあります。
軽いケースでは、テトラサイクリンなどの抗生物質とビタミンB2の内服で、症状が改善されます。アトピー性皮膚炎がある場合は、副腎皮質ホルモン軟こうの代わりに、タクロリムスという免疫抑制剤の軟こうを用いたりします。
顔面播種状粟粒性狼瘡、すなわち酒さ様皮膚炎を予防するためには、顔にはなるべく副腎皮質ホルモン含有軟こうを使用しないことです。かぶれやアトピー性皮膚炎で炎症症状が強く、どうしても顔にこの軟こうを使わなければならない時は、できるだけ短期間に抑え、症状が軽快すれば、早めに副腎皮質ホルモンを含まない軟こうに変えます。そのためには、外用剤でも必ず皮膚科専門医の指示に従って、使用する必要があります。
日常生活では、皮膚内の毛細血管を広げる働きのある食品は、避けなくてはなりません。具体的には、香辛料の効いた食品、アルコール飲料、コーヒーなどのカフェイン入り飲料などです。化粧をする人は、腕に試してみるパッチテストをしてから使うように心掛けます。
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